パナソニック・コネクト・ヨーロッパは欧州で、カメラからコントロールルームにいたる放送ワークフローを強化する最新の取り組みを発表した。今回、現地で発表された放送およびプロAV分野の最新技術を紹介する。

同社によると、映像技術、自動化、ワークフロー技術の進化により、コンテンツクリエイターや制作チームは、よりスマートで効率的かつ視覚的に魅力あるライブ制作を実現できるという。

グローバルシャッターMOSセンサーを搭載した業界初の革新技術

パナソニックの新しい遠隔操作型高性能4K PTZカメラ「AW-UE200/AW-UER200」シリーズは、グローバルシャッターMOSセンサーを搭載した業界初の※1PTZカメラだ。高速で動く被写体を捉える超高速パン・チルト機能と、大規模な会場でも鮮明な映像を実現する22倍光学ズームを備えている。

両シリーズとも、高速で動く被写体を撮影する際に歪みを排除し、被写体の本来の姿を損なうことはないという。また、LEDウォールとの互換性を備え、ステージ照明によるフリッカーを最小限に抑える。UER200シリーズは、ロール軸の可動範囲が-200°~+200°の最先端のロール機構を搭載し、センサー全域を使用した縦型(9:16)および横型(16:9)の映像出力をサポートしている。これにより、ソーシャルメディアプラットフォームへの直接ストリーミングに最適だという。

※1 2026年9月時点のパナソニックによる調査に基づく、PTZカメラ用MOSセンサーに関するデータ。

機能強化されたKAIROSコントロールパネル

パナソニックは、同社のKAIROS IT/IPライブ映像制作プラットフォーム向けに、2種類の新しいコントロールパネルを発売した。これらは、12バス/40クロスポイントボタン仕様と、12バス/30クロスポイントボタン仕様が用意されており、複雑で大規模なライブ制作の管理に最適だという※1。各バス列に配置された大型タッチパネルにより、スナップショットやマクロ、その他の頻繁に使用する機能に簡単にアクセスできる。これにより、オペレーターの疲労を軽減し、よりスムーズなスイッチングが可能になるという。AT-KP340は2027年度第2四半期に、AT-KP330は2027年度第3四半期に発売予定※2

※1 一部の機能は現在開発中であるため、仕様および発売日は変更される可能性がある。
※2 製品の発売状況に関する最新情報については、製品ウェブサイトをご参照のこと。

「Image Adjust Pro」ソフトウェアの新しい自動カラーマッチング機能

パナソニックの「Image Adjust Pro Media Production Suite」プラグインがアップデートされ、仮想リモートコントロールパネルが強化されたほか、新しい自動カラーマッチング機能が追加された。この機能により、専門的な知識がなくても、複数のカメラの色を基準カメラに合わせて自動的に調整することができる※1。これにより、ガンマ、マトリックス、色補正の設定を手作業で調整する手間が軽減され、ロケ現場でのカラーマッチングが効率化される。

これにより、プリプロダクションの設定が簡素化され、オペレーターの作業負荷が軽減されるほか、直感的なGUIインターフェースにより、パナソニック製および他社製カメラ間で一貫したカラーマッチングが可能になる※2。その結果、ライブ制作環境において、よりスマートで効率的なワークフローが実現する。このアップデートは、2026年度第4四半期にリリースされる予定だ※3※4。また、将来的には新型PTZカメラ「AW-UE200」および「AW-UER200」への対応も計画されている。

※1 一部の機能は現在開発中であるため、仕様、画面表示、対応機種、リリース日は変更される可能性がある。
※2 基準カメラを使用したカラー調整に対応しているのはパナソニック製カメラのみだが、基準カメラとして他社製モデルを使用することも可能。
※3 ファームウェアの提供状況に関する最新情報については、製品ウェブサイトをご参照のこと。
※4 自動カラーマッチングは、Image Adjust Pro(AW-SF600)に対応したモデルで利用可能。

4Kカメラ向けカラー調整機能の強化

パナソニックは、スタジオカメラ「AK-UCX100」および多目的カメラ「AK-UBX100」向けに、新たなカラー調整機能※1を導入した。これらは2026年度第4四半期に発売予定。これらの機能により、クリエイターが求める色彩表現を実現するとともに、LEDウォールを用いたライブイベント、放送スタジオ、バーチャルプロダクションにおいて、カメラ間のカラーマッチングを簡素化する。

「Color Temp. Blend」機能は、LEDウォールやステージ照明からの色温度データを取得し、それらをブレンドすることで、撮影環境に応じた最適なホワイトバランスを生成する。これにより、実写の被写体とLEDウォールに映し出された映像の視覚的な統一感が向上するという。

「Target Color Correction」機能では、特定の色を指定し、その色相と彩度を個別に調整することができる。例えば、LEDウォールに表示される企業のブランドカラーやスポンサーロゴをピンポイントで補正することが可能。この機能では、最大3つのカラーテーブルを同時に設定できる。

パナソニックの「クロマ抑制」機能により、ユーザーは全体的な色再現性を維持しつつ、彩度の高い映像における色ずれや彩度を抑制することができる。これは、コンサートなどのライブイベントで、鮮やかなCG映像を映し出すLEDディスプレイを撮影するオペレーターにとって、高品質な映像表現を実現する上で役立つ。

※1 ファームウェアのアップデートにより提供される。