ソニーグループ会社であるホークアイのバーチャル測定技術が、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の2025年シーズンからライン・トゥ・ゲインの主要測定方法として導入される。

同技術は、昨シーズンのテストを経て導入が決定されたものであり、攻撃側が次のファーストダウンを獲得するために必要な10ヤード先の地点(ライン・トゥ・ゲイン)への到達を、正確かつ迅速に測定することを目的とする。これにより、審判判定の精度向上と試合運営の円滑化が期待される。

従来のライン・トゥ・ゲイン測定は、フィールド上のチェーンクルーがチェーンを用いて手動で行っていた。新技術はこれに代わる効率的な手段として機能し、チェーンクルーも引き続き補助的な役割を担う。

ホークアイのシステムは、NFLの全30スタジアムおよび海外試合会場に導入され、ボール位置の光学トラッキング用に8Kカメラ6台が設置される。システムの運用は、ニューヨークのNFLアート・マクナリー・ゲームデイ・セントラル・オフィシエイティング・センター(AMGC)から行われ、既存のリーグ・リプレイシステムと統合される。測定結果は、フィールド上の審判に通知されるとともに、スタジアム内および放送でリアルタイムに視覚化される。測定は約30秒で完了し、従来の手動測定に比べ最大40秒の短縮が見込まれる。

NFLとホークアイの協力関係は、2021年のホークアイのスマートテクノロジー(Synchronized Multi-Angle Replay Technology)採用に遡る。同技術は、NFL放送パートナーからのビデオフィードを統合し、スタジアムとAMGCの審判が複数のカメラアングルを同時に確認し、最適な判断を下せるようにする。

ホークアイは、世界の主要スポーツリーグ25のうち23と提携し、サッカー、テニス、クリケット、ラグビーなどの国際的なスポーツイベントで審判判定システムを提供している。ソニーは、NFLとの技術パートナーシップを通じて、試合運営の向上とファンエンゲージメントの促進を目指す。

2025年シーズンには、フィールド上のコミュニケーション用コーチングヘッドセットも導入される予定である。

NFLフットボール・オペレーション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのトロイ・ビンセント氏は以下のようにコメントしている。

ビンセント氏:NFLとソニーは、世界最高のフィールド上の審判判定と最先端の技術を統合し、フットボールの高い品質をさらに向上させています。審判の技術と、信頼性の高いホークアイのシステムを組み合わせることは、正確性や一貫性、効率性の基準を引き上げるという私たちのコミットメントを果たすために重要な手法となります。ホークアイのビデオリプレイや取得データに基づく洞察は、フットボールの未来に向けたNFLの努力を進めることに役立ちます。

ホークアイ、パルセライブ、ビヨンド・スポーツCEOのルーファス・ハック氏は次のようにコメントしている。

ハック氏:私たちは常に世界の主要なスポーツリーグと協力し、スポーツにおける変革を先導することに情熱を注いできました。私たちはスポーツをより公正で安全に、かつ魅力的にすることを目指しています。重要なライン・トゥ・ゲインの取り組みにより、NFLとのテクノロジーパートナーシップを拡大し、選手や審判、そして最も重要なファンのために試合の品質を向上できることを非常に嬉しく思います。

ソニー・エレクトロニクス プレジデント兼COOのニール・マノウィッツ氏は次のようにコメントしている。

マノウィッツ氏:ソニーとNFLの長年の関係は、フットボールにおける革新を追求し、ファンとプレーの距離をより近づけるという共通のコミットメントに基づいています。ホークアイのバーチャル測定技術は、そのコミットメントをさらに活性化します。私たちはテクノロジーの力を通じて試合運営を変革し、情熱的なファンにさらなる興奮の瞬間を届けることを楽しみにしています。