Appleは、薄くて軽いデザインで、持ち運びやすさとパフォーマンスを次のレベルへ引き上げる新しいiPad Proと、Apple Pencilの体験をさらに向上させるパワフルな新しい操作を提供するApple Pencil Proはを発表した。
iPad Proは13インチの11インチの2つのサイズ、シルバーとスペースブラックの仕上げ、256GB、512GB、1TB、2TBの構成をラインアップする。2024年5月15日発売する(注文受付中)。それぞれの希望小売価格は以下のとおり。
- iPad Pro 11インチ Wi-Fiモデル:税込168,800円から
- iPad Pro 11インチ Wi-Fi + Cellularモデル:税込204,800円から
- iPad Pro 13インチ Wi-Fiモデル:税込218,800円から
- iPad Pro 13インチ Wi-Fi + Cellularモデル:税込254,800円から
- Apple Pencil Pro:税込21,800円
iPad Proは13インチ、11インチどちらのサイズも、先進的なディスプレイである最先端のタンデムOLEDテクノロジーを採用した新しいUltra Retina XDRディスプレイを搭載し、驚くべき視覚体験を提供するという。
新しいiPad Proは、次世代のAppleシリコンである新しいM4チップによって実現し、パフォーマンスと機能が飛躍的に進化。M4はまったく新しいディスプレイエンジンを搭載し、Ultra Retina XDRディスプレイの精度、色、輝度を実現している。
新しいCPU、M3で登場したGPUアーキテクチャをもとにして作られた次世代GPU、これまでで最もパワフルなNeural Engineにより、新しいiPad Proは人工知能のためのパワフルなデバイスだとしている。
iPad Proの汎用性と先進的な機能は、まったく新しいアクセサリによっても強化される。Apple Pencil Proは、Apple Pencilの体験をさらに向上させるパワフルな新しい操作を提供。新しいより薄く、より軽いMagic Keyboardは驚異的な機能が満載だとしている。Magic Keyboardも注文受付を開始しており、5月15日から販売を開始する。
Appleのハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、ジョン・ターナス氏は次のようにコメントしている。
ターナス氏:iPad Proは、世界最高のディスプレイ、最新のMシリーズチップの並外れたパフォーマンス、先進的なアクセサリの組み合わせのすべてを持ち運びやすいデザインに収めており、幅広いプロフェッショナルに力を与えるほか、究極のiPad体験を求める人々に最適なモデルです。
私たちは、iPad Pro史上最大のアップデートとなる、新しい驚くほど薄くて軽いiPad Proによって、この体験をさらに進化させます。画期的なUltra Retina XDRディスプレイ、M4の次のレベルのパフォーマンス、驚異的なAI機能を備え、まったく新しいApple Pencil ProとMagic Keyboardに対応する新しいiPad Proのようなデバイスは、ほかにはありません。
史上最高に薄いApple製品
史上最高に薄いApple製品である新しいiPad Proは、薄くて軽いデザインにより、持ち運びやすさをまったく新しいレベルへ引き上げるとしている。11インチのモデルはわずか5.3mmの薄さ、13インチのモデルはさらに薄い衝撃的な5.1mmの薄さでありながら、どちらのモデルも前世代のデザインと同じ強度を備えている。
11インチのモデルの重量は450グラム未満で、13インチのモデルは前世代より約100グラム軽いため、プロユーザーは新しい方法で、ワークフローをより多くの場所で広げることができる。新しいiPad Proは、シルバーとスペースブラックの2つの美しい仕上げが用意されており、どちらも100パーセント再生アルミニウムの筐体だ。
世界で最も先進的なディスプレイ
新しいiPad Proは、世界で最も先進的なディスプレイであるUltra Retina XDRを初めて搭載し、さらに驚くべき視覚体験を提供する。Ultra Retina XDRディスプレイは、2枚のOLEDパネルを使用して両方からの光を組み合わせ、高いフルスクリーン輝度を実現する、最先端のタンデムOLEDテクノロジーを採用している。
