アドビは、同社初の次世代のクリエイターを対象とした「クリエイターツールキットレポート」と題した調査結果を発表した。このグローバル調査は、コンテンツクリエイターがクリエイティブな生成AIとモバイルツールを制作過程にどう取り入れているか、そしてエージェント型AIを含む次世代AIにどのような期待を寄せているか探るものである。
主な調査結果
実験段階から必須ツールへ〜クリエイティブ生成AIがクリエイターエコノミーを牽引
当初は創造的な実験として始まったものが、今や世界中のクリエイターに広く浸透している。クリエイティブ生成AIは現在、クリエイターの制作ワークフローに深く組み込まれ、アイデアの創出、品質の向上、そして差別化につながる新たなクリエイティブの可能性の広がりを支援している。
- 回答者の76%が、クリエイティブ生成AIが自身のビジネスやフォロワー数の成長を加速させたと報告
- 回答者の81%が、クリエイティブ生成AIなしでは制作できなかったコンテンツの作成に役立っていると回答
- 回答者の85%が、クリエイティブ生成AIによりクリエイターエコノミーに好影響を与えていると確信
現在、回答したクリエイターの86%がクリエイティブ生成AIを積極的に活用している。その範囲はもはや部分的な作業だけではなく、制作過程全体に浸透してきている。
- 主な活用分野は編集・画質向上・強化(55%)、画像・動画などの新規アセット生成(52%)、アイデア創出・ブレインストーミング(48%)
- クリエイターは、1つのツールに依存せず、80%の回答者が過去3か月間に複数のクリエイティブ生成AIを使用したと回答
クリエイターは新たな生成AIツールを積極的に使用しているが、信頼性・透明性は依然として重要な検討事項となっている。
- 69%のクリエイターが、自身のコンテンツが許可なくAIの学習に利用されることを懸念
- クリエイターは、個人的なリサーチ(58%)、ソーシャルメディアのトレンド(57%)、他のクリエイターからの推薦(41%)を通じて、新しいクリエイティブ生成AIツールを積極的に試用
- 導入の主な障壁は、高コスト(38%)、信頼性の低い出力品質(34%)、AIモデルのトレーニング方法に関する不確実性(28%)
クリエイターが求めるスピードとクリエイティブコントロールを両立させるエージェント型AI
積極的に支援・提案し、ユーザーに代わって複数ステップのアクションを実行できるAIツール「エージェント型AI」が登場した。クリエイターは、AIがプロセスを高速化しつつ、クリエイティブコントロールは確実に自分の手にしっかり残したまま、「人間が意思決定に積極的に関与する「Human in the loop(HITL)」体験を求めている。
- 70%のクリエイターが、エージェント型AIの可能性に対して楽観的または期待を寄せている
- 回答者の85%が、自身のクリエイティブスタイルを学習するAIの利用を検討している
- 最も要望の高いエージェント型AIの使用例として、反復作業の自動化(51%)、コンテンツアイデアのブレインストーミング(50%)、コンテンツパフォーマンスの分析(44%)
モバイルデバイスは今や制作スタジオ代わり
モバイルツールはもはや簡易な撮影や編集のためだけのものではない。多くのクリエイターはデバイス一台で制作作業を完結することができる。モバイルデバイスがクリエイターにとって本格的な"制作スタジオ"となっている。
- 72%のクリエイターが、現在頻繁にモバイルでコンテンツを制作していると回答
- モバイルツールの性能が上がり、より直感的に操作できるようになる中、75%のクリエイターが今後1年間でモバイルでのコンテンツ制作量が増加
調査方法
アドビは調査会社Harris Pollと提携し、2025年9月に米国、英国、フランス、ドイツ、韓国、日本、インド、オーストラリアの16,000人以上のコンテンツクリエイターを対象に調査を実施した。
この調査における「クリエイター」とは、SNSプラットフォーム上で視聴者に情報やエンターテインメントを提供したり、彼らと対話したりする目的で月に数回以上デジタルコンテンツを作成・公開する個人と定義した。
調査対象は、クリエイティブ分野でフルタイムで働く商業クリエイターや業界で正式な肩書を持つ人々ではなく、主にZ世代とミレニアル世代を中心とした新興クリエイターおよびセミプロフェッショナルクリエイターに焦点を当てた。