ライカカメラ社は、今年度の「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー(Leica Picture of the Year)」にドイツの写真家ヘアリンデ・ケルブルの作品を選出した。選出作品は「儚いことの美しさ」を印象的かつカラフルに表現したシリーズ「Metamorphoses」の中の作品で、その限定プリントが世界各地のライカギャラリーにて販売される。

緻密な観察が写真作品の特徴であるケルブルは、数十年前から現在に至るまでドイツを代表する偉大な写真家のひとりに数えられており、今年度の「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード(Leica Hall of Fame Award)」も受賞している。

その一方で、多分野で才能を発揮するアーティストや実績豊富な執筆者、さらには感性豊かな年代記編集者としても名を馳せ、過去50年で実に幅広い領域において比類なき作品を残してきた。設定したテーマを徹底的に追究し、長期にわたる取り組みで得られたその成果を主に写真集として出版している。

写真集の出版と同時に大規模な写真展を開催することも多く、ドキュメンタリー映画として発信したプロジェクトもある。「ツァイトマガジン」誌では、感受性にあふれ、時には哲学的なケルブルのインタビューが定期的に掲載されている。作品制作で愛用するカメラは、35mmフォーマットでは主にライカのカメラ、ミドルフォーマットではハッセルブラッド社のカメラ。

ケルブルはこれまでに写真集を20冊以出版している。受賞歴も豊富で、ライカ・メダル・オブ・エクセレンス(1987年)やドイツ写真協会のドクター・エーリッヒ・ザロモン賞(2001年)などを受賞しているほか、ドイツ連邦共和国功労勲章(2009年)やバイエルン功労勲章(2013年)も受章している。現在はミュンヘン近郊のノイリートという町に生活と活動の拠点を置いている。

ライカは2021年以来、「ライカ・ホール・オブ・フェイム」に殿堂入りした傑出したライカフォトグラファーの作品を「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出している。今年度は多大な功績を残してきた写真家としてのキャリアを称え、ヘアリンデ・ケルブルに授与される。その偉大さの一端をライカファンと共有するという目的でも「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」を毎年選出して、選出作品は世界29のライカギャラリーにて限定販売される。

コレクターやライカファンにとっては、ライカのカメラで撮影された傑作の限定プリントという特別なコレクションを入手できる絶好の機会となる。過去にはラルフ・ギブソン、トーマス・ヘプカー、エリオット・アーウィットの作品が選出され、今年度はヘアリンデ・ケルブルの作品がライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出された。

■2024年度ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー
ヘアリンデ・ケルブル
無題 (2017年撮影、「Metamorphoses」より)

    Herlinde Koelbl | from the series Metamorphoses, 2017–2021
    © Herlinde Koelbl/Leica Hall of Fame Award 2024
    Leica Gallery Wetzlar 2024
  • プリント用紙:ハーネミューレ社 ファインアートパール(ホワイトウォール社がプリント/今回の特別プリントは、写真ラボのホワイトウォール社の協力により実現)
  • 全体サイズ:40×50cm(15.75×19.69インチ)
  • 写真のサイズ:28.6×38.1cm(11.26×15インチ) サインとシリアルナンバー入り、作品証明書付き、シリアルナンバー入り、特製フォルダー入り
  • 販売数:87点 世界各地のライカギャラリーでの限定販売、国内での取扱いにつきましては各ギャラリーへお問い合わせ