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Blackmagic Designの発表によると、RKB毎日放送株式会社が20ライセンスのDaVinci Resolve Studioを導入し、番組編集に活用しているという。豊富なAI機能により、日々の編集作業を効率化している。

RKB毎日放送は福岡県を中心にテレビ・ラジオ局で、情報番組やバラエティ、ドキュメンタリー、スポーツ中継など様々なコンテンツを制作・放送している。同局では、早くからグレーディング用途でDaVinci Resolve Studioを採用し、バージョンアップに伴い、編集にも本格的に活用するようになった。

編集マンの株式会社RKB CINC制作本部映像部 上戸穂高氏は次のようにコメントしている。

上戸氏:DaVinci Resolve自体はバージョン12.5から導入し、主に4K番組でDaVinci Resolve Mini Panelを使用してグレーディングしていました。バージョンアップのたびに編集機能が充実してきたため、徐々に編集部でも使い始めて、昨年からディレクターも含めメインの編集ツールをDaVinci Resolve Studioに切り替えました。

導入された20ライセンスのうち4ライセンスは編集部の4つの編集室に、16ライセンスは制作部で運用。DaVinci Resolve Studio 19への更新時に、在籍している50名のディレクターが使用できるよう設備を整備し、情報番組やドキュメンタリーを中心に、数々の番組でDaVinci Resolve Studioを使用して編集・フィニッシングを行なっている。

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Blackmagic Designのハードウェアも多数導入されており、機材室にはSmart Videohub 12×12を設置。各編集室にはUltraStudio 4K Extreme、DaVinci Resolve Mini PanelまたはDaVinci Resolve Micro Panel、そしてHyperDeck Studio 4K Pro(4台)が導入されている。

上戸氏:DaVinci Resolveでディレクター陣が特に喜んでいたのが、自動文字起こし機能やMagic Maskを使ったトラッキングです。私自身も他の編集ソフトウェアからDaVinci Resolveに移行して、トラッキング精度や色の調整しやすさを実感しています。たとえば、ドキュメンタリーで映り込んだ選挙ポスターなど、隠す必要があるものを簡単にぼかしたりできるのは非常に助かります。

現在は最新のDaVinci Resolve Studio 20に更新しており、編集効率はさらに向上している。

上戸氏:以前、ストライプの服が原因で、インターレース特有のちらつきが出てしまったため、修正が必要になりました。20カット以上あったので、1日作業かと覚悟しましたが、2時間で終わりました。Magic Mask 2で服を選ぶと人物全体ではなく、服のみをマスクできるんです。トラッキングして、視聴者が気づかない程度に軽くブラーをかけることで、チラつきを抑えることができました。

キーフレームエディターが使いやすくなり、ソーステープモードがエディットページでも使えるようになったことも嬉しいですね。スケジュール上、MAに頼めない番組は、Fairlightページを使って自分で音声編集をすることもあります。また、ディレクターの人たちは、同じソフトウェアをずっと使う傾向が強いので、初めて使うソフトでは、用語や操作感の違いに戸惑うこともあります。最新バージョンではエディットページから移動せずに、ボイスオーバー録音ができ、クイックエクスポートで簡単に書き出すことができて、彼らにも使いやすいと思います。

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同局はまた、毎年野外音楽イベントを開催しており、その模様を編集し、1時間の番組として放送している。今年も多数の有名アーティストが登場し、18台のカメラ素材をマルチカム編集した。

上戸氏:当日雨が降って、レンズが曇ってしまうことがありましたが、そういった映像もカラーページでスピーディに補正できました。ノードの設定を保存してほかのカットに適用することで効率的に作業が進められました。DaVinci Resolveはエディットとカラーページが簡単に行き来できるので、こういった調整もすぐに対応できます。

クリエイティブ分野のAIは、生成AIに注目が集まりがちですが、DaVinci Resolveは私たち放送業界の人間が本当に必要としているものを提供してくれています。バレ消しのような作業にAI機能を活用することで、よりクリエイティブな作業に時間を割けるんです。

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