Avidは、2024年4月14日から17日まで、米国・ラスベガスのコンベンションセンターで開催されたNAB Show 2024において、強化されたコラボレーションとオープンな統合ワークフローにより、テレビ、映画、ニュースの分野で活躍するビデオおよびオーディオ・メディアのトップ・クリエイターを支援する幅広いソフトウェア製品とソリューションを初公開した。
Avidの最高経営責任者(CEO)ウェルフォード・ディラード氏は、次のようにコメントしている。
ディラード氏:NABでは、お客様がコンテンツに対する絶え間ない需要に常に先んじることを可能にし、ニュース、スポーツ、テレビ、映画などのプレミアム・コンテンツ制作における課題に対応するよう積極的に変革するイノベーションを、Avidがどのように推進しつづけているのかを紹介できることを楽しみにしています
Avidのメディア制作の将来のビジョンを紹介
Avidブース(ブース番号:SU2014)のInspiration Stationでは、Avidのメディア制作に対する将来のビジョンを紹介しながら、"実現性"をデモンストレーションするオープン・セッションが実施された。
日曜日から火曜日まで、毎時開催されたこれらのセッションでは、多様な制作事例でクリエイティブ・ワークフローを加速するAvid AdaTM AI搭載ツールを紹介。また、Haivision、First Mile、Marquisおよびソニーによる"レンズ・トゥ・ファースト・エディット"、Autodesk Flow Captureを使ったデイリー・ワークフロー、ioMoVoによる軽量アセット管理、Spectra Logicによるインジェストおよびアーカイブ、Doom SolutionsによるVFX、Storage DNAによる統合など、API連携ワークフローを使用してAvidの編集ツールMedia Composerの機能性を拡大しているAvidの提携パートナーについても紹介された。
アイディアから視聴者へ – どこにいてもコラボレーション可能なニュース制作
Avidは、デジタル・ファーストで、エンド・ツー・エンドの包括的なニュース制作ソリューション、MediaCentral関連の最新イノベーションを発表。新機能には、オーディオ波形で強化されたブラウザベースの編集機能、より強化された検索ツール、ワークフロー計画に対応するBlueprint Builder、Rundownアプリの機能強化、そしてAvid Adaによる新たなAI機能の強化などが含まれる。また、MediaCentralのプランニングおよびコラボレーション・アプリの「MediaCentral | Newsroom Management」を使用して、ストーリーの構築・作成から、レビューと承認、デジタルおよびソーシャル・チャンネルへの配信までにわたるエンド・ツー・エンドのワークフローも紹介。
Avid | Stream IO
Avidのソフトウェア・ベースのインジェストおよびプレイアウト・ソシューションAvid | Stream IOTMの最新版も紹介。
SDIからIPへ移行して、クラウドとハイブリッド・ワークフローの活用を検討している制作チームに最適なStream IOは、Webベースのインターフェースでプレイリストを作成する機能やスクリーン表示の拡張オプションが追加された他、RaidZ1ストレージ保護機能の追加により耐障害性が向上した。
Avid AdaによるAIパワーで創作性を大幅向上
Avidは10年以上にわたり、AI技術の革新的な応用で、創造性を加速し、効率性を向上させてきたというが、NAB 2024では、ヒューマン・イン・ザ・ループ(HITL:人間参加型)のアプローチにより創造的な知性を解放するAIの新たな応用をどのように加速させるかの技術ロードマップを紹介。
デモでは、Avid AdaがどのようにAI技術のパワーを活用して、音声の文字起こし、サマリー作成、言語翻訳を自動化する方法が紹介された。また、Avid Media ComposerのPhraseFindTM AIやScriptSync AI、Avid MediaCentralの顔認識やシーン認識など、現行のAvidソリューションに含まれるAI搭載ツールに加えて、文字起こしサービスやレコメンデーション・エンジンも紹介。
また、WebベースのMediaCentral | Cloud UXで編集する記者が、スクリプトを書き、タイムラインにナレーションを録音したら、ストーリーの選択した部分にマッチする関連映像を特定するようAIサービスに尋ねる方法もデモ実演。
魅力的なストーリーを迅速に作成
Avidは、オープンで効率的なコラボレーション・ワークフローを備えた、Media Composer の最新機能を紹介。イノベーション・デモでは、どこにいても編集セッションを仮想化できるように対応し、Microsoft Teamsを使ったリアルタイム・コラボレーションを実現するAvidのSaaSベースのコラボレーション・ツールを先行展示。さらに、最新のMedia Composer Panel SDK(ソフトウェア開発キット)により可能になる、Autodesk Flow CaptureやDoom Solutionなどのサードパーティ製ソリューションによる新しいワークフロー統合も紹介された。
映像ワークフローのためのサウンド革新
ブースでは、ダイアログ、再録音、ADR、ミキシング用の拡張機能によって、Avid Pro Toolsがどのようにオーディオ・ポストプロダクション・マーケットをリードし続けるのか、いくつかの新機能のプレビューを交えて紹介された。
- iZotope RX、Synchro Arts VocAlign、Sound Radix Auto Alignなど、オーディオ・ポストの必須プラグインのARA統合
- Dropbox Replayを Pro Toolsと統合して、レビューと承認ワークフローを加速
- Pro Toolsの内部レンダラーを活用したDolby Atmosのライブ・リレンダラーなど、最高峰のイマーシブ・オーディオ・ワークフロー
- トラック・マーカー、メモリー・ロケーションなど、ダイアログ・ワークフローの強化
- サンプル精度のボリュームとパン情報、マーカーなどを含む、Media Composer互換ファイルとしてPro Toolsセッションを保存
- Pro ToolsセッションをMedia Composerビンに直接ドラッグ&ドロップ
Avid NEXISは、オーディオ制作向けのストレージ・サポートを強化。マルチルーム環境でも、ルーム間でシームレスに機能するという。Avidの最新オーディオ・インターフェースMTRIX IIとAvidコントロール・サーフェスを併用すれば、Avidソリューションは、最も速く、最も流動的なワークフローを提供し続けるという。
NAB Show 2024でAvidワークフローを紹介
Avidのオープン性へのコミットメントにより、数百社のパートナーや開発者が、顧客のワークフローを拡張し、最適化する統合を提供している。Media Composerとサードパーティの統合に加えて、MediaCentralニュース・プラットフォームで利用可能なサードパーティ製アプリを紹介。
- TRACOおよびDigital NirvanaのAIによる文字起こしとキャプション作成、言語翻訳
- Avid | Edit On DemandのソニーおよびMarquisとの"レンズ・トゥ・ファースト・エディット"統合でプロキシ・ワークフローと高解像度ファイル転送を実現
- ソーシャルメディア・コンテンツをストーリー作成とランダウンに組み込むことができるX.News
また、NAB会場のいたるところで、Aveco(スタジオ・オートメーション)、SwXtchとGlookast(リモート・クラウド編集)などのAvidパートナーが、Avidプラットフォームで可能なワークフローが紹介された。