一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)が主催するカメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+」では、プロの写真家として国際的な活躍を目指す方を対象に「ZOOMS JAPAN2026」フォトコンテストを開催し、昨年11月末で応募を締め切った。応募総数419作品の中から、フランス写真界の第一線で活躍する審査員による厳正な審査により、最終選考作品であるショートリスト5作品を決定した。
なお、グランプリ・準グランプリは2026年2月20日(金)に発表予定である。詳しくはZOOMS JAPAN 2026より確認できる。
ショートリスト選出作品(応募者名:作品のテーマ):※五十音順
- 明森弘和:Still life
- 奥西優子:Unspoken Coexistence —島に溶け合う気配
- 史晨白:赤い花
- 丹野雄二:身土不二
- 濱未亜:日常イズワンダー
総評
LES ZOOMS/ZOOMS JAPAN 審査統括責任者 サイモン・エドワーズ氏による総評は以下の通り。
今年のZOOMS JAPAN(フランス/サロン・ド・ラ・フォト)審査員の目に特に際立って映ったのは、時間、文化的アイデンティティ、個の自立、そして人間と環境との関係といったテーマを中心に据えた、5人の写真家による卓越した作品でした。
明森弘和の作品は、花のライフサイクルに焦点を当て、枯れゆき、消えゆく姿を捉えています。その写真は無常観を喚起し、静物写真という枠を超えて展開する、時間についての詩的な省察を提示しています。
奥西優子の写真は、沖縄における日本文化とアメリカ文化の共存を探求しています。日本とアメリカ双方に由来するハイブリッドな対象物を用いた彼女の静謐なスティルライフは、第二次世界大戦後のアメリカの影響によって生まれた深い文化的融合を浮かび上がらせます。スパム缶と折り鶴といったオブジェクトの並置は、沖縄の変化し続ける文化的アイデンティティについて、鑑賞者に思索を促します。
史晨白のエレガントな作品は、かつて工場を中心に栄えたコミュニティへの郷愁を探求するものです。近代的な都市化のために閉鎖された祖母の住んでいた地区を再訪し、色彩と光に富んだ写真で、かつて活気に満ちていた共同体の名残を捉えています。これらのイメージは静けさを湛えながらも、背後にそびえる現代的な高層ビル群が、時間の不可逆的な流れを示唆しています。
丹野雄二の写真は、スピード感あふれる都市生活とは対照的に、自然との調和の瞬間を映し出しています。彼の繊細な作品は、「身土不二」という思想を反映し、環境とのより深いつながりや内省を促します。そのイメージは、富に対する従来の価値観に疑問を投げかけると同時に、私たちが土地にどのような影響を与え、どのように関わっているのかを問い直します。
濱美亜の作品は、活気あふれる都市空間にユーモアをもたらします。彼女のセルフポートレートでは、都市の風景の中で時に予想外のポジションに身を置く自身の姿が描かれ、そこから彼女の自立心や、個人が周囲の環境に与えうる影響が表現されています。さまざまな役割へと変身することで、濱は都市の中における自身の強い存在感を示しています。
本賞を通じて紹介されたこれらの作品は、現代日本写真に見られる多様な創造的アプローチを観察する新たな機会を私たちに与えてくれました。とりわけ、これらのアーティストの作品においては、アイデンティティと「時間」という概念の重要性が、最も優先されるテーマとなっています。
ショートリスト選出作品は、CP+2026の会場で展示され、グランプリ・準グランプリの受賞作品は2026年10月にパリで開催される写真映像機器ショー「Salon de la Photo(サロン・ドゥ・ラ・フォト)」の会場にも展示し、更に、受賞者を同イベント期間中に現地パリに招待し、フランス写真界関係者と交流する。
ZOOMS JAPAN 2026 概要
CP+は、フランスのフォトコンテスト「LES ZOOMS (主催 Salon de la Photo)」 に賛同し、日本の写真家の世界進出を応援するため、2015年からZOOMS JAPANを開催している。
- 主催:CP+実行委員会
- 後援:文化庁
- 協力:Salon de la Photo
- ZOOMS JAPAN 2026 URL:https://cpplus.jp/zoomsjapan/
LES ZOOMS と Salon de la Photo について
「LES ZOOMS」は、半世紀の歴史を持つフランスの写真映像機器ショー「Salon de la Photo」が、新たな才能を発掘するために毎年行っているフォトコンテストである。各受賞作品は「Salon de la Photo」の会場で展示され、フランス写真界の注目を集めている。
CP+は「Salon de la Photo」と協同して、「LES ZOOMS」の受賞作品をCP+会場で展示し、日仏両国の受賞者の交流を図るなど日仏写真文化交流の促進に努めている。
審査員(順不同)
- Stéphane Brasca(ステファン・ブラスカ):『de l’air』創刊者兼ディレクター
- Cyrielle Gendron(シリエル・ジェンドロン):『PHOTO』編集長
- Thibaut Godet(ティボー・ゴデ):『Réponses Photo』編集長
- Fabrice Laroche(ファブリス・ラロッシュ):『Fisheye』編集長
- Léonor Matet(レオノール・マテ):『Polka』図像学者
- Damien Roué(ダミアン・ルエ):『PHOTOTREND』編集長
- Gérald Vidamment(ジェラルド・ヴィダムマン):ジャーナリスト/作家/写真家/企業家/『Compétence Photo』編集長
「CP+ 2026」イベント概要
- 開催日時:2026年2月26日(木)~3月1日(日)。12:00~18:00(3月1日は17:00まで)
- 開催場所:会場:パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
オンラインイベント:https://www.cpplus.jp/(CP+公式ウェブサイト)
※オンラインは3月31日までアーカイブ配信を行う。 - 入場料:無料(会場イベントは事前登録制、※事前登録は3月1日17時まで)
- 主催:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)
- 後援:経済産業省/観光庁/神奈川県/横浜市/横浜商工会議所/日本貿易振興機構(ジェトロ)
- 特別協力:日本カメラ博物館/日本新聞博物館/横浜美術館
- 協力:公益社団法人応用物理学会/カメラ記者クラブ/東京写真記者協会/一般社団法人電子情報技術産業協会/日本営業写真機材協会/一般社団法人日本オプトメカトロニクス協会/一般財団法人日本カメラ財団/一般社団法人日本光学会/公益社団法人日本広告写真家協会/一般社団法人 日本写真映像用品工業会/公益社団法人日本写真家協会/一般社団法人日本写真学会/協同組合日本写真館協会/公益社団法人日本写真協会/一般社団法人日本写真文化協会/一般社団法人日本電子回路工業会/日本フォトイメージング協会/一般社団法人日本望遠鏡工業会/パシフィコ横浜/公益財団法人横浜市観光協会(五十音順)