Blackmagic Designの発表によると、NHKで放送されたドラマ「魯山人のかまど」の撮影にBlackmagic PYXIS 6Kが使用され、DaVinci Resolve Studioでグレーディングされたという。
「魯山人のかまど」は、食と美を追求した北大路魯山人の晩年を描く、中江裕司監督による全4話のドラマシリーズ。魯山人は多彩な芸術家としてさまざまな分野で活躍し、料理に合わせて器も自ら制作するなど、食と器を一体のものとして捉える独自の美意識を築いた。藤竜也演じる魯山人のもとにさまざまな有名人が訪れ、彼の人柄や食と芸術への向き合い方に触れていく。各界の著名人を演じるゲスト出演者として、柄本明、サイモン・ペッグらが出演している。
同作の撮影を務めたのは、松根広隆氏。中江監督とは「土を喰らう十二ヵ月」以来、4度目のタッグとなる。撮影にはBlackmagic PYXIS 6Kが使用され、グレーディングにはDaVinci Resolve Studioが用いられた。

松根氏は、次のようにコメントしている。
松根氏:中江監督とご一緒した前作では、URSA Mini Pro 4.6K G2で撮影を行いました。本作でもBlackmagic Designのカメラを使いたいと思い、PYXIS 6Kを採用しました。
昭和20年代の話なので、映像がシャープすぎると雰囲気が合わないと考えて、1980年代から1990年代に流行ったZeissのスーパースピードのレンズセットを使いました。PYXISとスーパースピードのレンズの組み合わせは、とてもうまくいったと思います。
カメラのセットアップは、機動力を重視して最小限のセットアップにしました。撮影ではURSA Cine EVFを使用し、スタッフも確認できるようにBlackmagic PYXIS Monitorも装着しました。撮影時はファインダーで確認したいタイプなのですが、URSA Cine EVFは以前のURSA Viewfinderと比べても非常に見やすく、使いやすかったです。
同作では、魯山人が3歳のときに目にしたツツジの色や、作陶活動の初期から晩年まで制作を続けていた志野焼の中で、赤い緋色が特徴的な「紅志野」など、赤色が重要なカラーとなっており、その赤を印象的に見せるためにLUTが作成された。

松根氏:ルックについては、色彩を鮮やかに見せたいという中江監督の希望もあり、昔のハリウッド映画でよく見られるテクニカラー風のLUTをDaVinci Resolveで作成してもらい、View LUTとして使用しました。グレーディングでもこのLUTをベースに仕上げてもらっています。
同作に登場する魯山人の晩年の住居兼アトリエ「春風萬里荘」は、1965年に北鎌倉から茨城県笠間市へ移築された。同作のロケは、この春風萬里荘で行われ、「春編」「夏編」「秋編」「冬編」の4つのエピソードで構成されている。
松根氏:自然を相手にした撮影では、必ずしも狙いどおりの景色が撮れるとは限りません。本作は四季を通してエピソードが展開するため、DaVinci Resolveで草木の色味を調整するなど、季節感をより際立たせることを意識しました。
魯山人邸を夜から明け方まで、定点撮影したシーンがいくつかあります。暗闇から空が白んできて、家の全景が現れる様子を30分くらい撮影しました。ISOや絞りの設定をどのくらいにするか考えた結果、絞りをF5.6、ISO 3200くらいで撮影しました。PYXISのダイナミックレンジの広さもあり、暗部が程よく締まってハイライトのバランスもちょうど良く、グレーディング時も苦労しませんでした。PYXISは黒の締まりがよく、ノイズがほとんど乗らないことも驚きました。
