キヤノンは、RFマウント用交換レンズ「RF20-50mm F4 L IS USM PZ」を2026年6月中旬から下旬に発売する。価格は税込213,400円。同レンズは、フルサイズ対応RFレンズとして初めてパワーズーム機構を内蔵したモデルで、EOS R6 Vのキットレンズとしても展開される。

焦点距離 20-50mm
開放Fナンバー F4
最短撮影距離 0.24m
最大撮影倍率 0.14倍(20mm時)、0.33倍(50mm時)
レンズ構成 11群13枚
特殊レンズ GMo非球面レンズ2枚、UDレンズ3枚
フィルターサイズ Φ67mm
絞り羽根枚数 9枚
IS(CIPA2024規格) 中央6.0段/協調制御 中央8.0段、周辺8.0段
フォーカス駆動方式 ナノUSM
長さ 約98.4mm
最大径 約Φ79.9mm
質量 約420g

20mmスタートのF4 L 標準ズーム

焦点距離は20mmから50mmをカバーするF4通しの標準ズームレンズである。20mmスタートとすることで、広角側では遠近感を生かしたダイナミックな映像表現が可能なほか、50mm側では肉眼に近い自然な標準画角にも対応。1本で幅広いシーンをカバーできる構成となっている。

20mm側では背景を大きく取り込んだ映像表現や、遠近感を強調した撮影が可能で、Vlogや風景撮影、移動を伴う動画撮影との相性が高い。一方、50mm側では人物撮影や日常的なスナップにも対応しやすく、レンズ交換頻度を抑えながら幅広い撮影スタイルへ対応する。

本体重量は約420g。鏡筒には前玉が繰り出さない全長固定設計を採用しており、ジンバル使用時でもバランス変化を抑えやすい構造となっている。長時間の手持ち撮影時における負担軽減にも配慮した設計で、小型ボディを生かしてリグや各種撮影機材へ組み込みやすい点も特徴だ。

また、EOS R6 Vだけでなく、他のEOSシリーズやCINEMA EOSシリーズとの組み合わせにも対応し、多様な制作現場での活用を想定したレンズとなっている。

光学性能にも注力しており、RF24-105mm F4 L IS USMと同等以上の高画質性能を目指して設計された。非球面レンズ2枚を採用することで、小型軽量化と画面全域における高い描写性能を両立。さらにUDレンズ3枚を効果的に配置することで、ズーム全域における色収差を補正し、色にじみを抑えたクリアな描写性能に対応する。

コーティングにはASC(Air Sphere Coating)を採用。従来の蒸着膜コーティングと比較して高い反射防止効果を持ち、逆光環境などで発生しやすいフレアやゴーストを低減する。

近接撮影性能も強化されている。最短撮影距離は0.24m、最大撮影倍率は0.33倍(50mm時)に対応。広角20mm側では遠近感を強調した近接撮影が可能となり、背景を大きく取り込んだダイナミックな映像表現を行える。一方、50mm側では自然な遠近感を生かしながら、テーブルフォトや小物撮影などで被写体へ大きく寄った撮影にも対応する。

フルサイズ対応RFレンズ初のパワーズーム内蔵

本レンズ最大の特徴となるのが、フルサイズ対応RFレンズ初となるパワーズーム機構の搭載だ。動画撮影時には、滑らかなズーム操作によって自然な映像演出を行いやすく、素早いズーミングからスローズームまで、撮影意図に応じたズームコントロールに対応する。

ズーム速度は[速い/遅い]の2段階から選択可能で、さらに低速側・高速側それぞれ15段階の細かな速度設定を用意。撮影待機時や静止画撮影時には素早い構図確認を行いやすい[速い]設定、動画記録時には滑らかな映像演出を行いやすい[遅い]設定を使い分けられる。

また、ズームレバーの操作量に応じて速度が変化する2段階ズーム操作にも対応。小さく動かした場合は低速ズーム、大きく操作した場合は高速ズームとなり、撮影シーンに応じた直感的な操作を可能としている。

操作系にも工夫が盛り込まれている。レンズ側面にはズームモード切り替えスイッチを備え、マニュアルズームとパワーズームを切り替えて使用可能。1つのズームリングへ操作を統合することで、静止画撮影時にはダイレクトなマニュアルズーム操作を行いながら、動画撮影時には滑らかな電動ズームを活用するといった使い分けを実現する。

さらに、パワーズーム時にはレンズ側ズームリングに加え、対応カメラ側のズームレバーやカスタムボタンからの操作にも対応。EOS R6 Vなどの対応カメラでは、本体側ズームレバーによるパワーズーム操作も可能となっている。

一方、マニュアルズーム時には焦点距離表示とメカニカルエンドを備えることで、一般的なパワーズーム非搭載ズームレンズに近い操作感を実現。動画用途だけでなく、静止画撮影時の直感的な操作性にも配慮した構成となっている。

動画も静止画も快適な撮影

AF性能では、高性能なナノUSMをズーム用に2基、フォーカス用に1基の計3基搭載。3つの光学ユニット位置を電子制御することで、フォーカス位置を安定して保持しながら、高速かつ高精度なAF追従性能を実現する。

リアフォーカス方式とナノUSM駆動を組み合わせることで、静止画撮影時には高速かつ正確なAF動作に対応。さらに、マイクロプロセッサーによるアクチュエーター制御と、カメラ側AFアルゴリズムとの連携を最適化することで、動画撮影時には駆動音を抑えた滑らかなフォーカス移動を可能としている。

手ブレ補正機能では、レンズ内の光学式ISにより、CIPA2024規格で6.0段の補正効果を実現。暗所や室内などシャッタースピードが低下しやすいシーンでも、手持ち撮影時のブレを抑えた撮影が可能となる。

さらに、ボディ内IS搭載のEOS Rシリーズカメラ装着時には、レンズ側ISとの協調制御に対応。中央8段、周辺8段の手ブレ補正効果を発揮する。加えて、動画電子IS搭載カメラとの組み合わせでは、レンズ内IS、ボディ内IS、動画電子ISの3系統による協調制御も可能となっている。

動画撮影時に問題となりやすいフォーカスブリージングについても、レンズ側で光学的に抑制。ピント移動に伴う画角変化を低減することで、安定した構図による動画撮影を可能としている。

そのため、電子式フォーカスブリージング補正機能を搭載していないカメラボディとの組み合わせでも、自然なフォーカス移動を維持した映像表現を行いやすい仕様となっている。