
©2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会
Blackmagic Designによると、お笑い芸人コンビ、タモンズを中心とした芸人たちが成功を夢見て模索する姿を描く「くすぶりの狂騒曲」の撮影にBlackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Pro、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kが使用されたという。また、グレーディングにはDaVinci Resolve Studioが使用されている。
「くすぶりの狂騒曲」は、吉本興業所属の実在の芸人たちをモデルにした作品。埼玉県の大宮市にある吉本の劇場で活動する芸人たちは、「大宮セブン」というユニットを組んで日々お笑いの世界で切磋琢磨していた。そのメンバーである芸人コンビ、タモンズは、仲間たちがだんだんとショーレースや動画配信などで躍進していく中、なかなか活路を見出せず迷走していく。
同作品の撮影監督でありカラリストも務めた地村俊也氏は、初代のBlackmagic Cinema CameraからのBlackmagic Designのカメラを愛用してきたという。

地村氏は、次のようにコメントしている。
地村氏:Blackmagic Cinema Cameraが出た時期は、一眼レフのカメラで試行錯誤しながらRAW収録していました。そんな中、個人で所有できるカメラでSSDに直接RAW収録ができることが、本当に尊いものだと思っていました。
この作品はクリエイティブに携わる人間からすると、少なからず共感があります。そういった感情を映像に載せていくような撮影をチーム全体で心がけました。限られた状況下でも、高いクオリティを出したいという思いの中で、個人でも所有できるカメラはすごくありがたいです。
私が所有するURSA Mini Pro 4.6K G2とPocket Cinema Camera 4Kそして別のスタッフの所有のPocket Cinema Camera 6K Proを使用しました。カメラを所有していることで、事前の試行錯誤がしやすく、機材に対するノウハウや個体ごとのクセへの理解などが高い次元で維持できるので、納得のいく撮影ができました。
また、舞台のシーンはすべてマルチカメラで撮影されたという。
地村氏:もともと、舞台収録はそういった撮り方が多いのと、そういったシーンはライブ性の高い演出が入っていたので、そこをしっかり記録するため。カメラ3台で撮影しました。カメラのコントロールもしやすかったですね。

監督の立川晋輔氏と地村氏は、「感情が揺れる瞬間をダイレクトに捉える」ことを重視し、手持ち撮影を多く取り入れた。
地村氏:手持ちといっても、大きなスクリーンで映写するので、画面の揺れが過剰にならないように工夫しました。シネサドルやジンバルを使ってある程度安定感を保ちながら撮影しました。
夜の帰宅シーンやファンの出待ちのシーンでは、カメラがずっと動きながら回り込むように撮りたかったので、Pocket Cinema Cameraを小型のジンバルに載せて、セグウェイに乗って撮影しました。
地村氏は同作のカラリストも務めており、DaVinci Resolve Mini Panelを使って同作のグレーディングを行った。
地村氏:彩度については、パラメーターを細かく調整してフックの効いた色を作りながらも、スキントーンは破綻しないように気を使いました。顔や手などはマスクで抜いて細かく調整しました。
最後に地村氏は特に印象に残っているシーンについて次のようにコメントしている。
地村氏:物語の後半で、外光が全く入らないシーンがあります。照明の数に限りがある中、URSA Mini Pro 4.6K G2の設定で感度を上げたほうが、撮影は楽だったのですが、どうしてもISO 800で撮りたかったんです。そのため、照明を工夫してその設定で撮影できるように調整してもらいました。そのシーンはグレーディングしていてもしっとりと美しく仕上げることができて、エモい映像になったと感じました。

