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株式会社ヤマハミュージックジャパンは、Steinberg Media Technologies GmbH(以下:スタインバーグ社)が開発した、業務用デジタル・オーディオ・ワークステーション(以下:DAW)ソフトウェアの「Nuendo 14」のダウンロード販売を開始した。ラインアップは以下の通り。

  • スタインバーグ ソフトウェア「Nuendo 14」DAC Nuendo 14 Retail(通常版)
  • スタインバーグ ソフトウェア「Nuendo 14」DAC Nuendo 14 Education(アカデミック版)
  • スタインバーグ ソフトウェア「Nuendo 14」DAC Nuendo 14 UD from 13(アップデート版)
  • スタインバーグ ソフトウェア「Nuendo 14」DAC Nuendo 14 CG Competitive(競合クロスグレード版)

スタインバーグ ソフトウェア「Nuendo 14」とは

Nuendo 14は、映画やテレビ、ゲームオーディオなどの映像用音響制作に特化した業務用DAWソフトウェアの最新バージョン。今回は、AIを駆使した音声テキスト変換機能を搭載し、ADRワークフローを革新した。

また、4K/8K映像に対応し、Dolby Atmos 9.1.6をサポートすることで、次世代の没入型オーディオ制作を強力に支援する。今回追加された30以上の新機能は、ポストプロダクションやゲームオーディオの品質基準を高め、業界の新たなスタンダードを確立するとしている。

アカデミック版は、学生、学校教員向けの優待販売版。発注の際には、学生証、教員証等の画像ファイルが必要。競合クロスグレード版は、対象の競合他社製品を持っている方向けの優待販売版。発注の際には、競合他社製品のライセンス登録情報やレシート等の画像ファイルが必要。

2025年2月19日以降に「Nuendo 13」をアクティベートした方は、「Nuendo 14」への無償バージョンアップ対象となる。

Nuendo 14の主な特長

ミキシング機能の強化およびイマーシブ技術への対応

Nuendo 14は、映画やテレビなどで背景音を自動的に減衰させることで台詞の明瞭度を向上させる「Adaptive Background Attenuation(ABA)」機能を搭載した。ABA機能は、MPEG-Hコンテンツ作成時にも利用可能だ。

また、Dolby Atmosレンダラーを内蔵し、Stereo Direct、7.1.2、9.1.4、9.1.6などの音声フォーマットをサポートする。さらに、VRなどで採用の多い立体音響技術「Ambisonics」を4次までサポート。加えて、ボリュームプラグインの追加、MixConsoleの改善により、フェーダーとは独立した任意のトラックのミックス、トラックの並び替えや表示が容易になった。

編集とトランスクリプション機能へのAIによるサポート

多言語対応のAIによる音声認識機能により、ダイアログトラックをADRサイクルマーカーに書き起こすことが可能だ。機械学習モデルを活用することで、オリジナルサウンドトラックの書き起こしや新規マーカーの作成を迅速に行えるため、作業時間を大幅に短縮できる。

オーディオ編集では柔軟なイベントボリュームカーブを使用し、ツールを切り替えることなくオーディオイベント内のレベルを迅速に調整できるようになった。また、オーディオセグメントの自動検出機能により、ユーザーは特定の単語やフレーズを簡単に選択でき、音量調整も可能だ。範囲選択ツールも改良され、編集プロセスがさらにスピードアップする。

ゲームオーディオ&サウンドデザインに向けた機能向上

「Game Audio Connect 3」を搭載し、ゲームサウンドデザイナーがサウンドをリアルタイムでプレビューできる機能を追加した。これにより、オーディオアセットをエクスポートすることなくミドルウェア「Audiokinetic Wwise」から直接エフェクトを再生できる。また、タイムコードなしでCSVファイルをNuendo 14にインポートし、マーカーを自動的にプロジェクトウィンドウに割り当てることが可能となった。

さらに、MediaBayでは異なるピッチやタイムストレッチでサウンドをプレビューし、選択した情報をそのままプロジェクトにインポートできるようになった。

ビデオエンジンの刷新、楽曲制作機能の強化

ビデオエンジンが刷新され、4Kおよび8K解像度をサポートし高解像度のビデオがウィンドウ内に適切にスケーリングされる。また、ADR機能が強化され、ビデオウィンドウにダイアログシーンやIDなどの属性を表示可能だ。

パターン・シーケンサー、ドラム・トラックなど楽曲制作機能も強化された。新スコアエディターは、楽譜制作ソフトウェア「Dorico」の技術を活用し、正確かつ迅速な楽譜作成が可能だ。また、キーエディターの改良により、音符の再生確率やベロシティを調整し、作曲に活気と予測不可能性を加えることができる。

Nuendo 14では、ダイレクト・オフライン処理にオーディション機能が追加され、音量が適切にプレビューされるようになった。SpectraLayers Goが搭載され、AIによるステムセパレーションが強化されている。プロジェクトデータの異なるDAW間での交換や、パフォーマンスモニター機能も追加され、全体のパフォーマンスチェックが容易になった。さらに、64ビットファイル形式やオートセーブ機能も導入されている。

動作環境

Mac Windows
対応OS macOS Ventura/Sonoma/Sequoia 64-bit Windows 11(Version 23H2 以降)/64-bit Windows 10(Version 23H2 or 以降)
対応プラットフォーム Intel Core i5(2018年以降)/ Apple Silicon Intel Core i5(第4世代)/AMD Ryzen
CPU 4コア以上 推奨 4コア以上 推奨
CPUコア数 RAM サイズ: 8GB以上推奨 RAM サイズ: 8GB以上推奨
必要メモリー RAM サイズ: 8GB以上推奨 RAM サイズ: 8GB以上推奨
ハードディスク ディスク空き容量(フルインストール時): 75GB以上 ディスク空き容量(フルインストール時): 75GB以上
グラフィック 推奨ディスプレイ解像度: 最低 1440×900 以上 Windows 10に対応したグラフィックカード(Windows のみ) AMD R, RX シリーズ以降, NVIDIA Series 700以降(Windows のみ) 推奨ディスプレイ解像度: 最低 1440×900 以上 Windows 10に対応したグラフィックカード(Windows のみ) AMD R, RX シリーズ以降, NVIDIA Series 700以降(Windows のみ)
ライセンス管理 Steinberg Licensing(account based) Steinberg Licensing(account based)
その他 ・OS対応オーディオデバイス(ASIO対応デバイス推奨)
・32ビットプラグインはサポートされていない
・VST 2プラグインは、公式にはサポートされていない
・Microsoft 基本ディスプレイドライバーは推奨していない
・インターネット接続環境:インストール、ライセンスアクティベーション、ユーザー登録など
※インストール時にアプリケーションや関連データのダウンロードが必要
※高速ブロードバンドのインターネット環境を推奨
・OS対応オーディオデバイス(ASIO対応デバイス推奨)
・32ビットプラグインはサポートされていない
・VST 2プラグインは公式にはサポートされていない
・Microsoft 基本ディスプレイドライバーは推奨していない
・インターネット接続環境:インストール、ライセンスアクティベーション、ユーザー登録など
※インストール時にアプリケーションや関連データのダウンロードが必要
※高速ブロードバンドのインターネット環境を推奨