ソニーは、フルサイズミラーレスカメラ「α7R VI」を発表した。デジタル一眼カメラ(FF Highボディ)に位置づけられるモデルで、市場想定価格は税込74万円前後。受注開始は5月19日(火)10時、発売は6月5日(金)を予定している。




| α7R V(2022) | α7R VI(2026) | |
| 画像処理エンジン | BIONZ XR | BIONZ XR2 |
| AIプロセッシングユニット | ||
| 有効画素数(約) | 61.0MP 裏面照射 | 66.8MP 積層型 |
| 最高ISO感度(拡張時) | 102400(静止画)/32000(動画) | 102400(静止画)/32000(動画) |
| クリエイティブプリセット | クリエイティブルック | クリエイティブルック |
| ボディ内手ブレ補正 ※CIPA規格準拠 | 8.0段 | 中央8.5段、周辺7.0段 |
| OSSレンズとの協調補正 | 協調補正対応 | 協調補正対応 |
| コンポジットRAW撮影 | コンポジットRAW撮影・エクステンデッドRAW処理対応 | |
| ピクセルシフトマルチ撮影 | 4枚・16枚 動き補正対応 | 4枚・16枚 動き補正対応 約2億6580万画素 |
| 測距点数(位相差検出方式) | 最大693点 | 最大759点 |
| AF | リアルタイム認識AF | リアルタイム認識AF+ |
| 認識対象 | 人物/動物/鳥/昆虫/車/列車/飛行機 | オート/人物/動物/鳥/昆虫/車/列車/飛行機 |
| 最高連続撮影速度 | 10fps | メカ:10fps 電子:ブラックアウトフリー30fps プリ撮影対応 |
| 連続撮影可能枚数 | 約184枚 RAW+JPEG | 約60枚 RAW(圧縮 画質優先)+JPEG |
| 動画時の補正機能ほか | ブリージング補正 | ブリージング補正 / デュアルゲイン撮影 |
| 動画記録性能 | 4K 60p / 8K 24p | 4K 120p / 8K 30p |
| 動画RAW出力 | 16bit RAW HDMI出力 | 16bit RAW HDMI出力 |
| Log撮影/HLG/S-Cinetone | S-Log2/3 HLG S-Cinetone | S-Log2/3 HLG S-Cinetone LUT |
| 動画時の手ブレ補正 | アクティブモード / スタンダード | ダイナミックアクティブモード / アクティブモード / スタンダード |
| 動画音声記録機能 | LPCM 48KHz 24bit 4ch/2ch | 96KHz 32bit float 4ch/2ch 本体内ノイズキャンセリング機能 |
| ファインダー性能 | 約944万ドット 0.9倍 Quad XGA EVF、最高120fps |
高輝度・高色域 約944万ドット 0.9倍 Quad XGA EVF、最高120fps |
| 液晶モニター | 4軸マルチアングル(横開き/チルト) | 4軸マルチアングル(横開き/チルト) |
| メモリーカードスロット | CFexpress Type A/UHS-II ×2 | CFexpress Type A/UHS-II ×2 |
| ロスレス圧縮RAW HEIF、非圧縮RAW |
ロスレス圧縮RAW(L/M/S) HEIF、非圧縮RAW |
ロスレス圧縮RAW、圧縮(画質優先) 非圧縮RAW、HEIF |
| USB端子 | マルチ + Type-C(USB 3.2 Gen2) | Type-C ×2(USB 3.2 Gen2 + USB 2.0) |
| 本体内充電・給電 | 充電・給電(Type-C PD対応) | 充電・給電(Type-C PD対応)×2 |
| HDMI端子 | HDMI Type A | HDMI Type A |
| Miシュー/シンクロターミナル | デジタル対応Miシュー 4ch/シンクロ | 32bitデジタル対応Miシュー 4ch/シンクロ |
| Wi-Fi、有線LAN | Wi-Fi 5GHz(2×2)/2.4GHz/LAN | Wi-Fi 6対応 6GHz/5GHz(2×2)/2.4GHz/LAN |
| Bluetooth/NFC | Bluetooth常時接続 | Bluetooth常時接続 |
| バッテリー | NP-FZ100 | NP-SA100 |
| 静止画撮影可能枚数 | 530枚 | 710枚 |
高画質を加速させるデバイス刷新
