
Blackmagic Designによると、アルゼンチンのアーティストであるPALIの最新ミュージックビデオ「Nena」がBlackmagic Cinema Camera 6Kデジタルフィルムカメラを使用して、Blackmagic RAWで撮影されたという。フアン・パブロ・コペロ氏がディレクターを務めた同作は、暗く不気味な雰囲気の映像と遊び心のある明るいトーンを組み合わせることで、吸血鬼を題材としたユニークなルックを構築し、記憶に残るホラーポップビデオとなっている。
コペロ氏は、次のようにコメントしている。
コペロ氏:Blackmagic Designの製品は、Pocket Cinema Camera 6KからDaVinci Resolve Studioまで、様々な作品で何年も使用しています。そういったことから、本作の撮影が決まった際は、新しく買ったCinema Camera 6Kを使用できることを本当に嬉しく思いました。
Blackmagic Designの製品では、常に柔軟性が高く、簡素なワークフローを使用できるので、物語を伝えることに集中できます。

同作のストーリーは、恋に落ちた吸血鬼が失った恋人を蘇らせようと試みるが、結局、恋人自身がその力を持っていることに気づくというものだ。同作は、不気味で怪奇的な雰囲気を漂わせる1800年代の邸宅で12時間以上かけて撮影された。撮影スタッフは日没の数分前に現場に到着し、まるで太陽光を避ける吸血鬼かのように翌朝の明け方に撮影を終えたという。
コペロ氏:撮影では、リグが軽量だったので機敏に作業でき、監督しながら撮影に集中できました。
本作はBLAZAR REMUSのアナモルフィックレンズを使用してオープンゲートで撮影したので、Cinema Camera 6Kのフルフレームセンサーをフルに活用し、フレームを切り取ることなく、思い通りの映像を撮影できました。極めてシャープで、自然で、高品質の画質が得られました。
あるシーンでは、美しいステンドグラスの窓に赤いバックライトを当て、豪華なアンティークの巨大な鏡にキャンドルの反射をぼかして映し出しました。PALIの照明にはソフトな青の主光線を使用し、美術監督が懐中電灯をレンズに向けて、典型的なアナモフィックフレアの効果を生み出しました。このシーンは私のお気に入りです。子供の頃から撮りたいとずっと望んでいた、ホラーポップのルックがグレーディング後に得られたからです。

同氏は撮影にBlackmagic RAWを使用することで、ポストプロダクションを効率化した。これは、ミュージックビデオのような時間に制限のあるプロジェクトにおいて非常に重要だ。編集とグレーディングをDaVinci Resolve Studioで行ったことで、同氏はワークフローをさらに簡素化できたという。
コペロ氏:本作全体のカット割とグレーディングすべてをResolveで行いました。必要なツールがすべて1つのプラットフォームに揃っているので、とても便利です。希望していた最終的なルックを実現するために、DaVinci Resolveのフィルムルック・クリエイターを使用して、「ロチェスター」に「ブリーチバイパス」のエフェクトを適用して、ホラーポップのルックを強調しました。
Blackmagic Designのツールはユーザーを考えて作られているので、制作を通して、クリエイティビティと技術的専門知識を存分に発揮できました。業界標準の画質を手頃な価格のカメラで利用できることは、映像作家たちにインスピレーションを与えてくれます。Cinema Camera 6Kを使用して、次のプロジェクトを撮影することを楽しみにしています。


