Blackmagic Designによると、パナビジョングループのポストプロダクション部門であるLight Ironのカラリスト、キース・ジェンソン氏が、ネオンの新作「Babes」のグレーディングに、編集、グレーディング、VFX、オーディオポストプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioを使用したという。
イラーナ・グレイザー氏とジョシュ・ラビノウィッツ氏が脚本を手掛け、パメラ・アドロン氏が監督を務めた同作は、友達としての絆と、大人として、また親としての厄介で予測不可能な課題を描いた、陽気でハートフルなコメディだ。切っても切れない仲の幼なじみの親友エデンと、ミシェル・ビュートウ氏が演じるドーンは、ニューヨークシティで一緒に育ったが、現在はそれぞれ成人期の異なる段階にいる。気ままで独身のエデンが一夜限りの関係を経て、シングルマザーとして子供を産むことを決意した際、二人の友情は最大の試練に直面する。同作は、笑い、涙、陣痛を織り交ぜながら、女性の複雑な友情を掘り下げている。
ジェンソン氏が同作のカラリストとなった経緯は、良い第一印象を与えたことと、良い機会が得られたことだった。
ジェンソン氏:撮影監督のジェフ・キムがプリプロダクションの最中のある晩に、撮影に使用するLUTを決めるにあたってLUTの調整を行うために来ました。
ジェフと一緒に座って作業し、とても仲良くなったので、DIを行う段階になった際に、自然な成り行きで私が手掛けることになりました!
同作はコメディであるため、ジェンソン氏とキム氏は他の映画を参考に使用することはせず、代わりに本作のトーンの要件を満たすように作業したという。
ジェンソン氏:この映画はハートフルなコメディなので、主にジャンルの観点に焦点を絞って作業を進めました。
暖かみがあり、コメディのようなポップなルックを目指してルックを作成しましたが、時として行き過ぎていないか、自答しながら作業しました。こういった自問自答は、全過程において重要なことでした。
最終的なカラーグレーディングにおいても、ジェンソン氏とキム氏は緊密に作業を行った。
ジェンソン氏:カラーグレーディングの最中、ジェフは毎日来て、視聴用の席ではなく、多くの場合、グレーディングコンソールに一緒に座って作業をしました。
これにより、コミュニケーションが迅速に行えました。
DaVinci Resolve Studioで豊富な経験を積んでいる同氏は、グレーディングにおいて独自のプロセスを用いているという。
ジェンソン氏:私が手掛けるプロジェクト全てにおいて、事前に設定したノードツリーを使用しています。
これにより、全ショットでノードの構造に一貫性が得られるので、変更をダウンストリームに簡単に適用できます。また、作業を組み立てラインのように行えるので、技術的なカラーコレクションがすばやく行えます。これにより、創造性を活かしたグレーディングを行うために、クライアントと共により多くの時間を費やせます。
同氏は、各ショットへのアプローチに独自の方法を取っているという。
ジェンソン氏:本作に使用したノード構造は、左から右に作用します。最初のパラレルノードのいくつかは、全体的なバランス、ハイライト、ローライトに関連するものです。
次のセクションは、セカンダリー、ウィンドウ、マットで、最後のセクションは、最終確認中に行う、最終的な調整や微調整用に開けてあります。作品の全体的なルック用のノードはすべて、グループレベルに収められています。
DaVinci Resolve Studioの特定のツールは、同氏のアーティストとしての力量を発揮する上で欠かせないと語る。
ジェンソン氏:作品にフィルムライクな雰囲気を加えたいとクライアントから依頼された場合は、ハレーションを使用しています。わずかに加えるだけで、素晴らしいスタイルを追加できると思います。
DaVinci Resolveのウィンドウトラッカーも優秀なツールです。これまでに様々なプラットフォームを使用してきましたが、Resolveのトラッカーは、最もシンプルで、最も優れていると思います。
本作では、いくつかのショットでMagic Maskを用いて、前景の登場人物を背景から分離しました。あるシーンでは、ウィンドウとクオリファイアーと共に使用することで、窓の外が昼の状態の映像を夜にする上で役立ちました。これらのツールにより、通常ならば他のソフトウェアを使用する必要がある作業をかなりシンプルに行えます。
Resolveのツールセットはシンプルにナビゲートでき、直感的だと感じます。これは、クライアントが依頼してきた場合、または撮影中に起きた問題をグレーディングで調整する必要がある場合の両方において、グレーディングの問題を解決する上で物事を簡素化できるため非常に役立っています。