Telestreamは、NAB 2024で迅速なコンテンツ配信を叶えるAI搭載ツールを発表した。
リモートプロダクションの課題を解決
クラウドベースソリューション「GLIM as a Service」の使用により、Webブラウザを介して、あらゆる動画形式のコンテンツを即座に再生できるという。また、同ソリューションを導入することで、クラウド上のコンテンツへのリモートアクセスが簡易化され、膨大なデータのダウンロードや、再生用のハードウェアを別途用意することが不要となる。
GLIM as a Serviceは、迅速なアクセスを可能にするだけでなく、制作プロセスを簡素化し、制作ワークフローを高速化する。また、物理的なハードウェアへの依存を排除し、運用コストを大幅に削減するだけでなく、コンテンツのレビューと承認プロセスの簡易化も実現。
クラウドでライブキャプチャーを変革
Telestreamの新しいクラウドベース「Live Capture as a Service」は、様々な場所から簡単かつリアルタイムにコンテンツをライブキャプチャーできるよう設計されている。制作チームは、遠隔地での設定やメンテナンスといった従来の負担から解放されるという。同ソリューションにより、メディア企業は物理的なインフラの制約から解放されるという。ライブキャプチャーから放送への迅速な移行を実現するだけでなく、制作ワークフローを最適化できる。
Live Capture as a Serviceが新たに提供する柔軟性は、コンテンツ配信を高速化するだけではないという。企業は制作現場のインフラという物理的な制約を受けず、より多くのコンテンツをキャプチャーして、収益化に繋げられる。
Telestream最高製品責任者のマイク・ギルソン氏はこの新しいソリューションの利点について、次のようにコメントしている。
マイク氏:ライブコンテンツへの要求が高まるにつれ、より迅速かつ柔軟な制作プロセスの必要性も高まっています。Live Capture as a Serviceは、ライブコンテンツのキャプチャーを変革します。クラウドベースでコンテンツへの即時アクセスを提供し、メディア企業を物理的なインフラの制約から解放します。
この革新的なサービスは、制作フローを合理化するだけでなく、メディア企業がより多くのコンテンツを獲得して、収益化する機会も提供します。高品質かつタイムリーなメディア体験を求める視聴者の需要を、効率的に満たします。
「Qualify QC」による品質管理の向上
厳しい規格やフォーマットに準拠した高品質なコンテンツの配信は、コンテンツ配信事業者にとって益々難しい課題となっているという。Telestreamはこのような課題を解決するために、「Qualify QC」のアップデートを発表した。
Qualify QCの新機能
- IMFコンプライアンス
Netflix Photonへのサポートを強化、IMF(インターオペラブル・マスター・フォーマット)形式のパッケージが業界標準に適合 - ハーディングチェック(Harding FPA)
視聴者の安全を最優先し、てんかんの可能性があるコンテンツの検出機能を搭載 - DolbyE Presence / Dolby Visionの検証
DolbyEオーディオとDolby Visionメタデータの精度を検証し、最高のオーディオビジュアル体験を保証 - 不適切な言葉の検出
不適切な表現を選別してフラグを立てる新しいツールにより、すべての視聴者に適切なコンテンツを提供
Qualify QCの機能強化には、"品質管理プロセスの向上に貢献する"というTelestreamの取り組みが反映されているという。メディア企業が、様々な規格に準拠したコンテンツを配信し、高品質な視聴体験を提供できるようサポートするという。
AIを搭載した新ツールがボトルネックを解消し、メディア処理のワークフローを高速化
Telestreamは、業界全体のボトルネックに直接応える製品として、AI搭載の革新的なメディア処理ソリューションを提供する。同ソリューションにより、メディアコンテンツの制作と配信を大きく前進させるという。
これらのソリューションは、これまで以上に効率的かつ迅速に、高品質なコンテンツの制作と配信を実現するように設計されているという。そのため、様々なプラットフォームでの迅速な納期要求を満たす製品となっているという。
- ワークフローの自動作成
人工知能(AI)を組み込んだ「Vantage Workflow Designer」は、メディア処理ワークフローを自動化。これにより、手作業とエラーが大幅に削減され、合理化された制作サイクルで作業スピードが高速化する。 - 優れた品質管理(QC)
TelestreamのAI駆動型QCツールは、大量のメディアで一貫したコンテンツ品質を確保するプロセスを自動化。この自動化により、複数のプラットフォームで求められる、高品質なコンテンツの迅速な配信をサポート。人手頼みのQCでは難しかった、大規模化の課題を解決する。 - 効率的なキャプションと字幕の作成
AIの統合は、キャプションや字幕の制作工程も拡張する。同機能拡張で、より迅速かつ効率的なプロセスを実現。コンテンツの閲覧性とグローバルな展開を向上するだけではなく、多様で広範な視聴者のニーズに素早く対応し、コンテンツの迅速な提供を保証する。 - 導入と統合の簡素化
Telestreamは、複雑なテクノロジーの導入をためらう業界を理解し、高度なAIソリューションを利用、統合しやすくしようと注力してきたという。このアプローチにより、導入に対するハードルを下げ、メディア企業がテクノロジーを素早く取り込み、革新的な制作ワークフローが実現可能となったという。
マイク氏:AIを搭載した新しいメディア処理ソリューションを発表でき非常に嬉しいです。業界の重大なボトルネックに正面から取り組んだこのソリューションは、迅速かつ効率的なコンテンツ制作と配信を可能にします。
設計時に目指したのは、スピードと品質の新基準を打ち立てることでした。現代の視聴者の急速な消費速度に追い付こうと苦戦するメディア企業にとって、画期的な製品です。
新しいプロトコルへの対応:ST2110、SRT、NDI 対応の「Inspect Monitoring Platform」
Telestreamは、ST 2110、SRT、NDIプロトコルに対応した包括的なモニタリングソリューション「Inspect Monitoring Platform」を発表した。同プラットフォームは、メディアストリームの整合性を継続的にモニタリングし、問題を詳細に分析するだけでなく、放送およびストリーミングの運用を戦略的に最適化する、包括的なソリューション。
この統合されたアプローチにより、制作会社はプラットフォームやプロトコルを問わず、高品質なコンテンツの配信を検出、診断、最適化する。"インジェストから配信まで、メディアアセットの優れた品質を保護する"という、Telestreamの取り組みが反映されたソリューションであるという。
メディアストレージの課題を克服:ハイブリッドコンテンツ管理ソリューション「DIVA 9」
「DIVA 9」は、シームレスかつハイブリッド型のコンテンツ管理により、コンテンツのクラウド移行に伴う問題に対応する。同ソリューションは、効率的なメディアストレージの管理方針、高度なElasticsearch検索機能、さらにはMAM(メディアアセット管理)、自動化、他のクラウドシステムとの包括的な統合を活用して、オンプレミスとクラウド間のメディアアセットを円滑に移行する。貴重なコンテンツを安全かつ拡張可能な状態で保存できるだけでなく、接続性とコスト効率を改善するという。
マイク氏:今回の技術革新は、"効率的かつ高いコスト効率で、世界中のあらゆる場所へ卓越したメディア体験を届けるために、必要なツールを制作チームに提供する"ための、Telestreamの取り組みから誕生しました。お客様やNABの来場者に、私たちの成果をお見せするのが楽しみです。