
2025年度で45回目を迎える写真コンテスト「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」の今年の審査員が新たに決定した。
今年度は「ライカI」誕生100周年を記念し「100 years of Leica: Witness to a century(1925-2025)|ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」の一環として選考プロセスが実施される。毎年新たに選出される審査員が決定し、2025年度のLOBAは本格的な審査段階へと進む。
1980年に第1回が開催されたライカ・オスカー・バルナックアワードは、現代の写真界を牽引する重要なフォーラムとして近年その地位をさらに確立している。今回も、国際的な推薦委員会からの推薦にもとづき受賞者が選ばれる。2025年度のLOBA 一般部門と新人部門の各ファイナリストおよび受賞者は最終的に5名の審査員によって決定される。今年の審査員は以下の5名。
- ジェーン・エヴリン・アトウッド氏(米国/フランス):写真家、1997年度 LOBA受賞者
- シリル・ドルエ氏(フランス):「ル・フィガロ」誌 撮影副部長
- フェリックス・ホフマン氏(オーストリア):フォト・アーセナル・ウィーン 芸術監督
- クルト・ホルツ氏(ドイツ):プレステル出版 写真・建築担当編集長
- カリン・レーン=カウフマン氏(オーストリア):ライカギャラリー・インターナショナル代表兼アートディレクター
4月には、審査員がドイツ・ウェッツラーのライカカメラ本社で審議し、LOBA 一般部門と新人部門の各部門で最大12名のファイナリストの中からそれぞれ受賞者が決定される。一般部門ではまず、世界約50カ国120名以上の写真のエキスパートによる推薦形式で候補者が選出される。
各推薦者は各々が有する専門知識にもとづき15~20点の写真で構成される作品シリーズを評価して最大3名の写真家を候補者として推薦する。推薦を受けるための条件は、作品が"人々とその周辺環境との関係"をテーマにしたドキュメンタリー写真またはコンセプチュアルアート写真であること。"常に人間に主眼を置く"というこの選考コンセプトは1979年のLOBA設立時から一貫したものだ。設立年である1979年は初代「ウル・ライカ」の発明者であり、アワード名の由来であるオスカー・バルナックの生誕100年という節目の年でもある。
2009年に新設された新人部門「ライカ・オスカー・バルナック・ニューカマーアワード」は、30歳未満の若手写真家が対象で、今年も世界17カ国20の国際機関および高等教育機関と協力し、その推薦にもとづいて受賞者が決定される。
国際写真コンテストとしての権威を着実に高め続けるLOBAは、賞金額においても世界有数となっている。一般部門の受賞者には40,000ユーロの賞金と10,000ユーロ相当のライカのカメラ製品が、新人部門の受賞者には10,000ユーロの賞金と「ライカQ3」がそれぞれ贈呈される。
さらに、受賞作品およびファイナリストの作品は2025年10月のエルンスト・ライツ・ミュージアム(ウェッツラー)を皮切りに、世界各地のライカギャラリーや主な写真フェスティバルでも順次展示される予定だ。また、両部門の受賞者とファイナリストの全作品を詳細に解説したカタログも出版される。
全ファイナリストとその作品は2025年7月中旬以降にLOBAのウェブサイトで発表され、その後、10月にウェッツラーで開催予定の授賞式で受賞者が発表される予定だ。

