EVSとMatrox Videoは、両社の専門知識を結集し、業界のソフトウェア定義型ライブ制作への移行を加速させることを発表した。欧州放送連合(EBU)の「ダイナミック・メディア・ファシリティ(DMF)」イニシアチブに沿ったこの提携により、EVSのオーケストレーションおよびワークフロー管理機能と、Matrox ORIGINのソフトウェア定義型メディア転送・処理機能を組み合わせ、放送事業者がより柔軟でリソース主導型の制作環境を構築できるよう支援するとしている。

放送事業者が固定型のインフラモデルから脱却するにつれ、変化する運用ニーズに応じて制作リソースを動的に展開、管理、拡張する能力が求められているという。EVSとMatrox Videoは、互いに補完し合う技術を組み合わせることで、より適応性が高く、効率的で、ソフトウェア定義型の制作ワークフローを実現し、この移行を簡素化する支援を行っている。

ダイナミック・メディア・ファシリティ(DMF)のビジョンを推進

DMFアーキテクチャにより、制作リソースを個々のワークフローや専用ハードウェアに恒久的に縛られることなく、運用上のニーズに応じてプロビジョニングおよび割り当てることが可能になる。

Matrox ORIGINは、標準的なコンピューティングインフラ上で放送ワークロードを実行するように設計された、ソフトウェア定義のメディア処理基盤をEVSに提供すると同時に、EBUのMedia eXchange Layer(MXL)やIPMXを含む、オープンで相互運用可能なアプローチをサポートしている。そのスケーラブルなアーキテクチャにより、メディア処理リソースを動的に展開・割り当てることが可能となり、DMFのリソース主導の原則と密接に整合している。Matrox ORIGINを基盤とするOEMとして、EVSは、放送局に差別化された価値を提供するオーケストレーション、自動化、および運用レイヤーにエンジニアリング投資を集中させることができる。

EVSは、放送事業者がインフラリソースを変化する制作要件に合わせて調整できるようにするオーケストレーションおよび運用レイヤーを提供する。EVSの「Flexible Control Room」ソリューションの主要コンポーネントであるProduction Resource Manager(PRM)を通じて、各制作の具体的なニーズに基づいて、処理リソースを動的に展開、設定、再構成することができる。これにより、放送事業者はインフラの利用率を最大化し、運用の俊敏性を高め、総所有コスト(TCO)を削減することが可能になるという。

このアプローチを補完する形で、Tactiqは、基盤となる技術スタックの複雑さを抽象化した、ワークフロー主導型の最新ユーザーエクスペリエンスを提供し、オペレーターがインフラの管理ではなくコンテンツ制作に集中できるようにする。並行して、Cerebrumはエンジニアリングチームや運用チームに対しても同様の簡素化を実現し、SDI、IP、オンプレミス、クラウド環境を横断する統合された制御レイヤーを提供する。

EVSのコントロール&オーケストレーション担当副社長であるディーター・バックス氏は、次のようにコメントしている。

バックス氏:放送事業者は、制作インフラをより柔軟にし、変化する運用要件に迅速に対応できる方法をますます模索しています。

Matrox Videoとの提携により、オーケストレーションとソフトウェア定義型メディア転送・処理における相互に補完し合う専門知識を結集し、DMFのビジョンを推進するとともに、よりアジャイルな制作環境に向けた新たな可能性を探求することができます。

Matrox Videoのセールス&マーケティング担当シニアバイスプレジデントであるアルベルト・チエリ氏は、次のようにコメントしている。

チエリ氏:Matrox Videoでは、放送事業者が独自技術への縛りを受けることなく、ベスト・オブ・ブリードのメディアシステムを自由に構築できるべきだと考えています。

Matrox ORIGINのソフトウェア定義型メディアフレームワークにより、放送事業者は今日、DMFのビジョンを実現できます。そして、EVSとの連携により、業界が目指してきた柔軟でリソース主導型の制作環境の導入をより容易にしています。

両社は、業界がよりダイナミックでスケーラブル、かつソフトウェア定義型の制作インフラへと移行するための技術開発において、引き続き協力していくとしている。

長年にわたる関係を基盤として

現在、EVSの放送制御・オーケストレーションプラットフォーム「Cerebrum」は、Matrox Videoの「Avio 2」IP KVMエクステンダーおよび「ConvertIP」ベースバンドからIPへのコンバーター、エンコーダー/デコーダーと統合されており、IPベースの制作環境全体にわたる一元的な制御とルーティングを実現している。