Blackmagic Designによると、インディーズの映像制作者、ウィリアム・H・ベイカー氏が、Blackmagic Cinema Camera 6Kデジタルフィルムカメラを使用して、2024年アカデミー賞作品賞のノミネート作品のショットをYouTubeのバイラルビデオで再現したという。
ショット分析や再現映像などをソーシャルメディアで公開しているベイカー氏は、Instagram(@william.h.baker)、TikTok(@william.h.baker)、YouTube(@WilliamHBaker)を通じて70万人以上のフォロワー/登録者を抱えており、作品賞ノミネート作品の再現映像は、90万回以上の再生回数を記録している。
「30 Shots in 30 Days」シリーズのTikTokとInstagramでの成功に続き、ベイカー氏は、複雑なショットを実行可能なステップに落とし込む再現映像を軸にして、世界各地からフォロワーを集めている。自身の「オッペンハイマー」の実践的FX再現映像に触発されたベイカー氏は、2024年のアカデミー賞の前後に何かやりたいと考えており、最終的に、作品賞にノミネートされた全作品のショットを制作した。「落下の解剖学」の雪深いフレンチアルプス、「バービー」のバービーがハイヒールを脱ぐ象徴的なシーン、「マエストロ:その音楽と愛と」の水中シーン、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の野原が燃えるシーン、「オッペンハイマー」の核爆発シーンを再現するにあたり、ベイカー氏はBlackmagic Cinema Camera 6Kを使用した。
ベイカー氏は、次のようにコメントしている。
ベイカー氏:フルフレームのラージフォーマットセンサーで撮影されたオリジナルを再現するためには、このカメラのフルフレームセンサーが必要不可欠でした。また、スーパー35の映像をクロップする際に、6K解像度が役立ちました。オープンゲートで撮影でき、縦方向に余裕があることも良かったですね。
今年は正方形のアスペクトレシオで撮影された作品もいくつかあったのですが、それらの映像にマッチさせることもできました。
ベイカー氏にとっては、3つのショットが際立っていたという。
ベイカー氏:「パスト ライブス/再会」では、4K画質を得ながら、センサーのスーパー35のサイズにクロップできることが大きかったですね。
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」では、古い映画を模すために、オリジナルの制作者たちと同様に、Blackmagic Cinema Camera 6Kをスーパー35のクロップに設定しました。
そして「バービー」をフルフレームで撮影できたのは良かったですね。このカメラの大型センサーと6K解像度のおかげで柔軟性が高まり、自分たちのショットを、オリジナル作品を撮影したカメラの映像にマッチさせることができました。
ベイカー氏:私はずっとBlackmagicカメラを使用していますが、デュアルネイティブISOは非常に役立っています。
大型の照明を使用せずに夜に撮影しているので、高ISOで撮影する必要がしばしばあります。「バービー」、「落下の解剖学」、「ホールドオーバーズ」はまさにこれに当てはまったので、2つ目の明るいネイティブISOは本当に役に立ちました。
ベイカー氏はBlackmagic RAWで撮影し、DaVinci Resolve Studioでカラーグレーディングを行った。
ベイカー氏:Blackmagic Cinema Camera 6KとPocket Cinema Camera 4Kを使い、Blackmagic RAWで撮影しました。1,295ドルのカメラでRAW撮影ができることは素晴らしいですね。多くのリソースを持たない若い映画制作者たちに、映画のような作品を撮る力を与える大きな特徴のひとつだと思います。
ベイカー氏は、DaVinci Resolve StudioのMagic Mask、キーフレーム、スクリーンの置き換えを活用して、再現映像に息を吹き込んだ。
ベイカー氏:「バービー」のセットでは、人の肌のような温かみのあるピンクのシーンを選んでしまったので、セットで照明を使用した際に、これらのピンク色が女優の肌に反射して、彼女の肌とセットの色が溶け合ってしまいました。Magic Maskを使用して彼女の足をトラッキングし、大幅に調整しましたが、スキンカラーはそのまま残しました。この方法は上手くいったので、数回繰り返して彼女の肌をソフトにし、エッジを明るくして、オリジナルのショットに近づけました。
私自身、映像制作をYouTubeで学んだので、同じことを視聴者の方たちと共有したいんです。
長い間、私は人に新しい情報を伝えられるほど知識を持っていないと感じていました。しかし、私が実行したことのやり方、というストーリーを伝えられると思ったんです。
コンテンツ、特にYouTube用のコンテンツを作ることに全力投球しています。私にとって、これがベストな学び方ですが、このようなストーリーを伝えることで、他の映像制作者たちや視聴者を勇気づけることができれば良いと思います。