ソネットテクノロジーのブースは、NAB 2025において複数の製品を展示した。以下にその様子を紹介しよう。

次世代の外付けGPU「eGPU Breakaway Box 850ex」を展示

最も注目された製品の一つに、次世代外付けGPU「eGPU Breakaway Box 850ex」がある。本製品はThunderbolt 5コントローラーを搭載し、最大6000MB/秒のPCIe帯域幅を提供する。これは、現在出荷されている外付けGPUシャーシと比較して2倍の帯域幅となる。Thunderbolt 5ポートを備えたラップトップや小型フォームファクタコンピュータにおいて、PCワークステーションレベルのグラフィックスパフォーマンスの実現を目的としている。

本製品は840Wの補助電力を必要とする小型GPUもサポートする。ただし、現時点ではAppleシリコンはeGPUをサポートしておらず、Windows環境のみが対応となる。

背面には、USB Type-Aポートが3つ搭載されており、その隣にはThunderbolt 5インターフェイスが配置されている。

筐体内部の冷却構造は、正面から見て右側に吸気ファンがあり、左側から排気する形が設けられている。GPU自体も発熱が大きいが、冷却対策が施されているとのことである。

想定される用途として、ビデオプロダクションやゲームなどが挙げられる。ソネットは、GPUを除くシャーシ部分を販売予定としている。価格は未定であり、2025年8月から9月頃の出荷を予定している。

Echoシリーズのドッキングステーションとして初のThunderbolt 5モデル登場

Echo 13 Thunderbolt 5 SSD Dockもまた注目すべき製品である。本製品はSSDを内蔵し、複数のポートを搭載したThunderbolt 5ドッキングステーションである。Echoシリーズのドッキングステーションとしては初のThunderbolt 5モデルとなる。

このドックはThunderbolt 5コンピュータに接続することで最大6,000MB/秒のデータ転送をサポートし、1本のThunderbolt 5ケーブルを介して周辺機器をコンピュータに接続する。また、最大140Wの充電電力でノートパソコンにも給電可能である。

特に注目すべき点は、背面のインターフェイスの充実である。USB-Aポート4基、2.5Gb Ethernetポート1基、Thunderbolt 5ポート4基、micro SDカードスロット、SDカードスロットが搭載されている。 Echo 13には、Kingston TechnologyのThunderbolt認定PCIe 4.0 NVMe SSDが搭載されており、1TB、2TB、4TBの構成から選択可能である。

ターゲットとする主な用途は、ビデオプロダクションである。Thunderboltポートを備えたコンピュータと接続し、そこから様々な周辺機器への接続を可能にする。1TBモデルはTime Machineのバックアップ用途にも適しており、4TBモデルは比較的小容量のデスクトップストレージとしても利用できる。

xMac mini(2024+)ラックマウントおよびThunderbolt to PCIeカード拡張システムを展示

新しいApple Mac miniコンピュータ向けのxMac mini(2024+)プロ仕様ラックマウント及びThunderbolt to PCIeカード拡張システムも展示されていた。

xMac mini(2024+)システムは、プロフェッショナルなワークフロー拡張を目的として設計されており、標準的な19インチ機器ラックに収まる2Uラックマウント筐体と、Thunderboltケーブル経由でMac miniコンピュータにPCIeカードを接続するThunderbolt to PCIeカード拡張モジュールで構成される。ラックマウント筐体は1台または2台のMac miniコンピュータを搭載可能である。

PCIeカード拡張オプションとして、2本のThunderboltケーブルを介して2基のカードスロットをコンピュータに接続するEcho II DVモジュール、今後リリース予定のEcho II DVモジュールのThunderbolt 5バージョン(現行モデルと比較して帯域幅が2倍)、および1本のThunderboltケーブルを介して3基のPCIeカードスロットをコンピュータに接続するEcho IIIモジュールが用意されている。

Echo II DVモジュールはデュアルThunderboltインターフェイスを備えており、Mac miniの2基のThunderboltポートに接続することで、各スロットに十分なPCIe帯域幅を提供する。

Echo IIIモジュールは、モジュールの3基のスロット全体にPCIe帯域幅を分配するPCIeブリッジを内蔵している。筐体背面にはSSDを格納できるスペースがあり、例えばSamsung T7のようなSSDを設置することが可能である。

筐体内部には十分なスペースが確保されており、小型ながら発熱しやすいMac miniの冷却効率を高めるための空気循環に配慮した設計となっている。

筐体前面の電源ボタンにより、コンピュータのオンオフ操作が可能である。特にオーディオ関係者は頻繁にコンピュータの再起動を行うことがあるため、この機能は利便性が高いと考えられる。

これにより、Mac miniでPCIeカードの使用が可能となり、例えば音楽制作の現場で依然としてPCIeカードを使用したいというニーズに対応できる。Avid HDX PCIeカードを搭載することも可能であり、2枚搭載可能なモデルでは2枚、3枚搭載可能なモデルでは3枚のHDX PCIeカードを実装できる。

本システムに採用されているモジュールは、Mac Studio向けの拡張モジュールと共通の設計となっている。そのため、例えば本システムに搭載したPCIeカードをMac Studioの拡張エンクロージャに差し替えて使用することも可能である。

Mac Studioを収納できるxMac Studio
xMac Studio背面の様子