「ダイヤモンドの再開」ReelShort
Blackmagic Designによると、テレビドラマや映画の撮影・ポストプロダクションを手がける制作会社「株式会社アップサイド」が、ポストプロダクション業務においてDaVinci Resolve Studioを活用しているという。同社では、オフライン編集やオンライン編集まで幅広くDaVinci Resolve Studioを使用している。
アップサイドは、テレビドラマや映画作品の撮影・編集に携わる技術者が多く所属する制作会社。撮影ではシーズン23まで続く「相棒」シリーズ、ポストプロダクションではシーズン7まで制作されている「家政夫のミタゾノ」などの人気ドラマ作品も同社が手掛けている。同社では、2012年にDaVinci Resolve StudioとDaVinci Resolve Advanced Panelを導入し、主にグレーディング用途で使用していたが、近年は編集作業にも活用の幅を広げている。
同社エディターの古俣裕之氏は、次のようにコメントしている。
古俣氏:DaVinci Resolveは私自身も編集時のカラーコレクションで使うこともあって、馴染みがありました。ある番組のオフライン編集で、車窓からの撮影素材がたくさんあり、使い所を探すときにDaVinci Resolveを使ってみたんです。素材を一本化してサーチできるソーステープ・モードは、すごく使いやすかったです。Fast Reviewボタンで、尺の長いクリップは速く、短いクリップはゆっくり再生されるところも便利でしたね。
また、それまで使っていた編集ソフトウェアのキーボードショートカットをDaVinci Resolveでも使えるようカスタマイズできるので、これなら移行できるのでは、と感じて本格的に使い始めました。

アップサイドでは複数の編集アプリケーションが導入されており、各エディターが使いたいツールを使えるようになっている。古俣氏はオフライン・オンライン両方の編集業務でDaVinci Resolveを活用している。
古俣氏:別のアプリケーションを使うスタッフも、肌修正やスタビライザーが必要な時はDaVinci Resolveを使うケースが増えています。フェイス修正やMagic Maskが搭載されたことで、ビューティワークが格段に効率化されました。
また、オフライン編集時に解像度を気にせず拡大してしまったショットがあるときは、スーパースケールを使って画質を保ったまま再調整できるので、重宝しています。
また、古俣氏はDaVinci Resolveの柔軟性についても高く評価している。
古俣氏:オフライン編集時に、本来はオンラインで行うような作業も済ませてしまうこともよくあります。刑事物の2時間ドラマでは、曇り空を晴天にするスカイリプレイスメントやバレ消し、車を運転するシーンの車窓部分を合成処理しました。デルタキーの抜けの良さにびっくりしました。また、オーディオトラックが多すぎてタイムラインが煩雑になっても、オーディオを2チャンネルに固定して編集できるので、すごく助かります。

また、最近は縦型ショートドラマや、ドラマ作品のPR用縦型動画の制作も増えており、DaVinci Resolveの利便性がさらに活かされているという。
古俣氏:ボタンひとつでタイムラインの解像度を縦型にできるので便利ですね。DaVinci Resolve 20になって縦動画専用のUIも搭載されたのでさらに便利です。
弊社はグレーディングにもDaVinci Resolveを使っているので、オフライン編集が終わってDRTファイルを渡せば、グレーディングチームも煩雑なコンフォーム作業から解放されます。コンフォーム作業にはトラブルがつきものなので、それを避けられるという点でも大きなメリットですね。
