株式会社イヤホンガイド、ヒビノ株式会社、東芝情報システム株式会社の3社は、Bluetoothの最新規格「Auracast」を活用した、歌舞伎・伝統芸能向け次世代解説システムの提供に向け、協業を開始した。
同協業により、言語・年齢・障がいの有無を問わず、より多様な来場者が日本の伝統芸能を快適に楽しめる、新たな観劇体験の創出を目指すという。
協業の背景と目的
株式会社イヤホンガイドは、50年以上にわたり歌舞伎を中心とした伝統芸能の分野で、同時解説「イヤホンガイド」や字幕システムを提供し、観客の理解と感動を支えてきた。
近年は、訪日外国人観光客の増加に伴う多言語対応の重要性に加え、聴覚に配慮した鑑賞環境など、誰もが安心して公演を楽しめるアクセシブルな仕組みへの期待が高まっているという。
こうした社会的ニーズに応えるため、プロフェッショナル音響システム分野で豊富な実績を持つヒビノ、ならびに組込み機器開発に高い技術力を有しBluetoothの先駆け的な存在である東芝情報システムと連携。3社の強みを結集し、Bluetoothの新技術Auracastを中核に据えた、次世代解説システムの開発・展開に取り組むとしている。
Auracastは、1つの音声ソースを複数の対応イヤホンや補聴器へ同時配信できるBluetoothの新規格だ。来場者が自身のデバイスを使用できるため、従来の専用機器レンタルに依存しない、柔軟で拡張性の高い音声提供を可能にする。
新解説システムの主な特長
使い慣れたイヤホンでそのまま聴取
Auracast準拠のため、来場者は自身の対応イヤホン、ヘッドホンを使用して解説を受信できる。
※対応機器を持っていない者には、従来どおりイヤホンガイド専用レシーバーを貸与する。
解説内容・言語を自由に選択
複数チャネルの同時配信により、日本語解説に加え、英語・中国語などの多言語解説や、演出・歴史に特化した別視点のガイドも提供可能だ。利用者一人ひとりが、自身の理解や興味に応じて解説を選べる。
舞台と自然に重なる低遅延設計
低遅延モードを採用することで、舞台上のセリフや動きと解説音声のズレを最小限に抑制。没入感を損なわない、自然な鑑賞体験を実現する。
バリアフリー対応のさらなる進化
Auracast対応補聴器への直接配信により、舞台音声や解説を高音質で提供。聴覚に配慮した観劇環境を強化し、伝統芸能へのアクセス向上に貢献する。
各社の役割と強み
株式会社イヤホンガイド
50年以上にわたり培ってきた運用実績を背景に、解説コンテンツの企画・制作、多言語対応、字幕やアクセシビリティを含む全体設計・運用を担う。
ヒビノ株式会社
コンサート音響をはじめとするプロフェッショナル音響分野のパイオニアとして、Auracast対応機器を含む音響ハードウェアの選定・設計から、システム全体の構築・最適化を担当する。
東芝情報システム株式会社
Bluetoothのプロモータ企業である東芝グループの一員として、長年Bluetooth開発に携わってきた高い技術力を活かし、次世代解説システムのソフトウェア面を支援。Auracast対応イヤホン・補聴器を制御する専用アシスタントアプリを提供予定だ。
3社は今後も緊密な連携のもと、最先端技術と伝統文化の融合を推進し、日本の伝統芸能の魅力を国内外へ広げる新しい観客体験の創出に貢献していくとしている。