カメラグランプリ2026は、写真・カメラ専門の雑誌・Web媒体の担当者の集まりであるカメラ記者クラブ(1963年9月発足、2026年5月現在8媒体1団体が加盟)が主催し、カメラグランプリ2026実行委員会の運営のもと選考委員が組織され、2025年4月1日~2026年3月31日に発売された製品から各賞を選考した。
カメラグランプリ「大賞」は、期間内に日本国内で新発売されたスチルカメラの中から、最も優れたカメラ1機種を選び表彰するものだ。
また、日本国内で新発売された交換レンズの中から最も優れた1本を選ぶ「レンズ賞」、一般ユーザーがWeb上の専用サイトから投票する「あなたが選ぶベストカメラ賞」「あなたが選ぶベストレンズ賞」(投票期間:2026年2月26日~4月6日)、カメラ記者クラブ会員が「大賞」「レンズ賞」を受賞した製品を除くすべてのカメラと写真製品・機材を対象に、大衆性・話題性・先進性に特に優れた製品を選ぶ「カメラ記者クラブ賞」の合計5つの賞を設けている。
選考委員は、カメラ記者クラブの会員をはじめ、加盟媒体の編集長(もしくは代表者)、カメラグランプリ実行委員が委託した外部選考委員、特別選考委員(学識経験者、カメラメカニズムライター、写真家、写真関連団体の代表等)で構成され、今年は総勢57名が選考にあたった。各賞の選考理由は、選考委員の投票理由をもとにカメラグランプリ実行委員会でまとめた。各賞の受賞機種は以下の通りだ。
- カメラグランプリ2026 大賞::ソニー α7 V
- カメラグランプリ2026 レンズ賞:ソニー FE 50-150mm F2 GM
- カメラグランプリ2026 あなたが選ぶベストカメラ賞:キヤノン EOS R6 Mark III
- カメラグランプリ2026 あなたが選ぶベストレンズ賞:キヤノン RF45mm F1.2 STM
- カメラグランプリ2026 カメラ記者クラブ賞:
- 技術賞:リコーイメージング RICOH GR IV Monochrome
- 企画賞:シグマ SIGMA BF
- 企画賞:富士フイルム X half
カメラグランプリ2026 大賞
ソニー α7 V
[選考理由]
AIプロセッシングユニットを統合した「BIONZ XR2」により、高度な処理能力と低消費電力を両立。部分積層型CMOSセンサーの搭載は、最大約16ストップに及ぶ広いダイナミックレンジと、14bit RAWでのブラックアウトフリー最高約30コマ/秒連写を可能にした。
フラッグシップ機譲りのリアルタイム認識AFは、追従精度と信頼性をさらに一段引き上げている。全画素読み出しの4K60p動画や、自由度の高い4軸マルチアングル液晶モニターの採用など、表現者の多様なニーズを高い次元で充足させている。
従来の「ベーシック機」という枠組みを刷新し、フルサイズミラーレスカメラの新たなスタンダードを定義したその完成度は、選考委員から極めて高い評価を得た。最先端技術を幅広いユーザー層に開放した意義を称え、本機を大賞に選出した。
カメラグランプリ2026 レンズ賞
ソニー FE 50-150mm F2 GM
[選考理由]
50mmから150mmまでのズーム全域で開放絞りF2を実現した世界初の大口径ズームレンズ。超高度非球面XAレンズ2枚を効果的に配置した革新的な光学設計により、単焦点レンズに迫る優れた解像力と自然でやわらかいぼけを描き出す。最大撮影倍率は0.2倍と高い近接撮影性能も備える。それらが質量約1,340g(三脚座別)の軽量設計でまとめられ、機動性が求められるポートレート、ウエディングや室内イベント・スポーツなどプロフェッショナルの現場で評価され、「カメラグランプリ2026 レンズ賞」に決定した。
カメラグランプリ2026 あなたが選ぶベストカメラ賞
キヤノン EOS R6 Mark III
[投票理由]
以下に投票理由の一部を列挙する(一部抜粋/編集)
- ランクアップしたスタンダード機としてソツのない仕上がりになっており、これさえあればなんでも撮れるという安心感がある。
- EOS R5 Mark IIと遜色ないカメラで価格はR5より安い。CFexpressカードが使えるようになったので、もうこれで十分でしょと思わせるカメラ。
- CP+にて試し撮りを体験した際、ピントの精度やシャッターを切る心地よさに満足した。
- 4月から写真学科で学び始める身として、これからの数年間を共にする『信頼の基準』としてこの一台を選んだ。スペックの数字以上に『撮り手の意図を裏切らない』という哲学を感じる。プロを目指す学生にとって、表現の基礎を叩き込むための最高の教科書であり、相棒になると確信している。
- 動きのある子どもや日常の一瞬をキレイに残せるからだ。大切な思い出を、より鮮明に残せる1台だと思い選んだ。
- EOS 5D Mark IVを彷彿とさせる全体的な完成度を感じるため。
- 性能、重量、すべてにおいて、使うのにちょうどいいスペックだから。
- 画質・価格のバランスが最も良い。
カメラグランプリ2026 あなたが選ぶベストレンズ賞
キヤノン RF45mm F1.2 STM
[投票理由]
以下に投票理由の一部を列挙する(一部抜粋/編集)
- 廉価で個性的しかもF値1.2。レンズ開発陣に拍手したい!
