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ライカカメラ社(以下:ライカ)は、第48回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」を2026年6月13日にウェッツラーのライツ・パーク内にあるLeica Weltにて開催する。

今回のオークションでは、歴史的に価値が高いカメラと年代物のカメラ用アクセサリーに注目が集まっているという。例えば、1950年代にルポルタージュ撮影用として製造された「ライカMP」が2点出品される。また、19世紀末に開発された、映像の撮影や映写が可能で、映画時代の幕開けを告げた画期的な装置「シネマトグラフ・リュミエール」も出品される。

入札は会場でリアルタイムに行えるほか、電話やオンラインでも可能だ。

また「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」とは別に、オンライン限定のオークション「Leitz ON(ライツ・オン)」を6月14日まで開催中だ。「Leitz ON」では1920年代から現在までのカメラやカメラ用アクセサリー、写真作品が幅広く出品される。

Leitz ON

ライツ・フォトグラフィカ・オークションの社長のアレクサンダー・セドラク氏は次のようにコメントしている。

セドラク氏:オークションハウスであるライツ・フォトグラフィカ・オークションには毎年、膨大な数のカメラやレンズやカメラ用アクセサリーが持ち込まれてきます。しかし、時間的な制約があることから、そのすべてをメインのオークションに出品することはできません。そのため、オンライン限定のオークションとして「Leitz ON」を別途立ち上げることになりました。

Leitz ONの入札期間は6月14日までで、幅広い予想落札価格のアイテムが出品されている。希少価値が高いアイテムや、落札価格がより高額になると予想されるアイテムは、6月13日に開催される第48回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」に出品される。入札は会場のほかオンライン、書面、電話でも可能だ。

ライツ・フォトグラフィカ・オークション出品アイテム

ブラックペイントのレアなカメラ

今回のオークションで最も希少価値が高いアイテムのひとつが「Leica MP black paint no. MP-33」だという。「M Professional」を意味する「ライカMP」は、製造台数が402台のみ(うちブラックペイントはわずか141台)で、これまでに製造されたライカのカメラの中でも非常にレア度が高いアイテムとして知られている。

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「ライカMP」の開発の背景にはアメリカの著名な報道写真家たちからの要望があった。当時、高速フィルム巻き上げが可能な「ライカビット」は「ライカIIIf」でしか使用できなかったが、ライカビットを組み合わせたM型カメラを望む声がアルフレッド・アイゼンスタットやデビッド・ダグラス・ダンカンなどから上がったのだ。

今回出品されるのはシリアルナンバーが「MP-33」で、1957年7月29日にスウェーデンのブラントという販売業者に納入された個体だ。カメラ本体と同じブラックペイントの「Leicavit」と、同じくブラックペイントでマウント部が真鍮製の「Summicron 2/5cm」レンズ(シリアルナンバーは「1474885」)とのセットでの出品となる。

最初の「パパラッチ」とされる人物が所有していたカメラ

製造台数がわずか261台というクローム仕上げの「ライカMP」もコレクター垂涎の超人気アイテムだ。

その中でも、そのユニークな来歴から特に注目度が高い個体が今回のオークションに出品される。そのアイテムとは、1958年1月1日に納入され、イタリアの写真家タツィオ・セッキアローリが所有していたと記録されている「Leica MP chrome no.MP-368 ‘Tazio Secchiaroli’」だ。

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セッキアローリが1950年代後半にローマのヴェネト通り界隈でセレブリティを追いかけて撮影した生々しい描写は、現代のフォトジャーナリズムに多大な影響を与えた。セッキアローリの影響は映画界にも及んでおり、フェデリコ・フェリーニ監督の1960年公開の映画『甘い生活』には、セッキアローリに着想を得たカメラマンが登場する。ちなみに、このカメラマンの取材スタイルは今では誰もが知るところとなっている。写真文化において「有名人を追い回すカメラマン」が注目されるようになり、「パパラッチ」という俗称が定着したが、その語源はこのカメラマンの役名である「パパラッツォ」だ。

カメラブレ対策の先駆的存在

今回のオークションでは、歴史的に珍しいアクセサリーにもいくつか注目が集まっている。その中でも特に希少でユニークなアクセサリーが、「E. Leitz New York Leica Gun RIFLE ‘Patent Pending’」だ。

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著名な野生生物写真家のアッティリオ・ガッティからインスピレーションを得たこのライフル型のアクセサリーは、望遠レンズ使用時にカメラブレを軽減する目的で考案されたもので、スポーツイベントを撮影する際によく使用された。製造台数については諸説あるが、わずか12~14台というのが最も現実的な数だろう。「Patent Pending(特許出願中)」と刻印されている専用のファインダーが付属しているのもユニークな特徴のひとつだ。

シネマトグラフ・リュミエール

映画史に残る画期的な装置「Lumière Cinématographe outfit」も出品される。シネマトグラフは、世界で初めて商業利用された実用的な映画装置だ。

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手動でクランクを回して操作する非常に小型の装置であり、一台で映像の撮影と現像と映写が可能で、発明したオーギュストとルイのリュミエール兄弟によって特許も取得された。シネマトグラフが一般市民に対して初めて使用されたのは1895年12月28日のことだ。この日、パリのグランカフェのサロンアンディアンにおいて、シネマトグラフによって世界初となる有料の映画上映が行われた。そしてこれが、商業映画の始まりであるとされている。ただ、その最初の有料上映に使用されたのがどの個体だったのかは定かではない。

いずれにせよ、軽量で機構的にも洗練されていたシネマトグラフ・リュミエールは、ヨーロッパをはじめ世界中に瞬く間に普及し、映画上映を新たな産業へと発展させていったのだ。

入札は会場のほかオンライン、書面、電話でも可能

第48回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」は、2026年6月13日午前11時(中央ヨーロッパ夏時間)からドイツ・ウェッツラーにあるライツ・パーク内のLeica Weltにて開催される。事前入札はオンライン、書面、電話で受け付ける。オークション当日はライブオークションサイト(www.leitz-auction.com および www.liveauctioneers.com)でのリアルタイム入札も可能。

今秋には2つのオークションが予定されている。まず、10月9日には写真作品のオークション「Perspectives」をライカギャラリーウィーンにて開催予定だ。続いて、11月28日には第49回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」を、今回と同様にドイツ・ウェッツラーにあるライツ・パーク内のLeica Weltにて開催予定だ。