日本カメラ博物館は、2025年2月11日(火・祝)から6月22日(日)まで、特別展「昭和100年記念 昭和のカメラ物語 第一部:1926-1954」を開催中だ。

2025年は、昭和元年(1926年12月25日~)から数え、「昭和100年」にあたる年となる。同展示はこれを記念し、昭和期の日本を中心としたカメラ技術や産業を、あらためて俯瞰しながら紹介する。

「昭和」は、日本をはじめ世界の写真産業、カメラ産業が大きく展開した時代といえる。昭和64年までの長い間には、カメラ技術の発展とともに、様々な社会情勢にも影響を受けながら、多種多様なカメラが製造されてきた。今回は、「昭和のカメラ物語」第一部として、昭和元(1926)年から昭和29(1954)年までに製造されたカメラを展示する。

昭和の前半から戦後復興期頃は、日本のカメラが本格的な工業化へと歩みだす時代である。第二次世界大戦を経て、復興期となる戦後にはカメラが主要輸出品となり、昭和29(1954)年には日本写真機検査協会(現:日本カメラ財団)と日本写真機工業会(現:カメラ映像機器工業会)も設立され、輸出産業として確立されて製造が急速に拡大していった。また、この頃は諸外国でも多くのカメラが製造され、日本へと輸入された時期でもあった。先進的な外国製カメラは日本のカメラ産業にとって大きな目標となり、強く影響を受けながら国際市場で競い合い、技術が育まれていった。

同特別展は、昭和期に製造された日本製カメラを中心に、外国製も含めた「昭和という時代を彩ったカメラ」を展示し、「カメラ」という視点から昭和の歴史を掘り下げる企画である。

「昭和100年記念 昭和のカメラ物語 第二部:1955-1989」(仮称)は2026年2月開催予定。

■開催概要

  • タイトル:日本カメラ博物館 特別展 「昭和100年記念 昭和のカメラ物語 第一部:1926-1954」
  • 開催期間:2025年2月11日(火・祝)~6月22日(日) ゴールデンウィーク期間中の4月26日(土)~5月11日(日)は休まず開館
  • 展示品:昭和元年(1926)から昭和29年(1954)に製造されたカメラを展示する。日本製カメラを中心に、影響を受けた外国製カメラも含めて時代ごとに紹介する(展示点数約200点を予定)。
  • 常設展等:常設展として「日本の歴史的カメラ」、世界最初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」、「ライカコーナー」、「カメラのおもちゃコーナー」、ピュリツァー賞を受賞した報道写真家・沢田教一のカメラなどを展示している。
  • 感染症対策について:手指消毒など、感染対策を実施している。
  • 図録販売:今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売する。または通信販売も利用できる。
  • 開館時間:10:00~17:00
  • 休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始
    ※2025年2月11日(火・祝)~6月22日(日)の会期中は、ゴールデンウィーク期間中の4月26日(土)~5月11日(日)も開館する。
  • 入館料:一般 300円、中学生以下 無料、団体割引(10名以上)一般 200円
日本カメラ博物館の特別展エリアで開催
左は「戦時体制へ〈1930年代〉」、右は「1920年代の写真産業 1920年代のカメラ」
光学機器から光学兵器へ 〈1940-1945年〉
1940年代前半の写真産業 1940年代前半のカメラ
主要輸出産業へ 〈1950−1954年〉