Xencelabsは、高画質、薄型軽量で低消費電力&超低反射パネルを備えた業界初のプロフェッショナルクリエイター向け15.6インチの4K有機ELペンタブレット「Xencelabsペンディスプレイ16」シリーズを発表した。フルパッケージのバンドル版を2024年6月12日(水)、ノートパソコン向けのエッセンシャル版を2024年6月26日に発売する。希望小売価格は以下のとおり。
- フルパッケージモデル Xencelabsペンディスプレイ16 バンドル:税込199,800円
- ノートパソコン向け付属品限定モデル Xencelabsペンディスプレイ16 エッセンシャル:税込159,800円
同製品は、バックライト不要で従来の液晶の約100倍のコントラスト比を実現できる有機ELによって完璧に近い黒色のレベルを実現しながらも、アニメやCGのスタジオクリエイターから特に要望が多かった室内の照明などの光が画面に反射して起こる眩しさを極限まで抑えるSuper AG Etching(以下:スーパーAGエッチング)処理をされたパネルを採用した。
長時間作業することの多いプロフェッショナルクリエイターの目の負担を軽減できる環境を提供することで、昨今のプロフェッショナルクリエイターを支える環境を提供するとしている。
背景
プロフェッショナルクリエイターが多く活躍する市場としてアニメーションは世界市場規模において年平均成長率(以下:CAGR)8%以上で300億ドル以上(日本市場:約3兆円)の規模、マンガは5%近いCAGRで160億ドル以上(日本市場:約6,500億円)の規模があるという。またその市場を創り出している日本のアニメーターは約5,000人、漫画家は約3,000人と言われている。
その市場はデジタル化が進んでおりデジタルクリエイティブの環境において、ペンタブレットは必須ツールのひとつとなっている。同社は新製品を開発するにあたり、アメリカでペンタブレットを使用している何十人ものアーティストに協力してもらい、プロが望む作業環境において何が重要で何を真に求めているのかを確認するところから製品開発をおこなってきたという。
プロフェッショナルクリエイターの要望の中から同社が特に注目したのは、画面上の色の再現度、照明などの反射による目の疲れへの対策、直感的に操作ができる安定して製品を使えるドライバの3点だ。
圧倒的な画質を実現する有機ELディスプレイ
初の4K有機ELペンディスプレイは、デッサンや絵画の色をより鮮やかでリアルにしたいというクリエイティブユーザーの声に応えるものだという。ペンディスプレイの色彩は、クリエイターにとって重要な要素だ。何十人ものアーティストと協議した結果、同社は、驚くべき鮮やかさ、明るさ、コントラストレベルを実現する有機ELディスプレイを選んだのだという。
有機ELディスプレイは、バックライトのにじみやピクセルのブルーミングといった視覚的な影響がない。最も重要なことは、Xencelabsペンディスプレイ16の有機ELディスプレイは、完璧に近い黒色のレベルを提供できるということである。
最大10億7000万色をサポートするペンディスプレイは、工場出荷時に以下の5つの色空間がキャリブレートされている。
- Adobe(R) RGB(98%)
- P3-DCS(98%)
- sRGB(99%)
- Rec 2020
- Rec 709
また有機ELによって携帯性と利便性を念頭に設計されたXencelabsペンディスプレイ16は、どこへでも持ち運びが可能。薄さわずか12mm、重さ1.21kgと非常に軽量なため、持ち運びや机の上への設置がスムーズに行える。
さらに有機ELの低消費電力による恩恵でUSB-C – USB-Cケーブル1本で、電源(15W)を供給できるUSB-C(DP altモード)ポートを備えたPC、Mac、Linuxノートパソコンに接続できる。
HDMIやDisplay Portで接続する必要がある場合は、Xencelabsペンディスプレイ16バンドルには専用のハブが付属。接続に必要なケーブルはすべて箱の中に含まれている。もしXencelabsペンディスプレイ16エッセンシャルでハブが必要となった場合は、オプションとして購入できる。
眩しさを抑えるスーパーAGエッチング
Xencelabsペンディスプレイ16のエッジからエッジまで化学加工されたスーパーAGエッチングは、ガラス自体が無光沢拡散反射になり反射率を下げ光と影を減らすことができる。また、エッチングされた表面の粒子は均一で強化ガラスと同様の強度を持ち、ガラス表面を防錆、防傷にできる。