α7R VIでは、新開発の有効約6680万画素35mmフルサイズ積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS」を採用している。これにより、圧倒的な高精細描写と高速読み出しの両立を実現した。前モデルのα7R Vでは、有効約6100万画素の裏面照射型「Exmor R」が搭載されていたが、本機ではこれを積層型へと刷新。処理性能の底上げとともに、データの読み出し速度の大幅な向上を図っている。
この新センサーの導入により、最大約16ストップの広いダイナミックレンジを達成。明暗差の激しい環境下でも、シャドウからハイライトに至るまで自然な階調を維持し、被写体の質感描写を損なうことなく記録することが可能だ。 画像処理エンジンには、新たに「BIONZ XR2」を搭載した。これは従来の「BIONZ XR」とAIプロセッシングユニットを統合した構成であり、被写体認識能力や画質処理性能だけでなく、通信の接続性や操作レスポンスの向上にも寄与している。
AF機能においては、進化した「リアルタイム認識AF+」に対応し、被写体の捕捉精度をさらに高めている。加えて、AI処理を活用したオートホワイトバランス機能を備えており、多様な撮影環境下において忠実かつ自然な色再現を可能にした。 動画性能については、4K 120pおよび8K 30pの記録に対応したほか、新たに32bit float音声収録もサポート。静止画撮影にとどまらず、本格的な映像制作を見据えた強力な機能強化が施されている。
細部までこだわりを写しとめる描写力
本機では、新開発の積層型イメージセンサー「Exmor RS」と画像処理エンジン「BIONZ XR2」の組み合わせにより、広いダイナミックレンジを実現している。静止画撮影時には最大約16ストップの階調表現に対応し、シャドウからハイライトまで自然なトーンを維持しやすくしている。
ノイズ低減処理についても最適化が図られており、滑らかな階調表現と編集耐性の向上を実現している。高解像センサーの描写性能を活かしながら、後処理時の調整幅にも配慮している。
手ブレ補正機能については、中央8.5段、周辺7.0段の補正性能に対応する。約6680万画素の高解像性能を最大限に引き出すため、ピクセル単位の微細なブレ補正にも対応している点が特徴となる。対応レンズ装着時にはボディとの協調補正も利用可能であり、高精細撮影時の安定性向上を図っている。
補正機構には、高精度な手ブレ補正ユニットを採用する。ジャイロセンサーと最適化されたアルゴリズムを組み合わせることで、補正性能の向上を実現している。
色再現性能についても改善が加えられている。カメラ前面には可視光+IRセンサーを搭載し、撮影環境光の変化を検知することで、安定したオートホワイトバランス制御を行える。
さらに、光源色を推定する処理にはディープラーニング技術を採用する。AI処理を活用することでオートホワイトバランス精度を高め、より自然で忠実な色再現を実現している。
画作り機能では、Dレンジオプティマイザーが拡張Lv8まで設定可能となり、逆光や明暗差の大きいシーンでも細かな階調制御を行える。クリエイティブルックにはFL2、FL3を追加し、合計12種類のプリセットから選択可能となった。各ルックではコントラストや彩度などを細かく調整でき、「カスタムルック」として保存することも可能である。
高画素センサーを活かした機能として、ピクセルシフトマルチ撮影にも対応する。全画素で色情報を取得することで、約2億6580万画素相当の超高解像画像生成が可能である。加えて、ノイズ低減用撮影設定やHDR用撮影設定を組み合わせたコンポジットRAW撮影も利用できる。
さらに、「Imaging Edge Desktop」に搭載される「エクステンデッドRAW」処理にも対応し、解像感を維持しながらノイズ低減を行う「エクステンデッドNR」、約4倍の画素情報へ拡張する「エクステンデッドHi-Res」を利用可能としている。
高精度に捉え一瞬を描ききる高速性能
AF性能についても大きな進化が加えられている。リアルタイム認識AF+を搭載し、人物認識アルゴリズムを刷新することで、複数人物がフレーム内に存在する場面でも安定した被写体認識を実現する。遠距離にいる小さな被写体の顔や瞳にも追従可能で、被写体が一時的に遮蔽物へ隠れた場合でも再認識を素早く行える仕様である。
位相差AFは最大759点を採用し、撮像エリアの約94%をカバーする。低照度環境にも強く、AF-S時にはEV-5.0環境下での高精度AFに対応する。ブライトモニタリング使用時でもAF動作が可能で、低輝度環境ではEV-11までオートフォーカスを利用できる。
