Blackmagic Designによると、撮影監督のジェフリー・ボーゲディング氏が、St. John Knitsの秋季キャンペーン用に高級ファッションのルックを撮影するために、Blackmagic URSA Cine 17K 65デジタルフィルムカメラを使用したという。
同氏は、カリフォルニア州タホ湖の美しい景色を背景に同CMを撮影し、カメラの65mmのRGBWセンサーと16ストップのダイナミックレンジを活用して、ニットウェアと自然の美しさを細部まで捉えた。
同氏は次のようにコメントしている。
ボーゲディング氏:Blackmagic URSA Cine 17K 65を選んだ理由は、独自のセンサー設計と驚異的な17K解像度です。そのおかげで、雄大な山の景色から、St. Johnの有名なディテールに富んだニットの小さなスティッチまですべてを捉えることができました。タホ湖では、準備期間中は雪、みぞれ、雨が降り、撮影日は気温24度の晴天と、あらゆる天候下での作業でしたが、カメラが影響を受けることはありませんでした。特別な方法で扱ったわけでなく、状況に関わらず、問題が生じることなく動作し続けました。
同カメラではセンサーをクロップすることなく17K、12K、8K、4Kで撮影できることから、同氏はこのプロジェクトのために様々な選択肢を検討したが、最終的には17Kで撮影することに決めたという。
ボーゲディング氏:解像度がすべてだとは思いませんが、この場合は現実における問題を解決してくれました。2025年の現在、すべてのフレームは、ホームページのバナー、縦方向のリール動画、TikTok用としても機能する必要があります。通常、2.39:1、16:9、1:1、4:5、9:16をすべて同時にフレーミングすることは不可能ですが、このカメラでは、妥協することなく後でクローズアップできると分かっているので、心配することなく超ワイドなフレーミングで撮影できました。
風景に対して、被写体を小さく配置するというリスクさえ冒しました。これは、ほとんどの顧客が通常パニックに陥ることですが、センサーの性能を知っていたので自分たちの決断に自信を持って作業できました。服が自然に対して小さく感じられるようにしたかったのです。そのスケール感が物語を伝えるからです。
広い画角での撮影は努力していないように聞こえるかもしれませんが解放感がありました。普段よりも広角で壮大な風景を撮影しましたが、カメラのおかげでそれができたと言えます。そのようなクリエイティブ面における自由さは稀です。
しかし、カメラが本当にその威力を発揮したのはポストプロダクションだったという。
ボーゲディング氏:フッテージはシネマライクでありつつ忠実で、スキントーン、布地の質感、そしてフレーム全体が、カメラを箱から出して使い始めた瞬間から驚くほど素晴らしかったです。
グレーディングにほとんど手を加えなかったため、技術的な修正ではなくクリエイティブな面に多くの時間を費やすことができました。カメラには16TBに対応したMedia Moduleが内蔵されているので、ストレージを気にすることなく、文字通り一日中、最も高い解像度で撮影できました。
データ量が膨大であったにも関わらず、再生は驚くほどスムーズだったと同氏は語る。
ボーゲディング氏:4Kのタイムラインを編集したのですが、17KのファイルはMac StudioとMacBook Proの両方のDaVinci Resolve Studioでリアルタイムで再生できました。皮肉なことに、従来の4K対応のミラーレスカメラを所有していますが、そちらの方が編集は遥かに大変でした。それとは完全に逆です。巨大なイメージでありながら、ワークフローは非常に軽いんです。
同作の撮影がURSA Cine 17K 65を使用する初めての機会であったが、カメラの設計とBlackmagic OSは極めて使いやすいと感じたと同氏は語る。
ボーゲディング氏:あらゆるところに触覚ボタンがあり、メニューが意味を成し、第一AC向けの機能がしっかりしているので、すぐさま撮影を開始できました。たいていのカメラではそういったリスクを冒すことはありませんが、このカメラは私を賢く見せてくれました。IMAXとTikTokの両方に適した映像を同時に撮影できるカメラが欲しくない人なんていますか?
突き詰めると、可能だったので17Kで撮影しましたが、正直、12Kや8Kでも素晴らしい映像になったと思います。このような柔軟性は他では考えられません。驚かされたのは解像度ではなく、ダイナミックレンジ、カラーサイエンス、ファイルの柔軟性です。そういった要素が、映像を本当に美しいものにしています。解像度はおまけと言えます。この組み合わせを実現できるカメラは他に思い浮かびません。65mmのセンサーを搭載しているカメラでは、言うまでもないですね。