Blackmagic Designは、ATEM Constellation IPライブプロダクションスイッチャーのSMPTE-2110に完全ネイティブ対応した新しい2モデルを発表した。

  • ATEM 4 M/E Constellation IP:税込1,388,000円
  • ATEM 4 M/E Constellation IP Plus:税込2,268,000円

これらの新モデルは、既存のSDIベースのATEM Constellationスイッチャーの機能を継承しており、施設内にSMPTE-2110およびSDIベースのスイッチャーが混在する環境でもシームレスな移行が可能となっている。

ハイエンドの放送およびライブプロダクション向けに開発された新しいデザインは、前面から背面への冷却システム、高度な冗長性、全100GビデオポートでのSMPTE-2022-7のサポート、冗長構成のPTPクロック接続、コントロール用の2系統のイーサネットポート、冗長構成のAC電源に対応している。 ATEM 4 M/E Constellation IPは、6月より税込US$7,995〜で世界各地のBlackmagic Design販売店にて発売予定。 本製品は、NAB 2026のBlackmagic Designブース(#N2502)にて展示される。

ハイエンド放送に対応する高度な冷却システムと冗長性

ATEM 4 M/E Constellation IPは、ハイエンドの放送用途を想定し、従来のモデルとは異なる設計がなされている。 前面から背面への冷却システムには、静音性に優れた4つのファンが搭載されている。 すべてのビデオポートにおいて、全接続がSMPTE-2022-7による完全な冗長性を備えており、コントロールポートおよびPTPイーサネットポートも追加の冗長性に対応している。

筐体前面の内蔵LCDには、ATEM Constellationの標準的なステータス情報が表示され、設定メニューへのアクセスも可能だ。 フロントパネルにはヘッドフォン接続およびスピーカーも搭載されており、その場で番組のモニタリングが行える設計となっている。

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32入力・64入力の2モデル展開と強力な機能群

標準の「4 M/Eモデル」は、フォーマット変換に対応した32系統のSMPTE-2022-7入力をサポートしており、4セットのデュアル冗長100Gイーサネット接続で構成されている。 また、24系統のSMPTE-2110出力、16個のATEM Advanced Keyer、4つのマルチビュー、合計12個のDVE用の2つのSuperSourceに対応する。

高機能の「4 M/E Plusモデル」は、フォーマット変換に対応した64系統のSMPTE-2022-7入力をサポートし、8セットのデュアル冗長100Gイーサネット接続で構成されている。 48系統のSMPTE-2022-7出力、16個のATEM Advanced Keyer、4つのマルチビュー、合計12個のDVE用の2つのSuperSourceを搭載している。

100GイーサネットによるSMPTE-2110接続とシームレスな保護

ATEM 4 M/E Constellation IPは、100Gイーサネットを使用した複数のSMPTE-2110接続に対応し、各接続で8つの入力および8つの出力ビデオチャンネルをサポートする。 各100Gイーサネット接続には2つの独立したコネクターが備わっており、SMPTE-2110の冗長性をサポートしているため、各ポートを別々のネットワークスイッチに接続可能だ。

SMPTE-2022-7のシームレス・プロテクション・スイッチングは、2つの同一のビデオおよびオーディオを送信する。 受信側でRTPパケットをシーケンス番号で比較し、最初に受信したパケットからビデオフレームを再構成することで、完全にシームレスな機能を実現している。

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全入力チャンネルにフォーマットコンバーターを搭載

SMPTE-2110ビデオの利点としてネットワーク上のビデオフォーマットの統一が挙げられるが、実際の現場では異なるフォーマットを扱う必要がある。 ATEM 4 M/E Constellation IPは各入力チャンネルに専用のフォーマットコンバーターを搭載しており、すべてのビデオソースがスイッチャーの設定に合わせて自動的に変換される。

本機は720p、1080i、1080p、2160pなど、60pまでの主要なHDおよびUltra HDフォーマットに対応している。 さらに、Blackmagic SDI Expander 8x12Gを接続することで、トークバック、タリー、コントロール信号をSDI機器に送信できる。 これにより、SDIスイッチャーの出力をカメラに戻して、プログラムリターンやカメラコントロールに使用することが可能だ。

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Fairlight Liveによる高度なオーディオミキシングとトークバック

Fairlight Liveは、放送およびライブイベント用に設計されたST 2110ソフトウェアオーディオミキサーである。 USBを介してATEM Constellationスイッチャーにオーディオを送受信でき、ステレオ、サラウンドサウンド、イマーシブオーディオにネイティブ対応している。 サードパーティ製プラグインのサポートやリモートゲインなどの高度な入力コントロールも搭載されている。

ATEM 4 M/E Constellation IPは、オーディオチャンネル15と16を使用したシンプルな内蔵トークバックに対応する。 Fairlight Liveを使用すれば、複数のトークバックバスや詳細なオーディオチャンネル・ルーティングが可能となり、カメラ用、エンジニア用、コメンテーター用など、個別のミックスを含む高度なトークバック機能をソフトウェアから構築できる。

ATEM Monitoring Panelによる操作性の拡張

前面から背面への冷却システムを採用した設計によりフロントパネルの操作スペースは限定的だが、オプションのATEM Monitoring Panelをラックに追加することで、操作性を拡張できる。 これは、標準のATEM Constellation SDIシリーズと同じコントロールを備えたモニタリングコンバーター兼コントロールパネルである。

高品質なボタンを備えたラックマウントデザインで、専用のイーサネットコントロールポートを搭載。 冗長性のある10GイーサネットSMPTE-2022-7を12G-SDIおよびHDMIに変換するコンバーターとしても機能し、ローカルモニターへの接続が可能だ。 また、フロントパネルには5ピンのトークバックインターフェースも搭載されている。

Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のように述べている。

ペティ氏:ATEM Constellationスイッチャーは強力で高度な機能を提供しますが、SMPTE-2110のワークフローを採用している方々もいて、SDIではなくST 2110 IPにネイティブ対応したスイッチャーが必要でした。

10Gイーサネット接続を数多く追加するのではなく、全く新しいデザインが必要であると気づいたのです。前面から背面への冷却システムは静音性に優れており、双方向100Gイーサネットは各ポートで8つのビデオ入力および出力の処理を可能にします。

つまり、SDIスイッチャーでは60本のBNCケーブルを使用するところを、4本のケーブルで対応できます。これは非常に効率的です。このスイッチャーが、大規模な生放送の現場で活躍するのを期待しています。

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