Simmod Lensは、ARRIシグネチャーズームとプライム、およびSimmod独自のLPLマウントコンバージョンキットを使用して変換されたスチルレンズ用のマグネット式カラーアキュレートIRニュートラルデンシティ(以下:IRND)ソリューションを発表した。対応レンズの後部に磁石で取り付けられるLPLおよびシグネチャープライム用Simmod LensフルスペクトラムエッセンスIRNDフィルターは、ND 0.3、ND 0.6、ND 0.9、ND 1.2、およびクリアのノンコーティングが用意されている。
フルスペクトラムエッセンスIRNDフィルターは、最新のフィルターテクノロジーを採用し、最小限のカラーシフトと完璧に近い肌色を保証するという。科学的に測定すると、全スペクトルにわたって高い透過率曲線が達成されている。したがって、フィルターは全スペクトルにわたって均一に光を完全に減少させ、適切なイメージングに必要な紫外線と赤外線の周波数を保持。その結果、元の色調に限りなく近い色が得られ、ポストプロダクションに最適だという。
LPLエッセンスリアマグネティックフィルターシステムは、Simmodリアディフュージョンオプションで初めて導入された。IRNDオプションの追加により、撮影者はNDやディフュージョンを素早く簡単に変更できるようになったという。エッセンスフィルターは、装着後、カチッという安心感のある音とともに所定の位置にセットされ、フィルター交換は数秒で完了する。また、ねじ込み式やマットボックス式のフィルターよりも小型で軽量。1つの小さな単一サイズのフィルターが複数のレンズに適合し、重いマットボックスや複数のステップダウンリング、広角レンズ用の大きくて高価なフィルターは不要になる。
エッセンスフィルターシステム
エッセンスフィルターシステムは、ARRIのシグネチャーシリーズレンズやSimmod LPL変換スチルレンズのマグネット式リアマウントに装着可能。Simmod LPLマウントの後部にねじ込むマグネット式パイロットガイドリングと、それにはめ込むエッセンスフィルターで構成されている。すべてのSimmod LPLコンバージョンキットには、LPLマウントにねじ込むリアパイロット(非磁性)ガイドリングが標準装備(レンズをカメラボディまたはアダプターに取り付ける際にレンズをガイドするもので、リアに55mm径のねじ山があるため、ユーザーは必要に応じてリアフィルターに通常の55mm径ねじ込み式フィルターのほとんどを使用可能)。Simmod LPLエッセンスリアマグネットフィルターを使用するには、オリジナルのパイロットガイドを取り外し、新しいエッセンスマグネットパイロットと交換する必要がある。一度LPLマウントにねじ込むと、マグネットフィルターを素早くリアに取り付け可能。
各エッセンスフィルターは航空機グレードのアルミニウム製で、エッジにはローレット加工が施され、簡単かつ確実なグリップが可能。各リングには合計12個のマグネットが付いており、誤って外れることを防ぐ。すべてのフィルターは専用の保護ケースが付属。
マグネット式リアレンズフィルターは、従来ハイエンドのシネマレンズにしか使用できず、高価であったという。同エッセンスフィルターシステムは、Simmod LensのLPLマウントシステムを採用するヴィンテージスチルレンズユーザーに費用対効果の高いソリューションを提供するという。
完璧なシミング
ガラスフィルターやエレメントを追加すると、レンズのバックフォーカスがわずかに変化する。その結果、無限遠フォーカスがレンズの無限遠マークを超えてしまう。レンズが正しく調整されていれば無限遠にピントが合うが、正確な距離マークが必要な場合はレンズにシムを適用する必要がある。
フィルターで使用するためにレンズセットを正しくシム調整すると、フィルターや焦点距離を変更するときに再度調整する必要はない。NDが必要ない場合は、マグネット式クリアーフィルターを取り付けるだけで、正しいフランジ距離を維持することが可能。Simmodエッセンスシステムは、フォーカシングに影響を与えることなく、あらゆる焦点距離でも使用できることを保証するという。各Simmod LPLコンバージョンキットには標準でシムも付属しており、さらに必要な場合はSimmodのWebサイトから購入が可能。シムはライカR、ニコンF、オリンパスOM、コンタックス・ツァイス、キヤノンFD、マミヤ645用が用意されている。
なぜLPLなのか?
LPLマウントの物理的設計により、エッセンスマグネットフィルターシステムが可能になったという。ARRIのエンジニアは、フランジ距離が短く、開口部が広い最新のマウントを設計することで、リアフィルターシステムに必要なスペースを提供した。
Simmodレンズマウントを使用すると、ヴィンテージスチルレンズをLPLに簡単に適合できるため、LPLマウントが古いPLまたはEFマウントシステムよりもはるかに柔軟であることは明らかだという。