Adobeは、Adobe FireflyおよびAdobe Creative Cloud全体にわたるクリエイティブエージェントの大幅な拡充を発表した。オールインワンのクリエイティブAIスタジオであるAdobe Fireflyは、新しいクリエイティブスキルやツールによりエージェント機能を拡張し、アイデア出しから制作、仕上げ・展開にいたるクリエイティブワークのあらゆる段階をつなぐ統合エクスペリエンスを提供する。
またAdobeは、Adobe Photoshop、Adobe Premiere、Adobe Illustratorを始めとするAdobe Creative Cloudアプリにもクリエイティブエージェント導入する。これにより、クリエイターは望む成果物を説明するだけで、AIアシスタントが複数ステップにおよぶワークフローを実行できるようになる。これらの進化により、Adobeのクリエイティブエージェントはクリエイティブ作業のあらゆる段階をつなぐ基盤として働く。クリエイターは作品を独自のものにするための創造性や、センス、判断力に集中できるようになるという。
Adobeのクリエイティブエージェントは、クリエイターがディレクターとして主導権を持ち続けられるよう設計されている。複雑で反復的な作業の調整や実行はエージェントが担い、クリエイティブビジョンは最初から最後までクリエイター自身のものだという。これは、クリエイティブワークの制作プロセスに関するAdobeの40年にわたる知見に基づいて構築されたもので、個人のクリエイターから企業のクリエイティブチームやマーケティングチームにいたるまで、あらゆる規模のクリエイターに対応できるよう拡張可能だとしている。
さらに、Adobeのプロフェッショナル向けクリエイティブツールは、ChatGPT、Claude、Copilot、Gemini、Slack(提供予定)といったプラットフォームへと拡大され、創作や仕事を行う場所を問わず、数億人規模のユーザーに届けられる。
Adobeのクリエイティビティ&プロダクティビティ事業部門代表であるデイビッド・ワドワーニ氏は、次のようにコメントしている。
ワドワーニ氏:Adobeはこれまでも、優れたクリエイティブ制作の中心にあり続けてきました。そして今回の発表はその約束を大きく拡大するものです。今やすべてのクリエイターは、自分が使うあらゆるアプリやプラットフォームを横断して作業を支援してくれるエージェントを持つことになります。クリエイターはビジョンを示し、自身のセンスを活かし、自分にしかできない判断を下すことに集中できます。
Adobe Firefly、エージェント機能を拡張し、クリエイティブAIの統合的制作エクスペリエンスをさらに進化させる
先日パブリックベータ版としてリリースされて以来、Adobe Firefly AIアシスタント(英語)は、アイデアをより迅速かつ直感的に形にするツールとして多くのクリエイターに支持されてきた。
今回の拡張では、SNS上でブランドを構築するクリエイターや個人事業者向けに設計された新しいクリエイティブスキルとツールを追加するとともに、クリエイターごとの好みに合わせてカスタマイズできる機能強化を実施した。Adobeのクリエイティブエージェントを搭載したAdobe Firefly AIアシスタントは、Adobe Creative Cloud アプリケーション全体のプロ向けのツールをAdobe Fireflyの単一の対話型インターフェイスに統合する。これにより、クリエイターが望む成果を言葉で説明するだけで、AIアシスタントがバックグラウンドで多段階のワークフローを実行する。
新しいクリエイティブスキルとツールには以下が含まれる。
- ブランドキットの作成:スタイル、ブランド名、カラーパレットを説明するだけで、Adobe FireflyのAIアシスタントがロゴ、ブランドアイデンティティ、カラーパレットを生成し、それらを制作物すべてにすぐに適用できるようになる。
- 商品のショート動画の作成:商品写真を、高品質な照明、モーション、音声、ブランド表現を備えた、そのまま投稿できる洗練されたシネマティックなショート動画に変換する。
- クイックカット:動画素材を自動的に組み合わせて、洗練されたファーストカットを作成する。
- ストーリーボード:制作前にアイデアを可視化・構成するためのストーリーボードを作成し、そこから動画を生成できる。
Adobe FireflyのAIアシスタントは、クリエイターの意図をより深く理解し、クリエイター自身の言葉で説明したアセットを表示し、時間の経過とともにクリエイターの好みを学習する、新たなカスタマイズ機能のアップグレードも提供する。また、作品の公開前にAdobe FireflyのAIアシスタント内で直接、共同作業者を招待してレビューやフィードバックを求めることも可能になった。

クリエイティブAIスタジオへと進化したAdobe Firefly:アイデアから完成コンテンツまで、シームレスなワークフローで実現
Adobe Fireflyは、すべてのクリエイターに、アイデアから高品質なコンテンツへと移行するためのスピード、コントロール、そしてクリエイティブな自由を提供する。本日、Adobeは、生成と編集を一つの場所でつなぐ、刷新されたAdobe FireflyクリエイティブAIスタジオエクスペリエンスをプレビューする。これにより、クリエイターはワークフローを中断することなく、プロジェクトの構想から仕上げ・展開までシームレスに移行できる。
