Blackmagic Designは、ATEMスイッチャー9.6.2アップデートを発表した。 ATEMスイッチャー9.6.2アップデートは、IBC 2024のBlackmagic Designブース(7.C49)にて展示され、近日中にBlackmagic Designウェブサイトから無償ダウンロード開始予定。
同アップデートは、ATEM Constellationの全モデルにVisca over IPカメラコントロールのサポートを追加。ユーザーは、カメラのIPアドレスを使用し、最大100台のPTZカメラをネットワーク越しコントロール可能になる。
また、今回のアップデートでは、すべてのConstellation HDモデルにオーディオ出力マッピング機能を追加し、HDおよび4Kモデルに新しいマルチビュー機能およびSuperSourceの機能を追加。さらに、ATEM Constellation 8Kにおいて、あらゆるHD/Ultra HD/8Kフォーマットで、30および60fpsのフォーマットがサポートされる。
このアップデートにより、すべてのATEM Constellationスイッチャーで、シリアルポートまたはカメラのIPアドレスを使用し、Viscaプロトコルを介してPTZカメラおよびカメラヘッドを制御できるようになる。ATEM Software Control設定の新しいカメラコントロールタブでIPアドレスを入力するだけで、最大100台のサードパーティ製カメラのパン、ティルト、ズームをコントロール可能。
ATEM Constellationは各カメラのIPアドレスを記憶するので、プロダクションごとにカメラソースをすばやく設定できる。このアップデートにより、ATEM Constellationは、最新のPTZカメラやカメラヘッドをコントロール可能になる。これは、ステージ上を歩く人を追ったり、タウンホールミーティングの発言者にズームしたり、セキュリティ監視用のカメラを調整したりするのに最適である。
ATEMスイッチャー9.6.2アップデートでは、これまでは4Kおよび8Kモデルに限定されていた、内蔵マルチビューをカスタマイズできる機能をATEM Constellation HDモデルにも追加。これにより、ボーダーカラーのカスタマイズや削除、ラベルの有効/無効の切り替えが可能になる。
内蔵マルチビューは、複数のソースを単一のモニターでモニタリングできる機能である。1 M/Eシリーズは1つのマルチビュー、2 M/Eシリーズは2つの独立したマルチビュー、4 M/Eシリーズは4つの独立したマルチビューを搭載。すべての外部SDI入力およびすべての内部ビデオソースをあらゆるビューにルーティング可能。各マルチビューは、4、7、10、13、16のビューに設定できる。つまり、2 M/Eシリーズでは合計32ビューまで、4 M/Eシリーズでは4台のモニターで合計64ビューまで表示可能。
ATEM Constellation HDモデルにオーディオマッピング機能が追加されたことで、すべてのSDI入力のオーディオチャンネルを、SDIビデオ出力のエンベデッドオーディオにマニュアルでルーティングできる。つまり、マイクやカメラなどの様々なオーディオソースを接続して、エンベデッドオーディオ出力に送信できるので、HyperDeckで収録可能。
HyperDeckがマルチチャンネルオーディオ収録に設定されている場合、必要なソースオーディオが全て収録されるので、ポストプロダクションでオーディオエンジニアたちが完全なリミックスを行える。ATEM Constellation HDシリーズにオーディオマッピング機能が追加されたことで、この機能はHD、4K、8Kの全モデルで使用可能となる。
さらに今回のアップデートでは、ATEM Constellation HDおよび4Kモデルで、SuperSourceのボーダーカラーをカスタマイズできるようになる。SuperSourceは、2 M/E、4M/E、8Kモデルで使用できる機能であり、4つのDVEレイヤーと1つのバックグラウンドレイヤーが、ATEM Constellationで1つの入力ソースとして表示される。
スイッチャーのあらゆるビデオ入力は、SuperSource DVEとして使用でき、メディアプールのカスタムバックグラウンドにレイヤーされる。SuperSourceは、インタビューを受けている人をピクチャー・イン・ピクチャーで表示する際に最適で、メインのDVEを他の用途に使えるよう空けたまま、エフェクトを設定できる。ATEM 4 M/E Constellationおよび8Kモデルは、2つの完全に独立したSuperSourceプロセッサーを搭載。
機種によって最大40系統のマルチレートSDI入力を搭載しているため、ATEM Constellationはあらゆるタイプのビデオソースと互換性がある。720p、1080i、1080p、2160p60を含む、あらゆるHD/Ultra HDテレビフォーマットの機器を接続可能。
ATEMスイッチャー9.6.2アップデートでは、あらゆるHD/Ultra HD/8Kフォーマットの30および60fpsのサポートがATEM Constellation 8Kに追加される。SDI入力は、エンベデッドオーディオを扱うことができ、あらゆるビデオ入力からのオーディオをミックスできる。プログラム出力には、トークバック、タリー、カメラコントロール情報が含まれる。
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
Viscaプロトコルを使用したPTZカメラのコントロールは、ユーザーの間で非常に人気があります。」は語る。「しかし、ユーザーが求めていたのは、Visca over IPでした。Visca over IPでは、最新のPTZカメラやカメラヘッドだけでなく、より大規模なイベント用に、より多くのソースを追加できます。
また、ATEM Constellationライブプロダクションスイッチャーの全てのシリーズにおいて、オーディオマッピングやマルチビューのカスタマイズが可能になることは、非常にエキサイティングです。今回のアップデートはATEM Constellationユーザーにとって非常にパワフルなアップデートであり、皆様がライブプロダクションにおいて同製品をクリエイティブに使用されることを楽しみにしています。
■ATEMスイッチャー9.6.2
- Visca over IPのサポートを追加
- オーディオ出力マッピング機能を追加
- ボーダーなしのマルチビューオプションに対応
- マルチビューボーダーの色をカスタマイズ可能
- 各マルチビューラベルの有効/無効を切り替え可能
- SuperSourceボーターを追加
- マルチビュー出力にタイムコードを追加
- ATEM Constellation 8Kに、30および60fpsフォーマットのサポートを追加