新しいiPad Proは、SDRとHDRのコンテンツで驚異的な1,000ニトのフルスクリーン輝度に対応し、HDRでは1,600ニトのピーク輝度に対応する。このような極限レベルのダイナミックレンジを実現しているこの種のデバイスはほかにないという。
タンデムOLEDテクノロジーは、一つ一つのピクセルの色と輝度のサブミリ秒単位でのコントロールを可能にし、XDRの精度をかつてないほど向上させるという。
写真やビデオ内の鏡面ハイライトはさらに明るく表示され、陰影や明るさの足りない場所では、iPadで精細なディテールをとらえ、同時に動きのあるコンテンツのレスポンスも高まったという。高い品質で色を扱うワークフローや、難しい光の条件下で作業するプロユーザー向けに、新しいNano-textureガラスのオプションが初めてiPad Proに導入される。
Nano-textureガラスは、ナノメートル単位の精度でエッチングが施されており、画質とコントラストを保ちながら周囲の光を拡散させ、映り込みを減らす。画期的なタンデムOLEDテクノロジー、極限の輝度、高精度のコントラスト、鮮やかな色、そしてNano-textureガラスのオプションにより、新しいUltra Retina XDRディスプレイは世界で最も先進的なディスプレイであり、iPad Proのユーザーに比類のない視覚体験を提供するとしている。
M4によってのみ実現すること
新しいiPad Proの薄くて軽いデザインとディスプレイは、パフォーマンスが向上した次世代のAppleシリコンであるM4によってのみ実現可能だという。M4は、電力効率がさらに向上した第2世代の3ナノメートルテクノロジーで設計されており、新しいiPad Proのデザインに最適だ。
まったく新しいディスプレイエンジンを搭載したM4は、Ultra Retina XDRディスプレイの目を奪う精密さ、色、輝度をもたらす先駆的なテクノロジーを採用している。新しいCPUは、最大4つの高性能コアと6つの高効率コア2、次世代の機械学習(ML)アクセラレータを搭載しており、CPUパフォーマンスは前世代のiPad Proに搭載されているM2と比べて最大1.5倍高速だという。
M4は、M3のGPUアーキテクチャをもとに設計されており、10コアGPUは、iPadに初めて搭載されるDynamic Cachingやハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングとレイトレーシングなどのパワフルな機能を搭載。より高いユニファイドメモリ帯域幅との組み合わせで、Octaneなどのプロ向けのレンダリングアプリのパフォーマンスは、M2よりも最大4倍高速だという。
M4は大幅に向上しており、業界をリードするワット当たりのパフォーマンスも実現。M2と比べて、M4はわずか半分の電力で同じパフォーマンスを発揮でき、薄くて軽いWindowsノートパソコンに搭載されている最新のPCチップと比較すると、わずか4分の1の電力で同じパフォーマンスを発揮できる。新しい先進的なメディアエンジンはAV1デコードに対応し、ストリーミングサービスでの高解像度ビデオ体験で、さらに電力効率の高い再生を実現する。
AIのためのパワフルなデバイス
M4を搭載した新しいiPad Proは、Apple史上最もパワフルなNeural Engineを搭載しており、毎秒38兆回の演算処理が可能。これは、A11 Bionicチップに搭載されたAppleの最初のNeural Engineより60倍高速だという。
CPU内の次世代のMLアクセラレータ、高性能GPU、より高いメモリ帯域幅、そしてiPadOSの賢い機能とパワフルなデベロッパフレームワークとの組み合わせにより、Neural Engineは新しいiPad ProをAIのためのとてつもなくパワフルなデバイスにします。M4搭載のiPad Proでは、ユーザーはFinal Cut Proのシーン除去マスクで1回タップするだけで4Kビデオの被写体を背景から簡単に分離できるなど、AIを利用したタスクをこれまで以上に高速に実行できるとしている。
このような高度なレベルのパフォーマンスにより、M4のNeural Engineは現在のAI対応のWindowsパソコンに搭載されているどのニューラルプロセッシングユニットよりもパワフルだという。
iPadOSは、Core MLのような先進的なフレームワークも備えており、デベロッパはNeural Engineを利用して、パワフルな拡散モデルや生成AIモデルをデバイス上で優れたパフォーマンスで実行するなど、驚異的なAI機能をローカルで提供することがより簡単になる。
