
小米技術日本株式会社は、オンライン専売モデルである独立ブランド「POCO」のフラッグシップクラスFシリーズから「POCO F7」を2025年7月8日より発売する。市場推定価格は12GB+256GBモデルが税込54,980円、12GB+512GBモデルが税込64,980円である。また、7月8日から7月14日までを対象とした早割価格は、それぞれ税込48,980円、58,980円となる。
求めやすい価格でハイスペックを実現
同社は2025年2月の「POCO X7 Pro」発表時にPOCOの本格展開を表明し、「POCO X7 Pro」「POCO F7 Ultra」「POCO M7 Pro」の計4モデルを市場に投入した。今回のPOCO F7の発表をもって、同社が構想するPOCOのラインアップはいったん完成する。
これまでに発売されたモデルを整理すると、フラッグシップのF7 Ultra、準フラッグシップのF7 Pro、コストパフォーマンスに優れたX7 Pro、そしてエントリーモデルのM7 Proがある。

POCO F7は、POCOブランドにおいてハイスペックでありながら求めやすい価格を実現し、その特徴的なデザインは多くのユーザーから評価されている。日本国内でPOCO F7 ProとX7 Proが発売された結果、無印のPOCO F7に対する顧客からの強い要望があり、今回の発売が決定した。

ケースなしで使ってほしい。開発チームが込めたデザインへのこだわり
今回の発表において特に強調されるのはデザインである。日本国内の消費者の多くはスマートフォンの保護や個性表現のためケースを装着して使用することが多い。
しかし、POCOシリーズは、アイコンとしてのブランドを目指すアイデンティティの中で、フラッグシップカラーのデザインに特に注力している。そのため、POCO F7、特にフラッグシップカラーに関しては、ケースを装着せずに使用してほしいというのが開発側の願いである。

フラッグシップカラーは「サイバーシルバーエディション」である。これまでのフラッグシップカラーと同様、今回も非常にエッジの効いたデザインが採用された。例えば、2025年2月に発表されたPOCO X7 Proは、イエローとブラックのツートンカラーでその個性を際立たせていた。今回のPOCO F7も同様にデザイン性が高く、万人受けするとは限らないものの、特定の層には非常に魅力的に映る、個性的なデザインに仕上がっている。

POCO F7は、ガラス面だけでなく側面部分にいたるまで細部にこだわり抜いたデザインが施されている。背面パネルにはガラス素材を使用することで、デザイン性の高さに加え高級感を付与した。

また、高級感と堅牢性の両立を目指し、サイド部分にはアルミニウム素材を採用している。これにより、デザインと堅牢性の双方を高次元で達成している。

6.83インチ大画面とIP68で没入感と安心を両立
ディスプレイに関しても特筆すべき点がある。ベゼル幅は1.9mmと極めて狭く、これはPOCO F7 Ultraと同等の狭額縁デザインであり、高い没入感を実現している。

ディスプレイ全体のサイズは6.83インチで、POCO Fシリーズ史上最大のサイズを実現している。この大画面により、動画視聴やゲームにおいて非常に没入感のある体験を提供する。
外観のデザイン性だけでなく、内部設計においても高い品質を追求している。現在ではミッドレンジ以上のスマートフォンに広く搭載されている機能だが、POCO F7はIP68の防塵防水設計を採用しており、多様な環境下での使用が可能である。

日本初搭載「Snapdragon 8s Gen 4」で史上最高AnTuTuスコアを達成
パフォーマンスに関してSOC(System On Chip)を紹介しよう。Xiaomiは2018年より、Snapdragonと密接な協力関係を築いてきた。これまでの歴史において、常に最新鋭のチップセットが提供されてきたことで、POCO製品はコストに対して高い性能を発揮している。
最近発表されたPOCO F7シリーズの上位モデルには、「Snapdragon 8 Elite」や「Snapdragon 8 Gen 3」といった、発表当時の最新チップセットが導入されている。
今回のPOCO F7には、「Snapdragon 8s Gen 4」が搭載された。これは現時点では日本市場初登場となるため、発売後には日本の消費者が国内で販売されているスマートフォンとしては、このチップセットを最も早く手に取ることができる。