外光の多いスタジオや教室で作業するアーティストにとって、このペンディスプレイはまぶしさを抑えて優れた鮮明度を実現するとともに、まるで紙の上で本物のペンを使っているような、キャンバスの上で絵筆を使っているような、シームレスで自然なドローイングを提供するとしている。
安定した使い勝手の良いドライバによって滑らかで正確なレスポンスの良いペン性能を発揮
Xencelabsペンディスプレイ16には2種類のペンが付属しており、アーティストの好みに応じて使い分けることができる。3ボタンペンは太めの胴軸にカスタマイズ可能な3つのボタンが搭載されており、よく使うキーボードショートカットを直接ペンに配置できる。
スリムペンは、本物の鉛筆や細い筆のような書き味を求めている人向けだ。カスタマイズに便利なボタンが2つ搭載されている。どちらのペンにも筆圧感知式の消しゴムが付属。同社のペンは最高水準で設計されており、本物のペンやブラシを使ったときの自然な感触とフィードバックをデジタルで再現している。筆圧カーブはXencelabsドライバで簡単に調整でき、様々なドローイングスタイルに合わせることができる。
またXencelabsドライバの革新的な時短機能であるVirtual Tablet Mode(バーチャルタブレットモード)により、ユーザーはXencelabsのペンで複数のディスプレイを操作できる。
豊富な付属品
Xencelabsのクイッキーズは、生産性を向上させるアプリケーション固有のショートカットを作成するためのハンドヘルドリモートで、Xencelabsペンディスプレイ16バンドルに同梱されている。このユーザーフレンドリーなデバイスには、カスタマイズ可能な8つのキーが5グループあり、アプリケーションごとに合計40のショートカットが設定可能。
8つのキーにはそれぞれ有機ELディスプレイにユーザーによって登録されたショートカット名が表示される。さらに、クイッキーズのダイアルはカスタマイズ可能で、ズーム、回転、パン、ブラシ・サイズなど、最大4つのアプリケーション・タスクを色分けして表示させることができる。クイッキーズは1回の充電で最大50時間使用できる。
Xencelabsペンディスプレイ16バンドルには、本体の他にモバイルイーゼルスタンド、ペン2本、ケーブル、クイッキーズ、キャリーケースに加え、予備のペン先(スタンダードとフェルト)、ペン先リムーバー、クイッキーズワイヤレスレシーバー、エレガントで機能的なデザインのペンケース、ドローインググローブ、スクリーンクリーニングクロスなど、様々なアクセサリーを同梱している。
同梱のモバイルイーゼルは、持ち運びができるように設計されたスタンドだ。18.3°と32°の2つの角度で使用可能。フレキシブルな使い方はXencelabsペンディスプレイ16の特徴の一つであり、様々な使い方ができることはXencelabsの製品設計の考え方を反映している。
またこの夏、「Xencelabsデスクトップイーゼル」がオプションとして発売される。このスタンドは回転だけでなく、幅広いチルト角度を提供する。デスクトップイーゼルは、多関節アームに取り付けるための標準的なVESAマウントを備えている。モビリティを重視し、アーティストがデスクトップ環境とモバイル環境を切り替えられるよう、クイックリリースメカニズムを採用。ドライバーなどの工具は必要ない。
Xencelabsペンディスプレイ16エッセンシャルには、本体の他に、ペン2本、USB-Cケーブル、キャリーケースに加え、予備のペン先(スタンダードとフェルト)、ペン先リムーバー、ペンケース、ドローインググローブ、スクリーンクリーニングクロスを同梱している。
どちらのモデルにも付属している持ち運びを考慮した付属のキャリーケースはスマートなデザインで本体、アクセサリー、ケーブル、ノートパソコンなどを収納できる。
仕様
画面サイズ(対角) | 15.6インチ |
ディスプレイ技術 | 有機EL 4K |
表示解像度 | 3840×2160ピクセル |
リフレッシュレート | 60Hz |
コントラスト比 | 100,000:1(typ) |
応答時間 | 1ms |
表示可能色数(最大) | 10.7億色 |
アスペクト比 | 16:09 |
視野角 | 170°(85°/85°) H, (85°/85°) V (typ) |
スクリーン表面 | エッジ・トゥ・エッジ強化ガラス(Super-AG etching) |
輝度 | 300 cd/m2(電源使用時)、170cd/m2(ケーブル1本接続時) |
ペン技術 | 電磁誘導方式 |
筆圧レベル | 8192レベル |
ペンの傾き角度 | 60° |
ペンの解像度 | 5080 Ipi |
製品重量 | 1.21kg |
製品寸法 | 410×259.4×12mm |