
BLEとWi-Fiモジュールで業界を牽引する注目企業
BARROT Technologyは、自動車向けを中心としたBLE(Bluetooth Low Energy)およびWi-Fiモジュールを主力製品とするメーカーだ。Bluetoothチップを自社開発している点が大きな特徴で、モジュール化を自社で行っている。
同社が5月28日から30日まで東京ビックサイトで開催された「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2025」に出展した。今回は、BARROT社のLily氏、そのパートナー企業であるCaliburの下河原取締役社長、王剣鋒代表取締役それぞれにお話を伺った。
Barrot Technology
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――BARROTはどのような無線製品・ソリューションに特化しており、主にどの産業分野をターゲットとしていますか?
Lily氏:
BARROTは、Bluetoothを中心とした近距離無線通信技術に特化したソリューションプロバイダーです。 特にBluetooth ClassicおよびBLEにおけるチップセットとソフトウェアスタックの提供に強みを持ち、幅広い用途に対応した製品ラインナップを展開しています。 主なターゲット分野は、車載(Automotive)、ウェアラブルデバイス、スマートホーム、医療機器、および産業用IoTなどであり、各分野におけるニーズに対応した高性能かつ低消費電力な通信ソリューションを提供しています。
――BARROTはBluetooth SIGのアソシエイトメンバーとして仕様策定にも貢献していますが、研究開発や特許をどのように活用し、Bluetooth技術のイノベーションを牽引しているのでしょうか?また、日本の自動車・IoT市場で成功を収めているプロジェクトについて教えてください。
下河原氏:
BARROTは、Bluetooth SIGのアソシエイトメンバーとして、Bluetoothの最新仕様策定に積極的に参加し、数多くの技術提案や貢献を行ってきました。特に通信安定性の向上や省電力化、マルチデバイス接続の最適化といった分野で多くの特許を保有しており、
これらの技術を製品開発に直接反映しています。
日本市場においては、我々Caliburをはじめとする現地パートナーとの連携を通じて、自動車向けハンズフリーシステムや車載HMI機器とのBluetooth接続、IoTデバイスの通信モジュール化といったプロジェクトに参画し、日本の厳しい品質要求にも対応した製品を提供しています。
――日本の自動車・IoT市場でのプロジェクトやパートナーシップについて教えてください。また、BARROTは 日本の市場におけるローカライズサポートをどのように提供していますか?
王氏:
日本市場においては、我々Caliburをはじめとする技術パートナーと連携し、日本のユーザー向けに通信規格の適合性確認やEMC試験対応、ファームウェアのカスタマイズなど、ローカルニーズに即した支援を行っています。
また、BARROTは日本語対応の技術資料やサンプルコードを整備し、現地での開発支援・トラブルシューティングにも対応可能な体制を整えています。加えて、定期的に開催される展示会や技術セミナーを通じて、日本企業との信頼関係の構築に努めています。
これにより、国内自動車メーカーやIoT機器メーカーとの共同開発が進み、Bluetooth搭載製品の国内市場へのスムーズな展開を実現しています。