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パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社(以下:パナソニック)は、2025年4月6日から9日(現地時間)まで、米国ラスベガスで開催される世界最大の放送機器見本市、国際放送機器展「2025NAB(National Associations of Broadcasters)Show」に出展する。

パナソニックのブース(ラスベガス・コンベンション・センターのノースホール、ブース番号 N1311)では、放送局やライブイベントなどにおける映像制作へ向けた、優れたAVエコシステムを紹介する。「Amplifying Innovation, Maximizing Our Impact」を全体テーマに5つのゾーンとKAIROSタッチ&トライエリアで、最新の映像技術やワークフローと新製品ラインアップによるソリューションの展示、デモンストレーションを行う。

5つのゾーン

ライブスタジオゾーン(スポーツ中継スタジオ)

新製品の4Kスタジオカメラ「AK-UCX100」や4Kインテグレーテッドカメラ「AW-UE150AW/AK」、メモリーカード・カメラレコーダー「AG-CX370」、「AG-CX20」をはじめ、パナソニックのカメララインナップをスポーツ番組スタジオに模したセットで実際に撮影できる。

また、大型LEDビジョンの再撮も行えるので、特にモアレに強いAK-UCX100の性能も実際に確認できる。さらに開発中の4Kマルチパーパスカメラの静展示も行う。加えて、フルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-S1RM2」と、映像制作ワークフローサポートアプリLUMIX Flowについても体感できる。

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ウィニングラインナップゾーン

講義室や会議室、放送局やイベント撮影などで活躍するパナソニックのリモートカメララインナップをこれまでの受賞歴と一緒に紹介する。

ディスカバリーゾーン(LED/プレゼンテーションエリア)

放送局やライブイベントなどで活躍するソリューションを発見できるセミナー形式のプレゼンテーションを行う。スポーツやアリーナでのライブ映像制作に対応する「ST 2110」によるワークフローを紹介するなど、企業イベントの簡素化からライブイベントでの正確なカラーの調整など、将来を見据えた映像制作ワークフローのツールやヒント、ソリューションについて説明する。

プロダクションゾーン

オンライン講義やウェビナー、学会、講演会など様々なシーンでの映像撮影を、AIを活用することでさらに高品質・円滑にするソフトウェアプラットフォームMedia Production Suiteの各プラグインのデモンストレーションを実施する。高度なAI技術の搭載で、リモートカメラを用いながら構図にこだわった自然な映像を自動で撮影するAdvanced Auto Framingプラグインや顔認証と人体検出による高精度な追尾技術で被写体の予期せぬ動きをとらえて撮影するAuto Trackingプラグイン、高度な技術で多彩な映像合成が可能なVideo Mixerプラグインを紹介する。

Video Mixerはバージョンアップにより高精度なAI顔検出技術とAI顔認証技術を組み合わせたリアルタイムのモザイク処理「AI Effect Filter」を搭載予定で、PCにインストールして撮影すると自動で顔を認識し、モザイクなど指定したフィルター処理を施す。

コラボレーションゾーン

リアルとオンラインを繋ぐハイブリッド形式の会議や講義でシームレスなコミュニケーションを実現するシーリングアレイマイクロホンシステムのデモンストレーションを実施する。新製品のAVプロセッサー「WR-AV800」とのシステム構築により、複数のリモートカメラとの連携を紹介する。リアルとオンラインの空間を繋ぎ、音声と映像が連携したシーリングアレイマイクロホンシステムがストレスのないシームレスなコミュニケーションをサポートする。

展示予定の新製品・新技術

4Kマルチパーパスカメラ

2025年度第3四半期から4四半期にかけての発売を目指し、同社マルチパーパスカメラ「AK-UB300」の後継機種の開発をスタートした。新発売のスタジオカメラ「AK-UCX100」や、プロフェッショナル市場で活躍するリモートカメラ「AW-UE160」と同じ画像処理エンジンを搭載し、同じシステム内で運用する際にカメラ間での簡便な色合わせを実現。SMPTE ST 2110ワークフロー対応はもちろん、多彩なIPや12GSDI出力、2/3インチバヨネットマウントの採用を計画している。デザインは、同社マルチパーパスカメラのアイデンティティでもあるオクタゴンフォルムを採用し、手当たりや取り回しの良さが向上している。

4Kスタジオカメラ「AK-UCX100」

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水平解像度2000TV本、HLG/BT.2020の広いダイナミックレンジと色域を実現し、スタジオ撮影やスポーツ中継はもちろん、ライブイベントのステージ演出を高品質に撮影する4Kスタジオカメラ。また、CCUを用いることなくカメラヘッド単体での運用も可能。

CCUレスで12G-SDI(×2系統)のほか、SMPTE ST 2110、NDI High Bandwidth、SRTなど多彩なIP規格に対応する。さらに光ファイバーマルチケーブルにより、約2km離れたカメラへの電源供給が可能なカメラファイバーアダプター「AK-CFA100」とシステム構築することもできる。

4Kインテグレーテッドカメラ「AW-UE150AW/AK」

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映像制作現場が求める高品位な映像と運用性を両立した4Kリモートカメラ。パン・チルト・ズームの同時性を高め、NDI High Bandwidthをサポートしリモートプロダクションシステムとの親和性向上を図るなど、優れた映像表現とマルチな運用性の両立を実現している。