また、iPad Proはクラウドベースのソリューションにも対応しているため、ユーザーはCopilot for Microsoft 365やAdobe Fireflyなど、AIのパワーを活用するパワフルな生産性アプリや創造性アプリを実行できる。
Proのカメラ
新しいiPad Proのアップデートされたカメラシステムは、さらなる汎用性を提供し、4つのスタジオ品質のマイクからの豊かなオーディオと合わせて、ユーザーは1台のデバイスで撮影、編集、共有できる。12MPのバックカメラは、鮮やかなスマートHDRの写真やビデオを、より良い色で、より優れた質感で、明るさが足りない場所でもディテールをとらえて撮影する。
また、新しいアダプティブTrue Toneフラッシュも備えているため、新しいiPad Proでの書類のスキャンがこれまで以上に良くなっった。新しいiPad Proは、AIを利用してカメラアプリで直接書類を自動的に識別し、影が写り込む場合は新しいアダプティブフラッシュを使用して即座に複数の写真を撮影し、スキャンをつなぎ合わせてスキャンを向上させる。
前面のTrueDepthカメラシステムは、新しいiPad Proでは横向きになっている。センターフレームに対応した超広角12MPカメラにより、横向きの状態、特に、iPadにMagic KeyboardやSmart Folioを取りつけた状態でのビデオ会議の体験が一段と向上するとしている。
Proの接続性
iPad Proは、Thunderbolt 3とUSB 4に対応した高性能なUSB-Cコネクタを搭載し、最大40Gb/sの高速の有線接続を提供する。
Thunderboltは、フル6K解像度のPro Display XDRなどの外部ディスプレイや外部ストレージなど、高性能なアクセサリの幅広いエコシステムに対応しており、すべて高性能なケーブルとドックを使って接続する。iPad Proは、超高速なWi-Fi接続のためのWi-Fi 6Eに対応しており、外出先でもプロのワークフローを可能にする。
5Gに対応したWi-Fi + Cellularモデルでは、ユーザーは外出先でも自分のファイルにアクセスしたり、同僚と連絡を取り合ったり、自分のデータをバックアップできる。
新しいiPad ProのWi-Fi + Cellularモデルは、物理的なSIMカードよりもさらに安全なeSIMでアクティベートされ、ユーザーはデジタルで既存のプランにすばやく接続したり移行できるほか、1台のデバイスに複数のデータ通信プランを保存できる。ユーザーは、世界中の190以上の国と地域で、現地の通信事業者から物理的なSIMカードを入手する必要なく、新しいiPad Proを簡単に無線データプランに接続できる。
Apple Pencil Pro
Apple Pencil Proは、Apple Pencilの体験を一段と向上させる、機能やパワフルな新しい操作を装備している。軸に内蔵された新しいセンサーはユーザーのスクイーズ(指で強く押した状態)を感知してツールパレットを表示できるので、創作活動を妨げることなく、ツール、線の太さ、色のすべてをすばやく切り替えられる。
独自の触覚エンジンは、ユーザーがスクイーズしたり、ダブルタップしたり、図形認識でスナップしたりすると、確認として軽いタップを返し、直感的な体験をもたらす。ジャイロスコープにより、ユーザーはApple Pencil Proを回転させて、使用しているツールを正確にコントロールできる。軸を回転させると、ペンと紙のように、形の異なるペンツールとブラシツールの向きを変えることができる。
また、Apple Pencilのホバー機能を使うと、ユーザーはペン先がディスプレイに触れる前にツールの正確な向きを見ることができる。
このような先進的な機能により、Apple Pencil Proはユーザーがまったく新しい方法でアイデアを形にすることを可能にし、デベロッパも独自の操作ができる。Apple Pencil Proは、Apple Pencilで初めて「探す」に対応し、ユーザーがApple Pencil Proを置き忘れた場合に見つけられるようにする。
また、新しいマグネットのインターフェイスを通じて、iPad Proの側面でペアリング、充電、保管が可能。iPad Proは、メモを取ったり、スケッチをしたり、注釈を加えたり、日記をつけたりするのに最適なApple Pencil(USB-C)にも対応している。
新しいMagic KeyboardとSmart Folio
新しいiPad Proのために作られた、まったく新しく、より薄くてより軽いMagic Keyboardは、新しいiPad Proをこれまで以上に持ち運びやすく、万能にする。
