
TLS(True Lens Services)が、1971年に発売された富士フイルムEBC(Electron Beam Coated)レンズを現代の映画撮影の基準を満たすために、完全リニューアル、再設計したことを発表した。速い開放F値、優れた低照度性能、独特のヴィンテージ・キャラクターで定評のあるこれらのレンズは、TLSのエキスパート・チームによって細心の注意が払われ、現代に蘇ったという。
光学特性の遺産
富士フイルムEBCシリーズは1970年代、自然に浅い被写界深度を実現し、ソフトなコーナーフォールオフと映画のような美しいフレアを生み出すことで高い評価を得たという。かつては人工物と考えられていたこれらの特性は、現在では有機的でヴィンテージな美しさを求める映画製作者に愛されている。その性能の中心には、富士フイルムのマルチコーティング技術があり、当時の多くの光学系よりも効果的に光透過率を高め、フレアを低減した。印象的なことに、このコーティングプロセスの要素は、富士フイルムの現代のレンズ製造にもまだ存在している。
TLSによる精密なリハウジング
アップデートされたEBCシリーズのすべてのレンズは、TLSによって入念に再ハウジングされ、高いシネマ基準を満たすことを保証するとしている。ハウジングは、可変カムシステム上のフローティングエレメントの統合など、業界をリードする機械的精度を特徴としており、すべての焦点距離で一貫した触感を維持しながら最適な光学性能を保つという。この機械的均一性は、撮影現場でのシームレスなピント合わせに不可欠だ。
過去を尊重したデザイン
同レンズは、現代的な使用に向けてアップデートされながらも、その伝統との明確なつながりを維持している。カラーアイリスマークや特徴的なアクセントの色合いなどの視覚的なタッチは、オリジナルの富士フイルムのデザインに敬意を表しながら、今日のプロのワークフローに適したクリーンで洗練された外観を提供しているという。
拡張されたレンジと強化されたパフォーマンス
50mmF1.4EBCをベースに光学系を補強して新たに開発された70mmT2レンズは、オリジナルラインナップの重要なギャップを埋めるものであり、同セットを完璧に補完という。 さらに、シリーズ全体でMOD(最短撮影距離)を向上させ、70mmではわずか18インチという近接撮影を実現し、映像制作者のクリエイティブな可能性が広がる。

