富士フイルム株式会社は、レンズ一体型遠望カメラ「SXシリーズ」の新たなラインアップとして、光学32倍ズームと小型・軽量ボディを両立した新モデルを開発した。同モデルは、2026年初旬に発売予定。
SXシリーズの最新望遠カメラは、1/1.8型の有効イメージサイズに対応し、広角12.5mmから望遠400mmの幅広い焦点距離をカバーしつつ、全長約300mm、重量約3.9kgと小型軽量ボディを実現した。
シリーズで最も明るいF2.8のレンズを搭載し、夜間でも鮮明に対象をとらえることができるという。国境や港湾の監視やインフラ設備の点検など、従来の据え付け型の運用以外にも、近年ニーズが高まる車両や船舶などに搭載した運用や、ライブイベントや建設現場などに持ち運び、臨時で設置する監視カメラとしての運用など幅広い用途に柔軟に対応する。
同社は、2025年9月9日~9月12日にイギリスのロンドンで開催される防衛・セキュリティ分野における世界最大級の展示会「DSEI UK」にて新モデルを参考展示する。
遠望カメラは、国境、森林、空港、港湾、高速道路などの遠方を監視する用途で幅広く活用されている。また、社会インフラの老朽化やそれに伴う点検業務の人手不足を背景に、遠隔点検への活用も進んでいる。
同社は、長年培ってきた光学技術と画像処理技術を結集し、レンズ一体型遠望カメラSXシリーズを2019年より発売している。現在、焦点距離20mm~800mmをカバーする光学40倍ズームが可能な「FUJIFILM SX800」と、広角40mm~1600mmをカバーする「FUJIFILM SX1600」を発売し、ラインアップを拡充している。SXシリーズは、高速高精度のAFと防振システムにより数km離れた対象物でも鮮明な映像で瞬時にとらえられると好評を得ているという。
今回新たに開発したモデルは、同社がこれまでに培った4K/8K対応放送用レンズやシネマカメラ用レンズの光学技術を活用し、SXシリーズで最も明るい新開発のF2.8レンズを搭載する。
夜間など暗い環境下でもノイズの少ないクリアな映像で対象をとらえることができる。またレンズとカメラを一体開発することでサイズの最適化を図り、広角12.5mmから望遠400mmまでをカバーする光学32倍ズームと、全長約300mm、重量約3.9kgという軽量コンパクトボディを両立した。従来の据え付け型の運用に限らず、近年ニーズが高まる船舶や車両などに搭載した運用や、イベント会場や災害・事件現場の監視など、カメラを据え付けられない場所に持ち運び柔軟な運用を可能にする。
同社は、4K/8K対応の放送用レンズやシネマカメラ用レンズなど幅広いレンズ製品の開発で培った独自の光学技術と、デジタルカメラ「GFXシリーズ」「Xシリーズ」で採用している最先端の画像処理技術を駆使し、今後もお客さまや市場のニーズにこたえる画期的な製品の開発に取り組んでいくとしている。
SXシリーズ新モデル主な特長
光学32倍ズームと全長約300mm、重量約3.9kgの小型軽量性を両立
レンズとカメラを一体開発することで、広角12.5mmから望遠400mm(水平画角31.8°から1.0°)までの幅広い焦点距離をカバーする光学32倍ズームレンズを搭載しつつ、全長約300mm、重量約3.9kgの小型軽量ボディを実現。据え付け型の運用だけでなく、小型軽量のボディを生かし、車両や船舶などに搭載した運用や、可搬型の監視・点検システムの構築に活用可能である。
SXシリーズで最も明るいレンズを新開発し、夜間でもノイズの少ないクリアな映像を提供
新開発した開放F値2.8のズームレンズを搭載。独自の光学設計で、焦点距離12.5mmから200mmまで開放F2.8の明るさを保つことができる。夜間など、暗い場所であっても、ノイズの少ないクリアな映像を提供する。
映像のブレを抑える独自開発の防振システムを採用
光学式防振機能(OIS)と電子式防振機能(EIS)の協調制御を可能とした富士フイルム独自の防振システムを採用することで、より微細な振動を瞬時にとらえ、遠望撮影でも、足場の揺れや風による映像のブレを抑え安定した映像撮影を実現する。
対象物を瞬時に正確に捉える最短約0.1秒の高速・高精度AF
後群の小径レンズを高速で駆動させる「リアフォーカス方式」を採用することで、フォーカス群を大幅に軽量化。さらにCMOSセンサーの位相差画素が入射光のズレに応じて被写体までの距離を測定し素早くピントを合わせる「像面位相差AF」と、画像のコントラストを検出し高精度にピント合わせを行う「コントラストAF」を組み合わせることで、最短約0.1秒の高速・高精度なAFを実現する。
陽炎・霞軽減機能を搭載し、より鮮明な映像を提供
優れた陽炎・霞軽減機能を標準搭載。空気中の水滴や塵などにより靄が掛かったような映像や空気中の温度差で発生する被写体の「揺らぎ」を、独自の画像処理技術によって低減。視認性を低下させる霧・靄発生時でもクリアに撮影できる。