Blackmagic Designによると、オーストラリアのインディーズコメディ映画「UNAPOLOGETIC(原題)」が、Blackmagic URSA Mini Pro 12K、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proデジタルフィルムカメラで撮影されたという。ポストプロダクションでは、編集、グレーディング、ビジュアルエフェクト(VFX)、オーディオポストプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioが使用された。
パースに拠点を置く盲目の映画監督、ピーター・レンズロ氏は、このプロジェクトで監督、脚本を務め、出演もしている。同作は、レンズロ監督の最も意欲的なプロジェクトであり、カラーを抑えることでコメディの要素を強調している。この風変わりな作品は、外出を極度に恐れる広場恐怖症の患者を訪問診療する医師にまつわる物語である。パースで撮影された「UNAPOLOGETIC」は、プレミア公開後、多くの観客を魅了しているという。
作品のビジュアルは、最初は色褪せたように見えるが、ウィットに富んだテンポの良い会話やエキセントリックな登場人物たちにより、観客は瞬時にストーリーに引き込まれる。
レンズロ監督は、次のようにコメントしている。
レンズロ監督:コミカルな狂気を並べて際立たせるために、極端に彩度を落としたビジュアルにしたかったんです。
この独自のアプローチにより、観客の期待が効果的に覆され、驚きの要素が続いた。
3%を残しすべての視力を失ったレンズロ監督は、クリエイティブなプロセスをより身近なものにするテクノロジーを取り入れた。
レンズロ監督:編集とグレーディングではDaVinci Resolveをフル活用しました。Resolveのセットアップは非常に使い易いですね。
Blackmagicのカメラも同様で、ユーザーインターフェースが非常に考慮されていると思います。すべてが直感的で道理に適っており、これは私にとって非常に重要です。
「UNAPOLOGETIC」は、全編通してマルチカム設定でパースの住宅や地元のロケ地で撮影され、1つのショットだけグリーンバックが使用された。
メインカメラにはURSA Mini Pro 12Kが使用された。ワイドショットで撮影したことで、ポストプロダクションで柔軟にリフレームやパンチインを行うことができた。また、会話重視の作品であっても、観客をビジュアル的にも惹きつけるように、2台のURSA Mini Pro 4.6K G2と2台のPocket Cinema Camera 6K Proでクローズアップや追加アングルのショットを撮影した。
複数の撮影場所を同日に抑えていたので、「UNAPOLOGETIC」の撮影では、移動や梱包、準備に多くの時間が必要であった。レンズロ監督のスタッフたちは、Blackmagic Design製品の可搬性の高さに驚いていたという。
レンズロ監督:Blackmagic Design製品は、室内でセットアップした際には大きく見えますが、まとめてしまうと非常にコンパクトです。
「UNAPOLOGETIC」のポストプロダクションでは、レンズロ監督はDaVinci Resolve Studioを活用して同作の独自のルックを作成した。
レンズロ監督:DaVinci Resolve Studioのエフェクトライブラリを使用して、シーンをスモーキーなルックや半透明のルックにしたり、同作の風変わりなアクションと対比するために淡褐色のトーンを強調しました。
「UNAPOLOGETIC」は、地元の配給会社Small Handの協力の下、The Back LotやLuna Palaceなど、パースの単館シネマにてプレミア公開された。オーストラリアでの公開に続き、レンズロ監督は世界での配給を希望している。
同作のプレミア公開前にレンズロ監督は、WA Made Film Festivalにおいて、「Her Creature(原題)」と「Emerald Wasp(原題)」で2つの賞を受賞している。