Blackmagic Designは、DaVinci Resolve 21.1を発表した。今回のアップデートでは、Claude、Claude Code、ChatGPT CodexなどのAIアシスタントと連携するためのネイティブMCP(Model Context Protocol)サーバーを搭載したほか、フォトページのカメラコントロール対応やメディア管理機能などを拡充した。
Fusionの3Dおよびシェイプツールキットには25種類以上の新しいKrokodoveツールが追加されたほか、編集、カラーグレーディング、メディア管理など各ページに多数の新機能やコントロールが追加された。DaVinci Resolve 21.1は、Blackmagic Designウェブサイトから無償でダウンロード可能だ。
DaVinci Resolve 21.1は、IBC 2026のBlackmagic Designブース(Stand 7.C49)にて展示される。
AIアシスタントとの連携とワークフローの自動化
DaVinci Resolve 21.1では、AIアシスタントと連携するためのネイティブMCPサーバーを搭載。Claude、Claude Code、ChatGPT Codexなどの対応するAIアシスタントから、プロジェクトの解析、メディア管理、設定変更、バッチレンダリングなどの操作を指示できる。例えば、長尺ビデオからのハイライト編集の作成、不要なクリップの削除、納品用ファイルの書き出しなど、反復的な作業をAIアシスタントに依頼できる。
フォトページとカメラサポートの拡大
フォトページでは、富士フイルムのGFXおよびXシリーズ、Leica SL、ソニーα7R VIなどのカメラコントロールに新たに対応した。フォトページのイメージ設定は、DaVinci Resolve Micro Color PanelなどのDaVinci Resolveカラーパネルから調整できるようになり、手元のコントロールを使用した操作に対応する。ResolveFXのサポートも拡大され、カラーページのスチルイメージに対する空の置き換え機能も強化された。
メディア管理の改善
メディアページでも多くの機能が改善され、メディアのレビューと管理が容易になった。ソースビューアでは、タイムラインが縦長か横長かにかかわらず、ソースメディア本来のアスペクトレシオを維持して表示できるようになった。
メディアプールでは、編集可能なすべての欄をリストビューで変更できるようになったほか、各行・列の間を「Tab」および「Enter」キーで移動でき、メタデータを効率的に入力できる。環境設定内の新しいデコードオプションでは、AIツールにフル解像度のメディアのみを使用するかどうかを指定可能。フル解像度のメディアがオフラインの場合は、利用可能な他のメディアが使用される。
プロジェクトアーカイブの書き出しでは、実際に使用されているメディアだけを含めるオプションや、レンダーキャッシュ、LUT、ギャラリースチルを含めるオプションが追加されたほか、オリジナルまたはプロキシの選択にも対応した。プロジェクトの統合では、レンダリングされたプロジェクトメディアに.drpファイルが含まれるようになった。
エディットページとカットページの進化
エディットページでは、マルチカムワークフローが強化された。タイムラインビューアに新しいマルチカムモードボタンが追加され、ソースビューアで現在のクリップを表示しながらアングルを切り替えられる。タイムラインに戻るとソースビューアも自動的にマルチカムモードへ戻るため、メディアプールのクリップをプレビューした後も作業を継続しやすい。マルチカムクリップの作成では、タイムコードのギャップで分割する機能も追加された。
新しいキーボードショートカットでは、最大25個のマルチカムアングルをコントロールできる。大規模なコンサート、スポーツ、イベント制作などで、多数のカメラアングルをキーボードから切り替えられる。トラック選択のショートカットは32トラックまで対応。オーディオ波形は利用可能なトラックの高さに合わせて自動的にスケーリングされる。
トリムエディターもアップデートされ、ビューア内で直接ドラッグすることでフレーム単位の調整が可能になった。また、タイムラインのクリップ名の隣にクリップの長さを表示できる。インスペクタパネルはプリセットに対応し、ビデオ、オーディオ、トランジション、変形に関するパラメーター設定を保存・呼び出しできるようになった。
