Blackmagic Design導入事例:羊文学の新曲ミュージックビデオ「Addiction」の場合

Blackmagic Designによると、3人組オルタナティブロックバンド「羊文学」のミュージックビデオ「Addiction」が、Blackmagic CameraアプリとiPhoneで撮影されたという。「Addiction」はスマートフォン依存について歌った楽曲であり、同ミュージックビデオは、その世界観を表現するために撮影にスマートフォンが起用された。

羊文学はVo.Gt.塩塚モエカ、Ba.河西ゆりか、Dr.フクダヒロアからなる、繊細ながらも力強いサウンドが特徴のバンドで、近年では人気アニメのオープニングやエンディングテーマに楽曲が起用されるなど、話題のグループ。

Blackmagic Design導入事例:羊文学の新曲ミュージックビデオ「Addiction」の場合

同バンドの最新曲「Addiction」は羊文学のボーカル担当の塩塚モエカが自身のスマートフォン依存の経験からAddiction(中毒)というタイトルになったという。同作のミュージックビデオは羊文学のメンバーがLEDディスプレイに囲まれた空間で同曲を演奏するシーンのみという内容となっており、iPhone 15 Proを10台使用し、その全てにBlackmagic Cameraアプリをインストールして撮影された。

プロデューサーの菅井高志氏は、次のようにコメントしている。

菅井氏:元々企画の段階で、羊文学のメンバーからスマートフォン依存をテーマにしたいという話があったので、スマートフォンに操られているような設定という発想がありました。それを表現するためにLEDに囲まれている空間で撮影することになったのですが、スマートフォン依存という設定をさらに表現するために、撮影自体も全てスマートフォン(iPhone)で行うことになりました。

同作の撮影を務めたカメラマンの鴨谷海周氏は、次のようにコメントしている。

鴨谷氏:実は今回の作品を撮影する前に別のアーティストのミュージックビデオを全て5台のiPhoneとBlackmagic Cameraアプリで撮影していたんです。

Blackmagic Design導入事例:羊文学の新曲ミュージックビデオ「Addiction」の場合

鴨谷氏:撮影のノウハウも覚えたので、今回の「Addiction」でも使用しました。iPhoneは安くレンタルできるので、カメラの台数を増やせる上、(カメラマン以外の)他のスタッフも簡単に撮影を担当することができるのが良かったです。また、カメラメーカーのBlackmagic Designが出している純正アプリというところで安心して使用できました。

別の仕事でBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kで撮影したこともあるので、カメラのユーザーインターフェースがハードウェアカメラとアプリ間で共通していることもあって、アプリの操作もすぐに理解できました。

年内にあと2、3回はBlackmagic Cameraで作品制作をしたいと考えています。

作品の監督を務めた永澤元氏は、次のようにコメントしている。

永澤氏:演奏シーンだけのミュージックビデオでいいという依頼だったので、それに沿って企画案をいくつか作って提案したところ、LEDに囲まれて演奏するという案が選ばれました。

撮影に関してはiPhoneとBlackmagic Cameraで撮影するということもあり、普段では撮らないようなイレギュラーな画角が撮れたらいいなと思い、カメラマンではないスタッフなどにもiPhoneで撮影してもらいました。

撮影には8時間ほどかかりました。全体的なテイストとしては昔のオルタナティブロックをイメージしていたので、編集では楽器が映っているカットや、歌っている表情のカットを多めに使いました。

菅井氏:プロデューサー的な視点で言うと、作品によってバジェットも変わってきますし、現場に関しても、若いディレクターもベテランのディレクターもいます。

さらに、その上で撮影機材も今回のiPhoneとBlackmagic Cameraみたいな選択肢もあるし、プロ用のデジタルカメラや(昔ながらの)フィルムっていう選択肢もある。その辺の可能性を勉強していかないといけないなと思いました。

今回、iPhoneとBlackmagic Cameraで作品を制作した経験を通して、今後も若い感覚と昔の感覚の両方を取り入れた作品を作っていきたいと思いました。

Blackmagic Design導入事例:羊文学の新曲ミュージックビデオ「Addiction」の場合