
株式会社Preferred Networks(以下:PFN)は、映画・テレビ・CMなどの映像作品やゲーム向けに、建物や部屋、空間全体を撮影して現実のロケーションをフォトリアルな高精細3Dデータに再構成する技術を開発した。
この技術は、映像制作やゲーム開発、観光や不動産などのロケーションガイドなどへの活用が期待されるという。同技術の詳細は、PFN 3D Scanサイトで確認できる。
今回開発された技術は、ガウシアンスプラッティングと呼ばれる最先端技術とPFNのスーパーコンピュータを用い、様々なアングルから撮影された数百枚のロケーション写真をもとに3D空間を再構成するものだ。また、映像制作やゲーム開発で標準的に使われる3DエンジンUnreal Engine 5で取り扱うためのプラグインも開発されており、作成した3Dデータを制作現場の既存のワークフローに簡単に組み込むことが可能になる。
同技術で作成された3Dデータを使うことで、撮影のために現地まで毎回足を運ぶことなく、現実のロケーションを細部まで鮮明に再現した空間の中で、カメラアングルを自由自在に動かした映像やインタラクティブコンテンツを制作できる。
3D化したロケーションのサンプル動画

映像への応用例
大型LEDパネルに3D背景を写し、実写の人物とリアルタイムに合成
同技術は今後、映像制作、エンターテインメント、不動産、観光、製造業など、幅広い分野での活用に向け、具体的なサービスやプロダクトとして開発されていく予定だという。
ガウシアンスプラッティング(Gaussian Splatting)とは
2023年に登場した3Dモデルを小さなガウス分布の集まりで表現する手法。点群、ボクセル、メッシュ、NeRFなどの従来の3D技術において用いられる表現と比較して、より高い外見の再現力を持ち、大規模なシーンに対しても効率的に最適化を行うことができ、GPUによる高速な描画が可能であるといった強みを持つ。