現在プライベートベータ版として提供されている新しい統合型エクスペリエンスは、クリエイターに一貫したコンテキスト、再利用可能なアセット、整理されたワークフローを提供するように設計されている。これにより、制作のすべての段階において、あらゆるバリエーションや異なるフォーマットを通じて、一貫性、スタイル、クリエイティブなビジョンを維持できるとしている。
- エレメント:すでに作成したキャラクター、場所、オブジェクトを保存し、すべてのAI生成セッションで再利用できる。これにより、ストーリー、キャンペーン、プロジェクトがAdobe FireflyやAdobe Fireflyボード内で大規模なものになっても、一貫性を維持するのに役立つ。
- プロジェクト:Adobe FireflyとAdobe Creative Cloud全体で、アセット、AI生成、クリエイティブなコンテキストを整理して管理できる。これにより、中断した箇所から再開したり、過去の作業をベースに制作を進めたりすることが容易になる。
クリエイティブエージェントをAdobe Creative Cloudアプリ全体に導入
Adobeは、独自のクリエイティブエージェントを搭載したAIアシスタント機能を、業界をリードするAdobe Creative Cloudアプリに導入する。まずはAdobe Premiere、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe InDesign、Adobe Frame.ioにおいてパブリックベータ版として提供を開始する。各アプリケーションの AIアシスタントはクリエイティブエージェントによって駆動され、クリエイティブプロフェッショナルが自身の創作活動に集中できるよう、多段階のワークフローを実行する。クリエイターは、アシスタントに任せる作業と自身で担当する作業を選択しながら、自身のセンス、専門知識、判断力を活かして、あらゆる編集可能な成果物を形作ることができる。各Adobe Creative Cloudアプリ内のAIアシスタントは、以下の機能を実現するスペシャリストとして動作する。
- Adobe Premiere:面倒な設定作業はすべてAIアシスタントが代行する。アセットの分類、クリップの一括リネーム、インタビュー質問の特定、マーカーの追加、さらには作業開始ポイントの作成まで、プロジェクトパネルやタイムラインで行える作業であれば、AIアシスタントがサポートする。
- Adobe Photoshop:バッチ処理による背景削除、あらゆるプラットフォーム向けのアセットのサイズ変更、レイヤーの整理など、希望する成果を説明するだけで、アシスタントが合成画像(コンポジット)全体に対して処理を実行し、ユーザーによる編集が可能な状態でオーケストレーションを適用する。
- Adobe Illustrator:AIアシスタントに、スプレッドシートから50種類のバージョン管理されたファイルを生成したり、ドキュメント全体のレイヤーを再編成したり、印刷前にカラーモードのエラーや欠落フォントを検出するプリフライトチェックを実行したりするなど、多段階の制作作業のサポートを依頼できる。
- Adobe InDesign:ブランドガイドラインのPDFを読み込んだり、既存のテンプレートを開いたりして、アシスタントにコピー、スタイル、印刷適性チェックを含むすべてのレイアウトへの更新を適用させる。
- Adobe Frame.io:クリエイティブディレクションを提示すれば、AIアシスタントがプロジェクト内で撮影アセットの整理、リビジョンごとのフィードバックの抽出、Bロールの生成を支援する。
AIアシスタントはAfter Effectsでプライベートベータ版として利用可能だ。Adobeは、写真、ビデオ、モーションデザインのワークフローをさらに拡大させるために、エージェント機能を他のAdobe Creative Cloudアプリにもさらに拡張できるよう取り組んでいる。


Adobe Illustrator AIアシスタント
業界をリードするAdobeのクリエイティブツールをあらゆる場所に展開
今回の発表は、ユーザーが日常的に利用するプラットフォームへ、Adobeのプロ仕様のクリエイティブツールを提供するという戦略に基づいているという。これにより、インスピレーションが湧いたその場で、誰もが優れたコンテンツを簡単に作成できるようになる。AdobeのツールはAdobeアプリだけではなく、OpenAIのChatGPT、AnthropicのClaude、Microsoft 365 Copilotなど、世界中で何億人ものユーザーに利用されているサードパーティ製プラットフォームからも利用可能。
また、Adobeは最近、Adobe for creativityコネクタをGoogle GeminiおよびSlack(提供予定)に導入する計画を発表しており、AIエコシステム全体におけるクリエイティブツールの普及をさらに拡大している。
提供開始時期
Adobe Fireflyの最新機能は、本日よりAdobe Firefly webアプリで利用可能。
AIアシスタントは本日よりAdobe Premiere、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe Frame.io、Adobe InDesignでパブリックベータ版として利用可能。Adobe After Effectsではプライベートベータ版として利用可能。