アドビは「Adobe Firefly」を拡張し、音楽・音声・効果音の生成機能を一般提供開始した。これにより、商用利用に対応した高品質なサウンド制作がFirefly内で完結する。
素晴らしいアイデアが浮かんだとしても、いくつものワークスペースやアプリ、生成AIモデル、サブスクリプション、ブラウザのタブを次々と切り替えているうちに、創作の流れが途切れてしまう。
この問題に対処するため、アドビは「Adobe Firefly」というオールインワンのクリエイティブAIスタジオを開発し、どんなアイデアでも形にできるようにした。Adobe Fireflyは、画像、映像、オーディオ、デザインに対応する数々のアドビのツールに加え、Google、ElevenLabs、Kling AI、Luma AI、OpenAI、Runwayなどが提供する、業界をリードするモデルを提供する。
6月には、Adobe Firefly AIアシスタントのクリエイティブ機能のさらなる拡充に加え、作品の核となるキャラクターやロケーション、オブジェクトを保存し、さまざまなプロジェクトで活用できるエレメントなどの機能を先行公開するなど、Adobe Fireflyの大幅なアップデートを発表した。そして、今回、Fireflyのオーディオ機能の一般提供を開始する。
「音楽を生成」、「音声を生成」、「効果音を生成」でスタジオ品質のサウンドを
オーディエンスの関心を掴むためには、ストーリーテリングにおいて適切な音楽、音声、効果音は不可欠だ。バークリー音楽大学が映像クリエイター、ミュージシャン、そしてマーケターを対象に行った最近の調査によると、回答者の80%が毎日、もしくは週数回動画コンテンツを投稿し、回答者全員が動画には音楽を挿入していることが分かった。
サウンドは、クリエイティブプロセスの後工程で取り組むことが多いにもかかわらず、作品の視聴者が最初に気づく要素の1つでもある。さらに、ここがクリエイティブな流れが途切れがちになるポイントでもあり、これまでは専門ツールや別のサービスを利用し、その後また戻ってすべてを統合する手間がかかっていたという。
今回、Adobe Fireflyのオーディオツールである「音楽を生成」、「音声を生成」、「効果音を生成」が製品版として提供開始となり、SNSコンテンツやライブVlogから短編映画、製品チュートリアル、ポッドキャストクリップにいたるまで、あらゆるクリエイティブワークフローで商用利用に対応したAIを活用できるようになった。
- 音楽を生成:Adobe Firefly Music Modelにより、ビデオの長さや雰囲気に合わせた、商用利用可能なオリジナルトラックを作成する。これにより、音楽ライセンスを確認する手間を抑えながら、コンテンツに適した音楽を付けることができる。
- 音声を生成:Adobe Firefly Speech ModelとElevenLabsを選ぶことができ、台本を明瞭で自然なナレーションに変換する。また、声や速さ、感情表現をコントロールすることができる。
- 効果音を生成:Adobe Firefly Audio Modelにより、コンテンツのアクション、タイミング、エネルギーに合ったカスタムサウンドを作成する。
「音楽を生成」を使えば、クリエイターはコンテンツに合った、商用利用可能なオリジナル楽曲をすばやく、安心して作成できる。ファッション、ビューティー、ライフスタイル分野で活躍するクリエイターのEsther Rehema氏にとって、それは音楽探しに費やす時間を減らし、制作そのものにより多くの時間を充てられることを意味する。Esther Rehema氏は、次のようにコメントしている。
Rehema氏:学校に通いながら、コンテンツクリエイターとして継続的に発信していくのは、本当に大変なことです。Adobe Fireflyのおかげで、制作プロセスがずっと楽になりました。商用利用が可能で、自分のコンテンツにもぴったり合う音楽を見つけられるのは、まさに画期的です。以前は最適な曲を探すのに何時間もかかっていましたが、今ではわずか数秒で済みます。
Adobe PhotoshopやAdobe Firefly、特殊効果を組み合わせたショート動画で知られるクリエイターのMadeline Salazar氏は、ブランド向けのコンテンツ制作をする際、最適な音楽を見つけるだけでなく、その音楽に付随する権利についても考慮する必要があると話している。
Salazar氏:ブランド向けのコンテンツを制作するときは、BGMのライセンスがいつも悩みの種になります。「音楽を生成」を使えば、制作している動画に合わせて、その動画だけのオリジナルサウンドトラックを作成できます。しかも、商用利用できる音楽だとわかっているので、安心して使えます。
クライアントに納品するときは、プロジェクト全体に自分の名前を背負うことになります。だからこそ、作品のためにオリジナルの音楽を作り、自信を持って納品できることは、私にとってとても重要です。
これらは実際の制作現場で使える音源であり、商用利用にも対応し、完成作品に使用できる。別途のサブスクリプションも不要で、許諾を取得済みのトラックを探す手間もない。どのようなコンテンツでも、作品にスタジオ品質のサウンドを加えるために必要なすべてが、Adobe Fireflyの中に揃っている。
Adobe Firefly AIアシスタントがさらに進化し、誰でも無料で試せるように
今年初めにAdobe Firefly AIアシスタント(ベータ版)を発表した際、新しい制作アプローチに関するビジョンを共有した。それは、作りたいものを説明するだけで、クリエイティブパートナーとしてのAIがそれを実現する手助けをしてくれるというものだ。アドビは新しいクリエイティブスキルとツールを導入し、Adobe Firefly AIアシスタントをさらに便利にするとともに、アイデアから完成作品への移行を加速させている。
数週間前に導入された「ストーリーボードの作成」と「ブランドキットの作成」は、現在Adobe Firefly AIアシスタントで最も利用されている機能の一つだ。製品をブランド表現を統一したモックアップ一式に仕上げたり、制作前にストーリーボードを作成したり、数十枚の画像を一度に一括編集したりする場合でも、Adobe Firefly AIアシスタントを使えば、ツールの管理に費やす時間を減らし、希望する成果物を生み出すための時間を増やすことができる。
Adobe Firefly AIアシスタントの日本語での利用に対応した新たな無料体験プログラムの提供を開始
Adobe Firefly AIアシスタントの高い性能と楽しさをすべてのユーザーに体験してもらえるように、日本語での利用に対応した新たな無料体験プログラムを開始する。
対象の無料ユーザーは、Adobe Firefly AIアシスタントを利用し、毎日一定の回数まで無料で画像、動画、音声の生成を試すことができる。これにより、日本のユーザーも、Adobe Firefly AIアシスタントの新しいクリエイティブ体験をより身近に楽しめるようになる。
この無料体験では、Adobe Firefly AIアシスタント専用の無料生成枠が提供され、これは通常のAdobe Fireflyにおける無料ユーザー向けの生成枠とは別に付与されるものだ。また、無料体験の提供内容や生成可能回数は、今後変更される場合がある。
Adobe Firefly内で、業界をリードするAIモデルからさらに多くの選択肢を
Adobe Fireflyは、業界をリードするAIモデルを搭載し、ユーザーは使いこなすほどに創作の選択肢を広げることができる。アドビは、Google、Kling AI、Luma AI、OpenAI、RunwayなどのAIモデルに加え、新たに「Gemini Omni Flash」を追加し、モデルの選択肢を拡充した。Gemini Omni Flashを使えば、テキストに加え、ビデオ、音声、画像を含むプロンプトを入力でき、大まかなアイデアをストーリーボード化し、ファーストカットへと仕上げられる。