
写真は2024年11月20日放送の「テレ東音楽祭スペシャル 1964→2024」画面。画面右下のリアルなスタジオと屋外の仮想背景を合成した
株式会社テレビ東京は、アジア太平洋地域における放送業界の優れた取り組みを表彰する「Asia-Pacific Broadcasting+ Awards 2025」で「バーチャルプロダクション賞」を受賞した。次世代情報通信基盤「IOWN APN※」を活用して、仮想の背景と現実の人物を合成するバーチャルプロダクション(VP)を遠隔で操作し、生放送するという、世界で初めての取り組みが評価された。
※IOWN(Innovative Optical and Wireless Network、アイオン):電気より早い光技術を使い、大容量・低消費電力・低遅延を実現する次世代基盤技術。NTTが次世代通信規格「6G」を支える技術として2030年の実用化を目指し、研究開発している
※APN=オール・フォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network):通信ネットワークの全区間で光伝送技術を使用し、大容量・低消費電力・低遅延を実現する次世代通信サービス

この最新技術を活用した演出は、2025年5月に一般社団法人・映像情報メディア学会から「2024年度技術振興賞 コンテンツ技術賞」を受賞しており、今回はそれに続く受賞となる。
2024年11月20日にテレビ東京系で放送された「テレ東音楽祭スペシャル1964→2024」において、東京・品川区の「天王洲スタジオ」と、バーチャルプロダクション(VP)機材を設置した港区・六本木のテレビ東京本社を、高速・低遅延のIOWN APNで結んだ。これにより、離れた場所からVPの機材を操作して、仮想背景とリアルなアーティストの演奏を合成し、臨場感あふれる映像制作を生放送で実現することに成功した。
地上波の生放送でIOWN APNを活用し、遠隔で機材を操作して、バーチャルプロダクションによる映像を制作したのは世界でも初めてだ。


「Asia-Pacific Broadcasting+ Awards」は1983年に設立され、アジア太平洋地域における放送業界の優れた取り組みを表彰してきた。放送業界の進歩を称えるとともに、プラットフォームを問わず、視聴者に魅力的な体験を提供する先駆的な取り組みを表彰するもの。
テレビ東京は、今後も様々な最先端技術を活用して、オリジナリティあふれるコンテンツ制作に取り組んでいくとしている。