Snapdragonとの高度な連携により、POCO F7はPOCOのために最適化された最上級のパフォーマンスを提供する。その結果、POCO Fシリーズのベースモデル(無印のFモデル)としては過去最高の208万点以上というAnTuTuスコアを記録した。このスコアは、前モデルであるF6と比較して約40%の向上を示している。これにより、ゲームや動画視聴を好むユーザーは、非常に快適な操作性を体験できると予想される。

6500mAhバッテリー搭載で充電の悩みを解消。90W急速充電とリバース充電で「もしも」に対応
バッテリーと充電に関して、モバイルデバイスのユーザーにとって充電切れは共通の悩みである。電力が供給されない状況下では、バッテリーはいずれ枯渇する。各社はハイエンドモデルを中心にバッテリーの大容量化を進めており、これは現在のトレンドの一つである。しかしPOCO開発チームは、それではまだ不十分であるとの認識から、POCO F7にはPOCO史上最大となる6500mAhのバッテリーを搭載した。

バッテリー容量が大きければ良いというわけではなく、電力効率も重要である。POCO F7は、搭載されているチップセットを含め、消費電力と省電力効率を巧みに利用することで、長時間の動画視聴やゲームプレイを可能にしている。
充電速度もPOCOの重要な要素の一つである。POCO F7は、90Wのハイパーチャージに対応しており、約30分でバッテリーを約80%まで回復させることが可能である。大容量バッテリーを搭載しながらも、急な充電切れの際にも迅速に回復できる点は、POCOブランド全体の大きな強みと言える。

これほど大容量のバッテリーを搭載したからには、単にデバイスをフル活用するだけではもったいないとの考えから、新たな機能として22.5Wのリバース充電性能が追加された。有線でのリバース充電自体は珍しい機能ではないが、22.5Wという出力は、他のスマートフォン、例えばiPhoneと比較しても非常にスピーディーな充電をリバースチャージで実現できる点で、大きなセールスポイントになると考えられる。

例えば、POCO F7 Proを所有するユーザーがiPhone 16を持つ友人と外出中に、友人が充電を忘れていた場合でも、POCO F7から有線充電を行うことで、28分で約47%の充電が可能である。これにより、自身のデバイスだけでなく、友人や家族の充電に関する問題を解決できる可能性がある。
高画質カメラとAI補正で写真表現の幅を広げる
スマートフォン操作におけるその他の体験に関しては、アウトカメラは5000万画素のソニー製IMX822センサーを搭載している。これにより、ハイエンドモデルと比較しても遜色ない高精細な写真を撮影できる。特に光量の少ない環境でも鮮やかな一枚を撮影する性能を持つ。

超広角カメラは、広い風景をダイナミックに捉えることが可能であり、この2つのカメラレンズを駆使して撮影を楽しむことができる。

POCOシリーズにこれまでも搭載されていた機能として、静止画だけでなく、シャッターボタンを押した瞬間の映像を動画として記録する「ダイナミックショット」機能がある。撮影された映像はGIF画像またはMP4動画として保存できるため、様々な形で思い出を残すことが可能である。
また、POCOシリーズ全体に広く搭載されているPOCO AISPという画像処理技術により、光量が少ない環境でもボケの少ない鮮明な写真を撮影できる点が特徴である。

近年、AIを活用した様々な画像処理技術が登場しているが、POCO F7も同様に多様なAI処理に対応している。例えば、画面の反射除去機能が搭載されており、ガラス越しに撮影した際に発生する不要な反射を取り除くことが可能だ。ガラス越しの撮影が芸術的な効果を生む場合もあるため、状況に応じてこの機能を利用できる。
スペックが大幅に進化した、コストパフォーマンスに優れた一台

POCO F7は、個性的なサイバーシルバーエディションのデザインが際立っており、POCOを好むテクノロジーユーザーに特に推奨できる。その魅力は外観にとどまらない。Snapdragon 8s Gen 4を搭載した高いソフトウェア性能、POCO Fシリーズ史上最大となるディスプレイサイズ、そして大容量バッテリーも、POCO F7の主要な特長である。

