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キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下:キヤノン MJ)は、写真・映像作家 発掘オーディション「GRAPHGATE」の第2回グランプリ受賞者1名と優秀賞の受賞者4名の計5名による個展「GRAPHGATE企画展」をキヤノンギャラリー3カ所にて、2025年8月19日(火)より順次開催する。

キヤノンMJは、熱意ある新しい才能を見いだし応援するための新たな枠組みとして、2023年より、写真・映像作家発掘オーディション「GRAPHGATE」を開始した。2024年に開催した第2回では、グランプリ1名、優秀賞4名を選出し、5名には副賞の一つとして個展開催の機会を提供した。

キヤノンギャラリー S(東京・品川)では、グランプリを受賞した山口えり花氏の作品展を、キヤノンギャラリー銀座・大阪では優秀賞を受賞した長谷川尚子氏、篠田岬輝氏、遠藤励氏、玉昇沅氏の個展を開催する。

5名は、第2回GRAPHGATE終了後、さらにテーマを追及して新たな作品制作に取り組み、発表に向けて準備しているという。同企画展は、5名の受賞者がGRAPHGATEで語ってきた、これまで何を思いどのような創作活動を行ってきたのか、これから何を目的に何を表現していきたいか、その想いを表現する一つの通過点となるとしている。

キヤノンMJは選出された作家の活動を継続的に支援していくとともに、「GRAPHGATE」を通じて写真・映像文化の発展に貢献していく方針だ。

会期・会場

作家 会期
キヤノンギャラリー S キヤノンギャラリー銀座 キヤノンギャラリー大阪
グランプリ 山口えり花 11月14日(金)
~12月16日(火)
優秀賞 長谷川尚子 8月19日(火)
~8月23日(土)
9月30日(火)
~10月4日(土)
篠田岬輝 8月26日(火)
~8月30日(土)
10月7日(火)
~10月11日(土)
遠藤励 9月30日(火)
~10月4日(土)
11月11日(火)
~11月15日(火)
玉昇沅 10月7日(火)
~10月11日(土)
11月18日(火)
~11月22日(火)

各ギャラリーの概要

キヤノンギャラリー S (品川) キヤノンギャラリー銀座 キヤノンギャラリー大阪
開館時間 10:00~17:30 10:30~18:30 10:00~18:00
休館日 日曜日・祝日 日曜日・月曜日・祝日 日曜日・月曜日・祝日
住所・アクセス 東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 1F
JR品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
東京都中央区銀座3-9-7
都営地下鉄東銀座駅より徒歩2分、東京メトロ銀座駅より徒歩3分
大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト1
地下鉄肥後橋駅・渡辺橋駅直結、淀屋橋駅より徒歩5分、JR北新地駅より 徒歩8分、
JR大阪駅より徒歩11分
入場料 無料 無料 無料

各企画展作家情報

山口えり花 | Erika Yamaguchi】

  • 会期:11月14日(金)~12月16日(火)(キヤノンギャラリー S)
  • タイトル:「狂喜的ラブリー」
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現実世界の皆さーん。
楽しいか、現実は?
ワクワクするか、歳をとるのは?
興奮するか、義務や責任を果たすのは?
正義は必ず勝つか?
夢を抱いてしまっても笑えるか?
…楽しいよ、現実は。
怖いことばかりだけど、
愛しいよ、人生は。
狂おしくも喜ばしい、
人生という歪んだ喜劇へ
お越しあれ♡♡♡

山口えり花

映像監督。CMやMVを中心に活動。
GRAPHGATEグランプリ以外にも、Young Cannes Lions日本選シルバー、JAC AWARDメダリスト、BOVAなど受賞多数。
オーストラリア出身。自称年齢不詳だが、そこそこ若め。元電通クリエーティブキューブ、現在Village inc.に所属。
可愛くカラフルな世界観や、ひと癖ある作品を得意とする。映像やライブの振付師としても活動中。
Instagram:@erika_yamaguchi_/X:@236_erikaa

長谷川尚子 | Naoko Hasegawa

  • 会期:8月19日(火)~8月23日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、9月30日(火)~10月4日(土)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「UNCERTAINTY / ゆらぎのあわいに」
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舞台や映画を通して「空間も時間も存在しない」という理論に出会い、今までそれらを絶対的なものとして認識してきた自分の脳が信じられなくなった。物理学者カルロ・ロヴェッリは、存在するのは空間や時間ではなく「出来事」と「関係性」だけであると論じているが、未熟な自分の頭ではどうしても理解しきれない。目の前の花も私自身も、生命現象としての流れがあり、この世界の空間と時間の流れの中で確かに生きていると、私は私の脳によって認識し、見せられている。
静止画でも動画でもなく、各写真の関係性を主題とした映像手法「写真映像」により、人間の目で見ることのできない世界に思いを馳せ、静かに見つめた。
第2回GRAPHGATE応募作品「UNCERTAINTY」に加え、祖母・母・私自身を写した新作「ゆらぎのあわいに」の対となる両作品を大スクリーンで上映する。

長谷川尚子

1988年 新潟県新発田市生まれ。宮城大学事業構想学部デザイン情報学科卒業。現在130年以上続く吉原写真館に所属。
祖父の二眼レフカメラを愛用しながら写真作品の発表をする他、2024年 福島麗秋 + 福島諭「Inter-Others」LPレコードのティザー映像の制作をきっかけに、写真のみを素材とした「写真映像」の表現を始める。
2024年 キヤノンGRAPHGATE 優秀賞受賞。
Instagram:@naoko.photograph

