米国ソニー・エレクトロニクスのSonyCine Teamは、近日中にリリース予定の「BURANOバージョン2.0」ファームウェアアップデートにおいて、新機能と操作性の改善が追加されることを発表した。2025年3月にリリース予定の「BURANOバージョン2.0」では、新しいイメージャースキャンモード、1.8倍デスクイーズ、モニタリングの改善など、ユーザーコミュニティからの要望に応える機能強化が図られている。
新しいイメージャースキャンモード
バージョン2.0では、センサーのほぼ全域を活用し、最大120fpsで撮影可能な3.8Kフルフレームクロップを含む、新しいイメージャースキャンモードが追加される。また、最大240fpsで撮影可能な1.9Kモードも搭載される。
これらの新しいイメージャースキャンモードにより、映画制作者は用途に応じて高速センサー性能を最大限に引き出すことが可能となる。その他の新しいイメージャースキャンモードとしては、X-OCN 16:9イメージャーモードに24.00fpsが追加されたことなどが挙げられる。
Full Frame | 3.8K 16:9 Mode | Up to 120fps | XAVC and X-OCN |
Super 35 | 4.3K 4:3 Mode(for Anamorphic) | Up to 60fps | X-OCN only |
Super 35 | 1.9K 16:9 Mode | Up to 240fps | XAVC only |
BURANOバージョン2.0では、1.8倍のデスクイーズ設定が追加されるほか、66、72、75、88、90、96、110fpsを含む高フレームレート(S&Q)モードも追加される。さらに、24.00fpsのプロキシ録画もサポートされる。
モニタリング、SDI、メタデータの改善
新記録フォーマットに加え、バージョン2.0では、X-OCNおよびXAVC全体にわたるモニタリングのための標準化されたSDIビデオ出力など、モニタリングおよびメタデータに関する様々な改善が施される。X-OCNではブリージング補正および手ぶれ補正メタデータが追加され、SDI出力にはタイムコードおよびクリップ名メタデータが付与される。
BURANOユーザーからのフィードバックに基づき、バージョン2.0ではS-Log3を使用したモニタリング時のビューファインダーガンマ表示アシスト機能を含む、オンスクリーンディスプレイの改良が提供される。
バージョン2.0では、PLマウントレンズ使用時の24V出力に対応。また、オプションのGP-VR100ハンドグリップを使用している場合には、PLマウントレンズのフォーカス/アイリス/ズーム制御との互換性も追加される。
映像出力の改善と露出ツールの追加
BURANOバージョン2.0では、プリセットのS-Log3ルックまたは3DユーザーLUTを使用する際の映像出力の改善など、複数の映像出力に関する改善が含まれる。さらに、バージョン2.0では、23.98、24、25、29.97のフレームレートで記録する際のオートフォーカス性能が向上する。
バージョン2.0には、フラッグシップカメラ「VENICE」から派生した新しい露出ツール(ハイキー/ローキー)も搭載される。また、ホワイトバランスメモリのプリセットが3から8に拡張され、フルフレームクロップ6Kおよびスーパー35 1.9K 16:9イメージャーモードでアクティブ/ハイイメージスタビライゼーションがサポートされる。
映像出力の改善を補完するため、BURANOバージョン2.0では、ステータス画面からのメディアフォーマット機能や、ドキュメンタリーやリアリティ番組の標準であるCAM IDおよびリール番号の設定機能など、利便性を向上させる機能が追加される。
バージョン2.0では、工場出荷時のデフォルト周波数設定が59.94から23.98pに変更され、「工場出荷時のデフォルト設定にリセット」設定も追加される。
最後に、BURANOバージョン2.0では、RCPからの可変ND制御、Camera Remote SDKからのカメラ制御の改善、LAN経由で接続されたデバイス用のタリー制御など、ライブイベントおよびマルチカム機能が追加される
新しいBURANOバージョン2.0は2025年3月にリリース予定。映画制作者は、MacまたはPCを使用して、カメラにアップデートを容易にダウンロードすることができる。