ウエスタンデジタル、世界最大容量32TB/26TBのePMR HDDの出荷を開始

2024.10.18

ウエスタンデジタルは、ハイパースケーラー、クラウドサービスプロバイダー（CSP）およびエンタープライズ向けに実績のある信頼性の高いエネルギーアシストPMR（ePMR）記録技術を適用した、32TBの世界最大容量を誇るUltraSMR HDDの出荷を開始した。

また、今日のデータ集約型ワークロードに対応してドロップイン交換が可能なHDDを求める顧客のために、26TBの世界最大容量のePMR CMR HDDをエンタープライズおよびチャネル顧客向けに出荷開始した。

これらの新製品は世界初のディスク11枚構成の設計と、フィールドで実績のある技術を搭載している。

ストレージ業界における成長の原動力として、新たにAIデータサイクルが注目されている。AIシステムが高度化するにつれて、膨大な量のデータを処理、生成することになり、それらを効率的に保存する必要性が生じる。

HDDは、このエコシステムにおいて不可欠な役割を担っており、データを収集し、取り込み、保存する入力側と、AIコンテンツを生成し、保存する出力側の両方に対応する。この2つの役割により、HDDはAIデータサイクルの要として位置づけられ、必要なときにデータを利用でき、最小限のTCOで保存することが可能になる。

ウエスタンデジタルの最新の26TB CMRおよび32TB UltraSMRドライブは、いくつもの技術革新を適用し、データセンターのストレージ効率を最大化する。ePMRに加えて、OptiNAND、ArmorCache、およびトリプルステージアクチュエータ（TSA）を搭載した同製品は、世界初の11枚ディスクプラットフォームを特長とし、さらにその他の設計面でも強化が施されている。

32TB Ultrastar DC HC690 SMR HDD

Ultrastar DC HC690 UltraSMR HDDは、最大32TBの容量を備え、大規模なコスト効率の高いコンテンツ保存を求める顧客を支援する。この新しいHDDは、最大257MiB/秒のシーケンシャル性能で、アイドル時の消費電力が5.5Wと極めて少ないことから、ウォームおよびコールドデータの取り扱いに最適だ。

26TB Ultrastar DC HC590 CMR HDD

最新のCMRドライブである26TB Ultrastar DC HC590 CMR HDDは、高い信頼性とフィールドで実績のある技術基盤により、継続的な容量拡大に応えるドロップイン交換に対応。この最新世代のドライブは、CMR方式で大容量を提供し、優れた信頼性を保ちながら、シームレスな認証、容易な統合、迅速な導入を可能にする。最大288MiB/秒のサステイン転送速度で、アイドル時の消費電力はわずか5.6W。

Ultrastar Data60, Data102 Hybrid Storage Platforms

Ultrastar Data60, Data102 Hybrid Storage Platformsは、同社のUltrastar Data60およびData102 JBODハイブリッドストレージプラットフォームに認定・統合されている。このプラットフォームは、最新のデータセンター、プライベートクラウド、ビッグデータ分析に最適な高密度で拡張可能なストレージソリューションだ。柔軟な構成が可能で、最大60台または102台のHDDを収容でき、最大3.26PBの物理容量を提供する。

IsoVibeやArcticFlowなどの主要技術により、振動の低減と冷却の最適化が確保され、より優れた性能と信頼性がもたらされる。今年末までに、本日ご案内したHDDが搭載された製品の提供を開始する予定だという。

26TB WD Gold SATA HDDs

新しい26TB WD Gold HDDがシステムインテグレーター向けに販売チャネル経由で入手可能になった。Ultrastar HDD技術によるプラットフォームのイノベーションを駆使したWD Gold 26TB HDDは、エンタープライズおよび商用システム環境における過酷な読み出し/書き込みワークロードに耐える、妥協のないストレージソリューションを提供する。

5年間の限定保証と最大250万時間のMTBF（予測）をサポートするWD Goldドライブは、ミッションクリティカルなデータとクリエイティブな出力が成功に不可欠な中小企業やデザインプロフェッショナル向けに、最高レベルのストレージパフォーマンス、信頼性、耐久性、および容量の柔軟性を提供するとしている。

調査会社TRENDFOCUSのバイスプレジデントであるJohn Chen氏は、次のようにコメントしている。

Chen氏：AI、エッジコンピューティング、大規模データセンターの台頭により、HDDは大容量、高性能、低消費電力を達成する上で決定的な役割を担い、最大限のストレージ密度と最低限のTCOを求める企業にとって欠かせない存在となっています。

ウエスタンデジタルは、11枚のディスクを搭載した新しいプラットフォームを市場に追加投入することで、HDDの主要なユースケースを引き続きリードできる強固なポジションを確立し、今日のデータ集約型の環境において、あらゆる市場のすべてのユーザーの成功を最大限に引き出しています。

ウエスタンデジタルのHDD事業部SVPのRavi Pendekanti氏は、次のようにコメントしている。

Pendekanti氏：当社のCMRおよびUltraSMR技術は、業界の記録を塗り替えるだけにとどまらず、お客様が求めていた効率性とTCOの恩恵をもたらします。そしてこの歩みは今後も続く。今日における業界最高水準のePMR容量を提供することで、当社は、お客様が競争優位を保つために必要なストレージ効率、拡張性、信頼性、そして比類のない価値を確実に提供していきます。