篠田岬輝 | Koki Shinoda

  • 会期:8月26日(火)~8月30日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、10月7日(火)~10月11日(土)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「Portraits of 3/4 ounce」
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自然と向き合って撮影していると、動物も人と同様に、個性と意志を持った"存在"であるということに気づく。

そこで私は、彼らの肖像写真を撮影した。彼らの命と魂が、たしかにそこにあった証明として。

被写体の大半は、すでに亡くなっているだろう。これは、いわば彼らの遺影だ。

作品にするにあたって、私は彼らの"存在"を、もう一度体感したいと思った。

人は死ぬと3/4オンス(21グラム)軽くなるという実験結果がある。すなわち、それが人間の魂の重さであると。動物もきっと同じだろう。

私は、3/4オンス(21グラム)の重さに彼らの肖像写真を印刷することで、彼らの魂を実体化し、もう一度感じられるのではないかと考えた。そして、それは単なるイメージを超えた"存在"になるのではないか、と。

3/4オンス(21グラム)の肖像と相対したとき、私はそれが儚く軽いと感じるか、重みを感じるか。

そして、あなたは何を感じるか。

篠田岬輝

1990年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、米国会計系コンサルティング会社に就職。
アフリカで目の当たりにした自然の雄大さに魅せられ、写真家の道を目指して独立。
2019年、数年にわたって1つのライオンの家族を追いかけて撮影した作品をまとめた初個展「Pride of Lions ライオン家族」を開催。
現在もアフリカ、アジア、北極圏・南極圏など、世界各地で自然の美しさと向き合いながら、撮影を行っている。
国際写真賞 The Prix de la Photographie, Parisで金賞を受賞。2024年、第2回CANON GRAPHGATE優秀賞。
HP:https://kokis.jp/
Instagram:@kokishnd/X:@kokishnd

遠藤励 | Tsutomu Endo

  • 会期:9月30日(火)~10月4日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、11月11日(火)~11月15日(火)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「SHAKE-UP THE OLD FUTURE スノーボードフォトグラフィーの進行形・集団的共有の跡に残るもの」
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現在では北極圏への遠征を重ね、原始的な民族との交流を続けている私の原点はスノーボードコミュニティにある。そして、今でも厳冬期の雪山に仲間と分け入る感動はなにものにも変えがたい。これはスノーボードフォトグラフィーの文脈における実験的な試みだ。スポーツ写真と一線を画すスノーボード界特有の写真表現において、その集団的創造と前進の片隅に忘れ去られた過去の撮影フィルムを作品として再構築する。1990年代からシーンに携わり、マーケットのバブルや潮流を目の当たりにしてきた私の創作は、自身の撮影だけに固執せず、倒産したスノーボードメディアの倉庫で廃棄処分を待っていた90年代から2000年代初頭の膨大な撮影フィルムから制作する。自ら救済と10年以上の保管を行なったそのフィルム群は、スノーボード成長期の記録であり、創作は時代の移り変わりの中で価値観が変化し続ける「写真」との対話である。本作品展では過去を再構築し、未来の起源を探る。

遠藤励

長野県大町市生まれ・在住。
スノーボードの黎明期を目撃し、90年代後期から身近な存在だったスノーボーダーを撮り始め活動開始。現在まで国内および北米・欧州のボードカルチャーの専門誌やメディアに作品を提供。また、雪にまつわる作品表現にも傾倒し、「snow meditation」や「水の記憶」など雪や氷河の作品シリーズを発表。2018年より北極圏への遠征を重ね、そこに暮らす先住民の生活を追体験しながら、原始的民俗の変遷を記録し、現地で急速に進行する自然資源開発や気候変動が及ぼす影響を考えながら作品化に取り組んでいる。2024年日本写真協会新人賞、第7回笹本恒子写真賞受賞。
HP:http://www.tsutomuendo.com/
Instagram:@inner_focus_photography / @polarexposure2025

玉昇沅 | Sung Won Ok

  • 会期:10月7日(火)~10月11日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、11月8日(火)~11月22日(火)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「LIFE TODAY (非)日常の日々―。」
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「日常」とは何か。そして「非日常」とは何か。
私たちは、その境界をどこに引いているのだろうか。
同じ道を歩いても、光の角度が変われば景色は変わり、
同じ街の喧騒も、心の在り方一つで違った響きを持つ。
ありふれた日々の一部に潜む特別な非日常。
それもまた、私たちの「日々」の一部なのだ。
滲む光、窓に映る空、振り返った街角の静けさ。
それらは、誰の記憶にも残らずに過ぎていく風景かもしれない。
けれど、その"何でもない"ものの中にある"何か"を留めたくて、
私はシャッターを切っている。
こうした"何でもない"と思える風景に、
私はふと立ち止まりたくなる瞬間がある。
それは日常に紛れ込んだ非日常かもしれないし、
非日常に見える、誰かの日常かもしれない。
曖昧な輪郭を持つ時間こそが、私が見つめてきた「(非)日常の日々」だ。
誰かにとっては通り過ぎるだけの日常でも、
私にとっては"今日だけの非日常"として立ち上がる。
それを私は「LIFE TODAY」と呼びたいのだ。

玉昇沅

韓国生まれ。日本とカナダで育ち、現在は東京を拠点に活動している。
大学入学を機に写真を撮りはじめ、留学をきっかけに本格的に作品制作を開始。
母国でない国で育った自身のルーツから、常に「どこにも属していない」という感覚を抱えてきた。その「宙ぶらりんな感覚」を軸に、日常のなかに潜む一瞬の孤独を写し取ることを試みている。
Instagram:@okx_sungwon