高速撮影性能では、AF/AE追随による最高30コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影に対応する。ファインダー表示が途切れにくく、被写体を追い続けながら撮影しやすい。プリ撮影機能も搭載し、シャッターボタンを押す直前の瞬間を記録可能としている。さらに、必要な場面のみ高速連写へ切り替える「連写速度ブースト」にも対応し、撮影効率向上にも配慮している。
| α7RV | α7RVI | α1II | |
| 最高連写枚数(電子シャッター使用時) | 7(12ビット) | 30(12/14ビット) | 30(14ビット) |
| 最高連写枚数(メカシャッター使用時) | 10(12ビット) | 10(14ビット) | 10(14ビット) |
| ブラックアウトフリー連続撮影 | – | ✓ | ✓ |
| AF/AE演算 | 非公表 | 60回/秒 | 120回/秒 |
| アンチディストーションシャッター | – | – | ✓ |
| 読み出し速度 | 遅い | α7R Vより高速 α1 IIより低速 |
高速 |
高精細な映像表現
動画性能では、8K 30pおよび4K 120p記録に対応する。フルサイズ画角での8K撮影では8.2Kオーバーサンプリングを採用し、4K撮影時には5.0Kオーバーサンプリングによる高精細映像生成を実現している。Super 35mmモードでは、4K 60pおよび4K 30p/24p時に6.3Kオーバーサンプリングを利用可能であり、用途に応じてフルサイズとSuper 35mmを使い分けられる。

動画機能では、All-I記録や4:2:2 10bit収録、32bit float音声録音にも対応する。加えて、動画撮影時にはデュアルゲイン撮影機能を搭載し、シャドウ部のダイナミックレンジを拡大することで、低ノイズかつ滑らかな階調表現を実現している。4K設定時のみ利用可能で、風景撮影など動きの少ない被写体向け機能として位置づけられている。
動画時の手ブレ補正についても強化されている。「ダイナミックアクティブモード」を搭載し、歩き撮りや移動撮影時の安定性向上を図っている。フレーミング補正やオートフレーミング機能にも対応し、一人での動画撮影や移動を伴う収録環境にも配慮している。4K 120p撮影時にも補正機能を利用可能としている。
高い機動力と操作性
ファインダーには、新開発の電子ビューファインダーを採用する。約944万ドットの高精細表示に対応し、従来比約3倍の明るさを実現している。HDR表示やDCI-P3相当の広色域表示、10bit階調表示にも対応しており、静止画・動画の双方で被写体確認を行いやすい仕様である。
背面モニターには4軸マルチアングル液晶を採用する。チルトとバリアングル構造を組み合わせることで、縦位置撮影やローアングル、高所撮影など幅広い撮影姿勢へ対応可能である。実際の展示でも可動範囲の自由度は高く、静止画・動画を問わず扱いやすい印象であった。

長時間動画撮影へ対応するため、放熱性能を強化したボディ構造も採用している。室温25℃環境では、「XAVC S HD」「XAVC S 4K」「XAVC HS 8K」の各記録形式において約120分の連続撮影に対応する。室温40℃環境でも、「XAVC S HD」で約120分、「XAVC S 4K」で約60分、「XAVC HS 8K」で約20分の撮影が可能である。
| XAVC S HD | XAVC S 4K | XAVC HS 8K | |
| 室温25℃ | 約120分 | 約120分 | 約120分 |
| 室温40℃ | 約120分 | 約60分 | 約20分 |
HAVC S4K60p 150M/50p 150M 4:2:0 8bit
XAVC S HD: 60p 50M/50p 50M 4:2:0 8bit
※いずれもWi-Fi OFF、CFexpress Type A使用時、自動電源OFF温度[高]、モニター展開時、バッテリー駆動時
ボディ構造にはマグネシウム合金を採用し、トップカバー、フロントカバー、内部フレームまで高剛性化を図っている。防塵防滴にも配慮した設計となっており、レンズマウントには6本のネジを使用することで剛性を強化している。超望遠レンズ装着時なども想定した設計である。
操作性面では、細かなアクセシビリティ向上も図られている。マウント部には標点を配置し、暗所でもレンズ交換位置を確認しやすい構造を採用する。撮影状態を確認できるタリーランプや、暗所で点灯するイルミネーション付き背面操作ボタンも搭載している。
さらに、「電源OFF時のシャッター」機能や超音波振動式センサークリーニング機能にも対応する。センサーへのホコリ付着を抑えながら、交換レンズ使用時のメンテナンス性向上にも配慮している。