インデックスパネルでは、マーカーのリストをPDFレポートとして書き出せるようになり、DaVinci Resolveを使用していないクライアントや共同作業者との情報共有に利用できる。「現在のタイムラインと比較」機能はインターフェースが再設計され、編集箇所への移動やレビューを行いやすくなった。
カットページでは、ソーステープおよびマルチソースビューアモードに、新しいソースタイムコードタイマーのオプションが2つ追加された。これにより、編集中のオフセットや長さを確認できる。環境設定の「編集」タブには「スクラブ時に再生を停止」、「フレーム変更時に常にオーディオを再生」、「ブレードで再生ヘッド以降のクリップを選択」などの新しいオプションが追加され、編集時の挙動をより細かく設定できるようになった。
カラーページとFairlightの高度な制御
カラーページでは、マルチマスタートリム機能がDolby Vision、HDR10+、HDR Vividワークフローで個別のトリムパスに対応し、HDRフォーマットごとに個別のグレーディング調整が可能になった。
出力サイズ調整はトリムごとに個別に設定でき、異なるアスペクトレシオに合わせてそれぞれフレーミングできる。また、トリムごとに個別のタイムラインキャッシュを使用できるため、異なる納品用ファイルへ切り替える際の再キャッシュを抑えられる。カラーページでスタック表示したクリップ間を移動する際には再生ヘッドの位置が維持され、同じ位置を保ったままレイヤー間を切り替えられる。
DaVinci Resolve 21.1では、GoPro Log、Leica L-Log、DJIのD-Gamut2およびD-Log2、VivoのWide GamutおよびLogなど、より幅広いカラースペースとカラーマネージメントソリューションにも対応。これらのカラースペースを使用したワークフローに対応するほか、カメラ変換LUTおよびACESトランスフォームカラースペースのオプションも追加された。
Fusionの3Dツールキットとフォーマットサポートの拡大
Fusionでは、3Dおよびシェイプツールキットを拡充する25種類以上のKrokodoveツールが新たに追加された。Connect 3Dツールでは頂点間の接続を作成し、Heightfield Create 3Dではイメージマップを使用して深度に基づいて平面を変形できる。Tube Create 3Dではパスに沿ったパイプ形状を作成し、新しい3D Regionツールセットでは3D環境内の指定した領域にエフェクトを限定できる。sPrimitive Createノードでは、十字、ポリゴン、長方形、星形などの基本シェイプを生成できるほか、高度なエッジ調整ツールも追加された。
Fusionのマクロエディターは、DRFXテンプレートバンドルからマクロを直接ロードできるようになり、自動検出にも対応した。マクロはテンプレートカテゴリーごとに保存でき、必要な際にカットページまたはエディットページから使用できる。また、レンズ歪みツールにはラインベースのキャリブレーション方式が追加された。
Fairlightアニメーターには、ハイパスおよびローパスフィルターのコントロールが追加され、ソースオーディオの特定の周波数帯域を使用してアニメーションパラメーターを制御できるようになった。MultiTextでは、レイヤー同士を基準に配置を揃えられるようになり、複数のテキスト素材を扱う際の位置調整機能が強化された。
Blackmagic Cloud Presentationsもアップデートされ、字幕のサポート、注釈の共有、コメントへの返信に対応した。フォーマット面では、Apple SiliconでハードウェアアクセラレートHEICデコードに対応したほか、WindowsではNVIDIA RTX Sparkシステムをネイティブサポートする。
Blackmagic Design CEOであるグラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
ペティ氏:AIアシスタントに対応したことで、ハイライト編集の作成、メディアの管理、バッチレンダリングなどの反復的な作業をClaudeやChatGPT CodexなどのAIアシスタントに任せられるので、より多くの時間をクリエイティブな判断に費やすことができます。
ほかにも、フォトページのカメラサポートを拡大し、新しいマルチカムワークフローを追加しました。Fusionには25種類以上のKrokodoveツールが追加され、100種類以上の機能のパフォーマンスが改善されました。とても大きなアップデートであり、皆さまがこれらのツールで作成する作品を拝見するのを大変楽しみにしております。