AJAは、放送、制作、プロAV分野においてSDIとIPインフラを橋渡しする映像・音声プロセッサ「FS8」を発表した。AJAのFSフレームシンク製品群をベースにしたFS8は、フレームシンク、アップ/ダウン/クロス変換、IPゲートウェイ機能を含め、最大8チャンネルのHDまたは4チャンネルのUltraHD映像処理を確実に実行する。1RUサイズの同ソリューションは、直感的なノードベースのWeb UIと、12G-SDI、ST 2110、Dante、MADIなど幅広い接続性を備えており、制作プロセスを効率化する最新ツールを提供するという。

FS8は、2026年9月11日から14日までアムステルダムのRAIで開催されるIBCのブース(7.B25)にて展示される。

AJA社長のニック・ラッシュビー氏は、次のようにコメントしている。

ラッシュビー氏:業界を問わずIPビデオの導入が進む中、レガシーインフラと次世代ワークフローの構築のバランスを取るメディア企業にとって、柔軟な映像・音声対応はこれまで以上に不可欠となっています。私たちは、さまざまなソースから一貫性のあるフレーム同期されたHDRおよびSDR映像を配信するための強力なツールとして、FS8を設計しました。

FS8は、ST 2110に対応した当社初のフレームシンク装置ですが、その機能はそれだけにとどまりません。フレームレートやラスター、色空間の不一致への対応から、モノラルオーディオのルーティングや管理にいたるまで、制作現場でよく直面する課題を解決する、まさに「スイスアーミーナイフ」のようなソリューションです。

FS8の際立った特徴として、柔軟性を高める最新の接続性と高密度処理が挙げられるという。最大16系統の12G-SDI入力と、8系統のHDまたは4系統のUHD ST 2110-20入力が、8系統のHDまたは4系統のUHDビデオプロセッサに供給されるため、追加機器の必要性が減り、スペース、電力、重量の削減につながる。エンベデッドSDI、ST 2110-30、Dante、MADIオーディオへの対応により、459×448のモノラルオーディオマトリックスが実現され、ルーティングや変換からレベル調整、ディレイ、サンプルレート変換にいたるまで、コスト効率に優れたオーディオ処理が可能だ。

設定可能な映像および音声遅延機能により、HDでは最大60フレーム、UltraHDでは最大30フレーム、音声では最大2.5秒の遅延が可能。また、最も要求の厳しいライブアプリケーション向けに、映像フレームの半分未満という超低遅延も実現する。さらに、UltraHDの関心領域(ROI)スケーリング、カラーコレクション、プロセッシングアンプ、3D LUT処理、オプションのColorfrontライセンスによる精密なSDR/HDRカラーマネジメント、そして詳細なST 2110トラブルシューティングツールセットも統合されている。OpenAPIで定義された公開RESTful APIへの対応により、カスタム制御インターフェースの作成や、Cyanview、Pomfort、Skaarhoj各社が現在開発中のサードパーティ製統合ソリューションの利用が可能になる。

これらの機能はすべて、FS8の1RUフレームおよびブラウザベースのWeb UIを通じて利用可能だ。Web UIのインタラクティブなノードベースの処理パイプライン、ビデオプレビュー、オーディオメーター、システムおよびコンポーネントレベルのプリセット呼び出し、ステータス監視などの機能により、FS8の設定と制御が簡素化される。FS8のフロントパネルに搭載されたカラーLCDは、動画やオーディオメーターの表示に対応しており、入力、出力、ビデオプロセッサのステータスをより詳細に把握できるため、信頼性の高いモニタリングを実現するとしている。

FS8の主な機能は以下の通り。

  • UltraHDおよびHDビデオ処理モードにより、最大4チャンネルの4K/UltraHD、または最大8チャンネルの2K/HDのフレーム同期、処理、およびIPゲートウェイ機能(HDR変換を含む)を自由に組み合わせることが可能
  • 同軸および光ファイバー経由の12G-SDI、ST 2110-20(ST 2022-7冗長化対応)を含む豊富なビデオI/Oオプション。これには、オーディオのディエンベディングおよびエンベディング機能も含まれる
  • オーディオI/Oオプションには、Dante、MADI、ST 2110-30、および埋め込みSDIオーディオが含まれ、各オーディオ入力でサンプルレート変換が可能で、すべてのI/Oで遅延、レベル、位相調整が可能であり、459×448のオーディオ処理マトリックスを構築する
  • ダイナミックレンジおよび広色域変換のための柔軟なHDRおよびSDRカラー変換。各ビデオプロセッサは、内蔵のNBCU、ユーザー3D LUT、ダイナミックLUTモード、またはライセンス取得可能なColorfrontおよびBBC HLG LUTモードから独立して選択可能
  • 四面体補間機能を備えた33ポイント3D LUTプロセッサ
  • 4K/UltraHD/2K/HDビデオ処理およびアップコンバージョン、ダウンコンバージョン、クロスコンバージョン
  • 出力SDI VPIDおよびST 2110 SDP向けの設定可能なHDRメタデータ
  • テスト信号ジェネレータ(SDRおよびHDRテストパターン、ムービングボックス、ビデオプロセッサごとのカスタムテキストオーバーレイ、モノラルオーディオチャンネル出力ごとのオーディオトーンジェネレータを含む)
  • 関心領域(ROI)のスケーリングおよび位置決め
  • モーション適応型デインターレース機能
  • HDでは最大60フレーム、UHDでは30フレームの調整可能な映像遅延、および2.5秒の調整可能な音声遅延
  • 超低遅延映像処理モード(映像フレームの半分未満)
  • シンプルなフレームレート変換
  • 設定可能なアナログリファレンス出力
  • 付加データの整理
  • 直感的な入出力ルーティングマトリックス制御
  • システムおよびコンポーネントレベルのプリセット
  • 5.1chまたは7.1chサラウンドからステレオへの4系統のオーディオダウンミキサー
  • AJAの定評ある5年間の保証およびテクニカルサポート。コア機能の利用に契約、定期的なソフトウェア保守料、継続的な機能サブスクリプションは不要

発売時期

FS8は、AJAの販売代理店ネットワークを通じてまもなく発売される予定。FS8の全機能、接続性、IP機能の詳細については、こちらをご確認のこと。