4Kマルチパーパスカメラ「AW-UB50/UB10」

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2024年に発売されたボックススタイル4Kマルチパーパスカメラ「AW-UB50」、「AW-UB10」も大きく2点のアップデートを近日公開予定だ。

1つ目として、AW-UB50、AW-UB10に合わせた雲台、Movicom社製「Robyhead D2」が2025年度第2四半期より順次発売予定。同社リモートカメラと共通のIP制御プロトコルに対応し、同社リモートカメラコントローラー「AW-RP150」よりパン・チルト・ズーム、レンズ制御が可能となる。

2つ目はNDI HX2対応である。AW-UB10は2025年度第1四半期に、AW-UB50は2025年度第2四半期にそれぞれ対応予定。これにより、映像・音声、制御、電源を1本のイーサネットケーブルで扱うことができることに加え、高圧縮フォーマット伝送により柔軟な映像制作を実現できるとしている。

メモリーカード・カメラレコーダー「AG-CX370」

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4K/UHD解像度、10ビットの深度、HDR対応V-Log/HLGの高画質と、放送用P2HD形式を含む多彩な記録フォーマットに対応。12G-SDI、オーディオIN4chやIP接続がNDI HX2に対応し、ライブカメラとしての運用にも対応するコネクティビティを備えている。

メモリーカード・カメラレコーダー「AG-CX20/HC-X2100/HC-X1600/HC-X1200」

放送品質の映像美と高い機動力を兼ね備えたメモリーカード・カメラレコーダー。軽量ボディながら4K/60pの長時間収録を可能にし、広角25mm(35mmフィルムカメラ換算)、光学24倍ズームレンズにより、様々な環境での高品位な映像撮影を実現する。また、4KハイプレシジョンAFや顔検出/追尾AE&AFなど充実の撮影サポート機能を備え、撮影を円滑にするという。

Media Production Suite:Video Mixerプラグイン「AW-SF400G Ver.2」

高度なAI技術の搭載で様々な映像合成を実現する。グリーンバックなどの特別な設備を用意することなく簡単に背景映像を合成する機能「AI Keying」や、1クリックで様々な合成パターンを呼び出せるスマートスイッチング機能を搭載する。

また、バージョンアップにより高精度なAI顔検出技術とAI顔認証技術を組み合わせたリアルタイムのモザイク処理「AI Effect Filter」を搭載予定で、PCにインストールして撮影すると自動で顔を認識し、モザイクなど指定したフィルター処理を施す。

Media Production Suite:Advanced Auto Framingプラグイン

AI技術の活用で、リモートカメラでプロのカメラマンが操作しているかのような構図での撮影を支援する。事前に登録した任意の構図をワンクリックで再現することで現場の業務効率化と、高品位なコンテンツ制作の両立を実現する。

IT/IPプラットフォームKAIROSの新ソフトウェア「バージョン1.8」

新機能のKairos Core複数台同時制御に加え、グラフィックプラットフォームであるSingular.liveやViz Flowicsとの連携、16:10や5:4などのより多様な解像度への対応が含まれるバージョン1.8を北米市場で初展示。KAIROSの自由度の高い操作感をタッチ&トライエリアで体感できる。

シーリングアレイマイクロホン「WX-AM800」

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4発話者の声を天井から収音し、自然な音声でストレスフリーなハイブリッド会議・授業を実現するシーリングアレイマイクロホン。ビームフォーミング技術で、発話者の声を的確に収音できる。また、シーリングマイクが発話者の位置を特定し、リモートカメラの向きを切り替えることも可能。臨場感のあるハイブリッド会議・授業に貢献する。

AVプロセッサー「WR-AV800」

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AVプロセッサー1台で、シーリングマイクを最大4台、リモートカメラを最大8台まで連携可能。複数台のマイクとリモートカメラの連携によって現場の様子をリモート側にも詳細に伝えることができる。

フルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-S1RM2」

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新開発の約4430万画素フルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーと最新のエンジンを搭載し、高解像で階調豊かな描写を実現するフルサイズハイブリッドミラーレス一眼カメラ。LUMIX初となる8K30p、4K60P(Full)、6.4K(2025年中に8.1Kも搭載予定)など多彩な動画記録モードを搭載し、14stopのダイナミックレンジを確保。

進化した動画手ブレ補正は、電子手ブレ補正に「クロップレス」動画周辺歪み補正を搭載する。さらに、映像クリエイターに向けた新アプリ「LUMIX Flow」やクラウド上で共同作業が可能な「Frame.io Camera to Cloud」にも対応。新たなアプリやソフトウェアで、クリエイターを幅広くサポートする。

映像制作ワークフローサポートアプリ「LUMIX Flow」

ドラマやドキュメンタリーをはじめ、ミュージックビデオやダンス動画などのエンターテインメントジャンルのシナリオ作成から編集まで、クリエイターのスムーズな映像制作をサポートするアプリケーションだ。

スマートフォン/タブレットを使用し、脚本、絵コンテ、ショットリストを作成可能。スマートフォン/タブレットをLUMIXと接続することで、画面上で撮影リストや絵コンテを確認しながら撮影し、撮影済のカットがひと目でわかるので撮り忘れを防止する。アプリ内で作成したXMLファイルを動画編集ソフトにインポートすることで撮影データをカットごとやOK/KEEPテイクごとに自動でフォルダ分けでき、撮影後のデータ整理を効率化し、編集時間の短縮化もサポートする。