アドビは、Adobe Illustratorの新機能「ターンテーブル」を発表した。Adobe Fireflyの生成AIにより、1枚の28ベクターアートを3Dのように回転させ、背面等の多角的ビューを自動生成する。ベクターデータのまま編集でき、アニメーションGIF化も可能。制作効率を高め、表現の可能性を広げる革新的なツールだ。
2024年のAdobe MAXで開催された「Sneaks」において、未来の機能コンセプトとして発表され大きな注目を集めた「Project Turntable」。この技術は、28のベクターアートをまるで3Dのように回転させ、新しい視点を生み出すという、これまでにない体験を提示した。
そのコンセプトが今回、Illustratorの新機能「ターンテーブル」として登場した。「別の角度も見てみたい」「このビジュアルをもう少し違う視点で検討したい」──そんな制作の中で自然に生まれるニーズに、よりスムーズに応えてくれる機能だ。
ターンテーブルは、Adobe Fireflyの生成AI技術を活用し、1枚のアートワークから多角的なビューを生成する機能である。これまで時間をかけて描き分けていた視点違いの表現を、より気軽に試せるようになる。
Adobe Illustratorのアップデートにより、新機能「ターンテーブル」提供開始
ターンテーブルの特長は、単にオブジェクトを回転させるのではなく、「見えていない角度を自然に補完してくれる」点にある。
ひとつの視点から描かれたイラストをもとに、側面や背面といった他の視点を生成し、これまで想像に頼っていた部分を具体的なビジュアルとして確認できる。少し視点を変えてみるだけでも、新しい発見やアイデアにつながることも少なくない。生成されたアートワークはベクターのまま保持されるため、その後の調整や編集もIllustrator上で柔軟に行える。従来の制作フローを大きく変えることなく、自然に取り入れられる。
新しい多角的な視点表現と、アニメーションGIFとしての活用
複数の視点を一度に生成できることで、多角的なデザインバリエーションをスピーディに展開できる。1つのアートワークから異なる角度のビジュアルをまとめて生成できるため、アイデア検討やバリエーション出しを効率よく進めることができる。
これにより、初期のラフ検討から最終アウトプットまでの流れがよりスムーズになり、クリエイティブの幅を広げながら制作時間の短縮にもつながる。「試してみる」ことのハードルが下がることで、より多くの選択肢の中から最適な表現を見つけやすくなる。
さらに、生成された複数のビューを活用し、アニメーションGIFとして書き出すことも可能だ。Illustratorの中で回転するビジュアルや動きのある表現を手軽に作成でき、キャラクターやロゴなどにさりげない動きを加えることで、より印象的なビジュアルに仕上げることができる。静止画に少し動きを加えるだけでも、伝わり方は大きく変わる。そうした表現を気軽に取り入れられる点も、ターンテーブルの魅力のひとつだ。
シンプルな操作で直感的。幅広い制作シーンで活用可能
ターンテーブルは、特別な準備をしなくてもすぐに使い始めることができる。オブジェクトを選択し、機能を適用するだけで複数のビューが生成され、スライダー操作で視点の調整も直感的に行える。制作の流れを止めることなく「ちょっと別の角度を試してみる」といった使い方ができるため、アイデア出しの段階でも活躍する。
また、その活用範囲は幅広く、キャラクターデザインのターンアラウンド制作、プロダクトやパッケージのビジュアル検討、ロゴやアイコンのバリエーション展開など、様々なシーンで役立つ。1つのアートワークから複数のアウトプットを生み出せることで、制作効率と表現の可能性を同時に広げてくれる。
日本のユーザーの声を反映したIllustratorの品質向上
今回のIllustratorのアップデートでは、新機能の搭載に加え、日本のユーザーから寄せられたフィードバックをもとに、様々な改善が行われた。日々の制作で感じていた細かな使い勝手や安定性に関するポイントが見直され、Illustratorをより快適に利用できる環境へと進化している。こうした積み重ねによって、安心して使い続けられるツールとしての価値も高まっている。