新しいMagic Keyboardは、ユーザーから好評なフローティングデザインで開くほか、ファンクションキー配列により、画面の明るさや音量の調節などの機能にアクセスできる。また、美しいアルミニウム製のパームレストと、触覚フィードバックで反応の良さが一段と向上したより大きいトラックパッドを備えているため、全体的な体験はMacBookを使っているように感じられるという。
新しいMagic Keyboardはマグネットで取りつけられ、Smart Connectorによって、Bluetoothを必要とせずに瞬時に電源やデータにつながる。機械加工されたアルミニウム製のヒンジには、充電用のUSB-Cコネクタも搭載されている。新しいMagic Keyboardは、スペースブラックのアルミニウム製パームレストを備えたブラックと、シルバーのアルミニウム製パームレストを備えたホワイトの新しいiPad Proを完璧に引き立てる2つのカラーで提供する。
iPad Pro用の新しいSmart Folioは、マグネットで取りつけられ、柔軟性を高める複数の表示角度に対応する。ブラック、ホワイト、デニムが用意されている。
パワフルなiPadOSの機能
iPadOSは、iPadでできることの限界を押し広げる機能が満載だ。リファレンスモードでは、iPadOSは、レビューや承認、カラーグレーディング、合成といった正確な色味と一貫した画質が極めて重要なタスクで、Ultra Retina XDRディスプレイの色の条件に正確に合わせることができる。
ステージマネージャでは、ユーザーは複数の重なり合うウインドウを1つのビューで操作したり、ウインドウのサイズを変更したり、タップしてアプリ間を切り替えたりすることができる。最大6Kの外部ディスプレイに完全に対応するため、iPad Proのユーザーはワークフローを拡張したり、外部ディスプレイの内蔵カメラを使ってビデオ会議をさらに強化したりできる。
ユーザーは、iPad ProのパワフルなAI機能と、「画像を調べる」、被写体の抜き出し、テキスト認識表示、またはアクセシビリティのためのライブキャプションやパーソナルボイスなどのiPadOSのスマート機能を活用できる。
iPadOS 17では、ユーザーはiPadのより大きいディスプレイを活用して、ロック画面をカスタマイズし、よりパーソナルな画面にできるほか、インタラクティブウィジェットにより、一目で確認できる情報がさらに進化し、1回タップするだけですぐに様々なタスクをこなせる。メモアプリでは、ユーザーは新しい方法でPDFを整理したり、読んだり、注釈を加えたり、共同作業をすることができ、PDFでの作業は、フォーム内のフィールドを識別して入力する自動入力によってさらに簡単になるという。
iPadのためのLogic Pro 2
5月13日から提供が開始されるiPadのためのLogic Pro 2では、驚くようなスタジオアシスタント機能が導入される。この機能は、常にアーティストがクリエイティブなコントロールを完全に維持できるようにしながら、音楽制作のプロセスを補強し、アーティストが必要な時にサポートを提供する。
これらの機能には、Logic Proで人気のあるDrummerの機能を拡張し、新しいBass PlayerとKeyboard Playerを収めたSession Playersや、トラックにすばやく温かみを加えるChromaGlow、1つのオーディオ録音から個別のパートを抽出して作業できるStem Splitterなどがある。
iPadのためのFinal Cut Pro 2
今春後半に登場するiPadのためのFinal Cut Pro 2に、iPadをモバイル制作スタジオに変身させる新機能、ライブマルチカムが登場し、ユーザーは接続された最大4台のiPhoneまたはiPadデバイスをワイヤレスで表示とコントロールできる。
ライブマルチカムに対応するために、新しい撮影アプリであるFinal Cut Camera6もiPadとiPhoneに登場。ユーザーはホワイトバランス、ISO、シャッタースピードなどのオプションをコントロールできるほか、露出オーバーインジケータやフォーカスピーキングなどのモニタリングツールを利用できる。
Final Cut Cameraは、単体の撮影アプリとしても、ライブマルチカムと連係しても機能する。iPadのためのFinal Cut Pro 2では、ユーザーは外部ストレージでプロジェクトを作成したり開いたりすることもできるため、編集者はさらなる柔軟性が得られ、新しいコンテンツのオプションも提供される。