Blackmagic Designは、Android用Blackmagic Camera 1.3アップデートを発表した。今回のアップデートではクリップへのタイムコードの収録をサポート。これにより、ポストプロダクションでビデオとオーディオをすばやく同期させたり、タイムコード同期に基づくマルチカム編集で複数カメラのコンテンツを使用したりできる。

また、アナモルフィック・デスクイーズ機能、レンズ補正設定、オフスピードおよびタイムラプス収録も追加された。Pixel 6、7、8、9では、720pの120fpsおよび240fps、1080pの120fpsを含む高フレームレートでの収録が可能になる。さらに、Blackmagic CameraはXiaomi 13T、Samsung Flip 5/6およびFold 5/6もサポートされた。

Android用Blackmagic Camera 1.3は、IBC 2024のBlackmagic Designブース(ブース番号:7.C49)にて展示される。

Blackmagic Cameraは、携帯電話にデジタルフィルムカメラのコントロールとオペレーティングシステムを追加し、その真価を引き出す。ハリウッドの劇場映画と同じシネマライクなルックを誰でも作成できるようになる。インターフェースは、Blackmagic Designの受賞歴を誇るカメラと同じ、直感的かつユーザーフレンドリーな仕様。プロ仕様のデジタルフィルムカメラと同様の操作性が得られ、フレームレート、シャッターアングル、ホワイトバランス、ISOなどの設定をタップ一回で調整できる。また、8Kまでの業界標準のファイルフォーマットに対応しており、直接Blackmagic Cloudに収録することも可能。Blackmagic Cloud Storageに収録することで、世界各地のエディターと同時にDaVinci Resolveプロジェクトで共同作業を行える。

Blackmagic Cameraには、すばやくセットアップして撮影を開始するために必要なコントロールがすべて搭載されている。すべてがインタラクティブで、画面のアイテムをタップすれば即座に設定を変更できるので、複雑なメニューから探す必要はない。ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、ステータス、収録パラメーター、ヒストグラム、フォーカスピーキング、レベル、フレームガイドなどを表示。ヘッドアップディスプレイの非表示は、上下のスワイプで変更できる。オートフォーカスは、フォーカスしたい領域をタップすることで実行可能。16:9または縦長のアスペクトレシオで撮影でき、目立たないように撮影したい場合は、携帯電話を縦向きにして16:9を撮影可能。メディア管理用のタブもあり、Blackmagic Cloudへのアップロード、チャット、高度なメニューへのアクセスを実行できる。

Blackmagic Cameraのメディアタブは、クリップの表示やスクラブ、メディアの検索や並び替え、メディアのアップロードステータスの確認などを実行できるコントロールを搭載。DCIMフォルダーとリンクし、クリップを選択してBlackmagic Cloudにアップロードすることも可能。Blackmagic Cameraのクリップフォルダーからメディアにアクセスするには、「Media」ボタンを選択して、保存したクリップのサムネイルを表示するだけ。携帯電話のファイルフォルダーにメディアを保存し、Blackmagic Cloudを介してBlackmagic Cloud Storageに送信したり、プロジェクトライブラリにアップロードするクリップをマニュアルで選択することも可能。Blackmagic Cameraから直接DaVinci Resolveプロジェクトにメディアを同期することもできるので、即座に編集やカラーグレーディングを開始できる。

Blackmagic Cameraは、カメラのオリジナルメディアに加えて、HDのプロキシファイルも収録する。小容量のプロキシファイルは、数秒でBlackmagic Cloudにアップロードできるため、スタジオでリアルタイムにメディアを使用できる。エディターが作業している最中に、メディアを直接DaVinci Resolveのメディアビンに送信できる機能は、これまでにない革新的な機能だという。エディターたちは、世界中どこにいてもショットを受け取れる。複数のカメラを使用している場合、DaVinci Resolveのカットページの新しいマルチソース機能を使用すると、マルチビューで各カメラアングルを表示可能。

今回のアップデートではタイムコードがサポートされたため、複数のAndroid携帯電話で撮影する際にBlackmagic Cameraにより、それらの映像を完璧に同期できる。各携帯電話で個別に収録を開始・停止しても、ファイルメタデータに完璧なタイムコード同期を保存でき、ミュージックフェスティバルや結婚式、インタビューなどで、パワフルなマルチカムワークフローを使用できる。さらに、DaVinci Resolveのカットページに搭載された同期ビンは、タイムコードを使用して全カメラから自動的にショットを探して同期するので、何千ものショットの分類に時間をかける必要がない。

同期ビンを使用するマルチカム編集は、マルチカム撮影において完璧なカットアウェイを選択できる世界最速かつ最も画期的な方法だという。タイムコードを使用して、複数の携帯電話で同時に撮影されたクリップを同期する。同期ビンのアイコンを選択するだけで、DaVinciがタイムラインと同期するすべてのクリップを検出してマルチビューに表示する。タイムラインをスクロールすると、タイムラインの任意の時点に同期するクリップをすべて確認できるので、最適なカットアウェイを選択可能。マウスでビューをクリックし、イン点/アウト点を調整できる。ソース上書き編集モードを使用して、選択したクリップをタイムラインに追加すると、下のクリップと完璧に同期する。

Blackmagic Design CEO、グラント・ペティ氏は、次のようにコメントしている。

ペティ氏:Android用Blackmagic Cameraは、今年の6月にリリースして以来、非常に高い人気を得ています。

Android携帯電話へのサポートをさらに充実させることで、より多くの方々に弊社のプロ仕様カメラで撮影するのと同じ操作性を体験していただけることを楽しみにしています。また、タイムコードが追加されたことで、カットページの同期ビンを使用してこれまで以上にスピーディにマルチカム編集が行えます。

Android用Blackmagic Camera 1.3の機能

  • クリップへのタイムコード収録をサポート
  • アナモルフィック・レンズ・デスクイーズをサポート
  • Pixelデバイスでの高フレームレート収録をサポート
  • オフスピード収録をサポート
  • タイムラプス収録をサポート
  • オーディオゲインの調整をサポート
  • 折りたたみ式デバイスに対応:Samsung Flip 5/6、Samsung Fold 5/6、Xiaomi 13Tに対応

Android用Blackmagic Camera 1.3はGoogle Playにて無償でダウンロード可能。