Epic Gamesは、Unreal Engine 5.8のリリースを発表した。本リリースでは、パフォーマンス向上とコア機能の完成度向上に重点を置き、ワールド構築、キャラクターとアニメーション作成、バーチャルプロダクション、リアルタイムレンダリングなど幅広い分野で機能が強化されたという。
広大なオープンワールドを作成
メッシュテレインを使用して、これまでよりも広大で機能豊富なワールドを短時間で構築できる。プロシージャルコンテンツ生成(PCG)フレームワークで高度なオープンワールドの編集とカスタマイズが可能となるほか、エディタで植生オーサリングを直接、効率的に行える。メッシュテレインは、より大きく複雑なテレインを作成するための、まったく新しい実験的な3Dメッシュベースのシステムだ。
既存のランドスケープツールや従来の2.5D高度フィールドシステムとは異なり、メッシュテレインは真の3Dメッシュモデルであり、オーバーハング、浮島、トンネルなどの任意の形状を作成できる。
キャラクターとアニメーションのワークフローの効率化
エンジン内のリギングおよびアニメーションツールセットに新機能と機能強化が加わり、エディタでより多くのものを作成できるようになった。
エディタ内のスカルプト制御のフェイシャルワークフローとショットスカルプトのサポートが向上した。スカルプトブラシツールセットのアップデート、ターゲットのミラーリングと反転の新オプション、ウェイトロックなどが含まれ、スタイライズされたキャラクター、カスタムスケルタルメッシュ、MetaHuman、およびポーズ補正向けのブレンドシェイプオーサリングが強化されているという。
バーチャルプロダクションを加速
プロのモーションキャプチャステージとソロクリエイターの両方のニーズを満たすLive Linkハブが正式版になった。Live Linkハブインターフェース内で直接、複数のソースからのライブビデオフィードを監視できる。さらに、モーションキャプチャスタジオ全体でIP経由でデバイスを制御できるようになり、1カ所からすべてのLive LinkデータとUEエディタクライアントを監視・同期したり、レコーディングデバイスを制御したりできる。
さらに、専用のフェイシャルアニメーションプレビューウィンドウと、アクションを動的に追跡するプロシージャルな自動カメラがMocapマネージャー向けに新規追加された。
リアルなデジタルヒューマンをスケーリング
Unreal Engine 5.8では、MetaHumanコレクションという実験的な新しいアセットタイプが導入された。これを活用して、MetaHumanの群衆でリアルタイムワールドを満たすことができる。群衆の人数のスケーリング能力は、モバイルでは数百人、ハイエンドプラットフォームでは数千人に及ぶという。
これは新しい群衆作成ワークフローの必須要素であり、群衆のオーケストレーションにはMassも活用し、利用可能な場合はNaniteを使用してレンダリングできる。カメラの近接度に基づいて、キャラクターを高忠実度の個々のアクタと低忠実度のインスタンス化されたスキンメッシュ(ISKM)の間でシームレスに切り替える。これにより、リアルなクローズアップと、パフォーマンスおよびメモリフットプリントの最適化の両方が実現可能だとしている。
Fabには新しくMetaHuman群衆サンプルがリリースされた。これを利用して、数千体のMetaHumanでシーンを満たすための、パフォーマンスが高くスケーラブルなアプローチを試すことができる。
リアルタイムレンダリングの進歩
MegaLightが正式版になり、シーンに大量のダイナミックなシャドウ付きエリアライトを配置できるようになった。大幅にノイズを低減してビジュアルの忠実度を最大化できる。MegaLightでは、現行世代のコンソールで60fpsのターゲットを達成できるように全体的なパフォーマンスの向上が行われたほか、デバッグおよび最適化ツールが追加されるなど、多くの機能強化も行われている。
モバイルワークフローを高速化
Unreal Engine 5.8では、モバイルデベロッパーのオンボーディングが改善され、イテレーションが高速化する。Android開発用のワークステーションのセットアッププロセスが自動化されたことで、より迅速かつ簡単に開始できるようになった。更新されたUnreal Engine Remoteアプリケーションを使用すると、物理デバイスにビルドまたはデプロイすることなく、タッチコントロールやジェスチャなどのモバイル入力をプレビュー、テスト、イテレートできる。
プラットフォームプレビューもターゲットデバイスのビジュアル出力にさらに近い形でプレビューできるようになったため、ビルドを作成しなくてもエディタ内で正確にプラットフォームをプレビューし、ゲームのビジュアル面をイテレートできる。
クリエイティブなイテレーションを簡素化
レガシーとカスタムのギズモシステムを1つに統合し、一貫性、使いやすさ、信頼性を大幅に向上させた。業界標準のDCCツールのワークフローにヒントを得て、より優れたヒットターゲット、より明確なビジュアルフィードバック、カスタマイズ可能なプリセット、精度の向上を実現している。
Unreal Engine向けに実験的なMCP(モデルコンテキストプロトコル)プラグインが実装された。
このプラグインにより、LLMシステムはエンジンとプロジェクトの両方に接続して理解できるようになる。アセットとシステムの構築や、エンジン機能の拡張、テスト・最適化タスクの実行に役立てることができる。ブループリント、アセット、レベル、マテリアル、メッシュなど、多くのコアシステムへの組み込みアクセス機能が搭載されており、デベロッパーは独自の機能を追加して簡単に拡張可能だ。