- 夢だったF1.2レンズがこんなにも安く手元にきて驚いている。ポートレートやスナップ撮影が一段と楽しくなった。高スペックだけじゃない方向で技術力を示したレンズとして選ぶ。
- レンズが高解像度で高い方向性ばかりの所に現れたアンチテーゼ。もっと色々なベクトルのレンズが現れて欲しい。
- ソニーユーザーだが、RF45mmは気になるレンズだ。最新だが、オールドレンズのような描写が楽しめる。F1.2でありながら6万円台という破格の値段。使っていて楽しそうなので、一度使ってみたいレンズだ。
- RFレンズといえば高嶺の花だったが、F1.2という明るさにもかかわらず信じられない価格。EFレンズの設計を流用したレンズということで、今後も同じようなレンズの登場に期待したい。
- 大口径レンズは高価で高性能、という固定観念を打破した新しいコンセプトの商品であるため。大口径は欲しいが究極の解像を求めているわけではない、というユーザーニーズに応えた。
カメラグランプリ2026 カメラ記者クラブ賞
技術賞:リコーイメージング RICOH GR IV Monochrome
[選考理由]
APS-Cセンサー搭載のコンパクトカメラで初のモノクロ専用機。モノクローム表現を極めるため、モノクローム専用イメージセンサーを搭載し、カラーフィルターと補間処理を排し、GRレンズの優れた光学性能を引き出すことで、解像力、豊かなグラデーション、低ディストーション、GRレンズの真価をモノクロームで発揮。また、NDフィルターの代わりに赤色フィルターをレンズユニットに内蔵し、印象の強い写真を得ることができ、写真表現者の心を揺さぶる。「RICOH GR」シリーズ誕生30周年を迎え、最強のスナップシューターに挑戦し続ける姿勢は、「カメラグランプリ2026 カメラ記者クラブ・技術賞」に文句ない孤高の存在として評価した。
企画賞:シグマ SIGMA BF
[選考理由]
“撮る”という行為の本質に立ち返る設計思想のもと、操作系および表示系を極限まで簡素化することで、撮影そのものに深く集中できる独自のユーザーインターフェースを実現した点を高く評価。さらに、アルミ削り出しによるユニボディ構造は高い剛性と工芸的な美しさを両立し、カメラというプロダクトの物質的魅力を大胆に表現する。
多機能化が進む従来の流れとは異なったアプローチからカメラの存在意義を問い直し、新たな価値と方向性を提示したその革新性は特筆に値する。
企画賞:富士フイルム X half
[選考理由]
富士フイルム X halfはフィルムカメラのハーフ判をモチーフにした縦位置撮影を基本とした新しいコンセプトのコンパクトデジタルカメラ。240gの小型軽量性で、フィルムカメラライクなルックスなど日常的な使いやすさで若年層にもアピール。
「期限切れフィルム」や「ミラー」「ライトリーク」など独特なフィルター効果も搭載。またライブビュー表示もなく画像再生もない、巻き上げレバーを巻かないと次の撮影ができないといった「フィルムカメラモード」を搭載するなど、デジタルカメラでありながらフィルムカメラのような撮影体験を提供するユニークなコンセプトを評価し、「カメラグランプリ2026 カメラ記者クラブ・企画賞」に選定した。
カメラグランプリ2026 選考委員
カメラグランプリは、毎年カメラグランプリ実行委員会が組織され、記名投票で決定している。
〈以下、敬称略〉
外部選考委員
赤城耕一、曽根原昇、飯田ともき、阿部淳一、岡嶋和幸、中原一雄、阿部秀之、諏訪光二、豊田慶記、今浦友喜、福田健太郎、萩原れいこ、宇佐見健、鈴木誠、上田耕司、鹿野貴司、伊達淳一、葛原よしひろ、杉本利彦、吉森信哉、コムロミホ、大門美奈、ミゾタユキ
特別選考委員
小城崇史(AJPS)、磯修(マイナビニュース)、上田耕一郎(東京工芸大学)、小林稔(JRPA)、鹿野宏(電塾)、志村努(東京大学/宇都宮大学)、熊切大輔(JPS)、松任谷正隆(音楽プロデューサー)、宮野友彦(週刊アスキー)、百瀬俊哉(九州産業大学)、櫻井龍子(日本カメラ博物館)、山田久美夫(DigitalCamera.jp)、善本喜一郎(APA)、萩原亮(ビデオサロン)、椎名達雄(千葉大学)、服部一人(日本大学)
媒体責任者
森田浩一郎(Webカメラマン)、菅原隆治(CAPA)、福島晃(デジタルカメラマガジン)、折本幸治(デジカメWatch)、松下大介(ホビージャパン)、石川薫(風景写真出版)、藤森邦晃(フォトコン)、村上仁一(Photo and Culture, Tokyo)、TIPA Board
カメラ記者クラブ会員
名川正彦(Webカメラマン)、松村広行(CAPA)、山岡佳久(デジタルカメラマガジン)、佐藤拓(デジカメWatch)、陶山佳秀(ホビージャパン)、永原耕治(風景写真出版)、大江航(フォトコン)、佐々木秀人(Photo and Culture, Tokyo)、柴田誠(TIPA)