ライカカメラグループは、2025/2026年度(2025年4月〜2026年3月)の売上高が5億7,300万ユーロ(前年比3.8%減)となり、過去最高額を記録した前年度の5億9,600万ユーロを下回った。
国際関係の緊張の高まりや為替変動、関税規制の強化といった厳しい市場環境が続く中でも、安定した事業基盤を維持したとしている。
収益を牽引したのは写真部門で、モバイル部門が引き続き力強い成長を示したほか、スポーツオプティクス部門の需要も堅調に推移した。さらに、ウォッチ、アクセサリー、ホームシアタープロジェクター(スマートプロジェクター)、眼鏡用レンズの各事業も好調な業績を維持している。
2025年、ライカカメラグループは「ライカI」誕生100周年を機に、ブランドのグローバルな魅力をさらに高めた。特別限定モデルに対する高い需要、世界各地で開催された写真展への大きな反響、そしてライカの中古市場における根強い人気は、ブランドの確固たる地位と世界中のライカコミュニティとの強い絆を裏付けるものだとしている。
ライカの公式オークションハウス「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」では、希少なライカのプロトタイプが出品され、カメラとして史上最高額クラスで落札された。ライカは、こうした結果もブランドの魅力と普遍的な価値を示すものとしている。
2026年には、世界最大規模の写真ギャラリーネットワークとなったライカギャラリーの50周年を記念した写真展「Personal Perspectives」を開催。この写真展を通じて、写真文化の振興や写真家・写真愛好家との交流に取り組む姿勢を改めて広く発信している。
ライカカメラ社最高経営責任者(CEO)アンドレアス・フォル氏は、次のようにコメントしている。
フォル氏:ライカは、精度、クラフツマンシップ、デザイン、そして写真文化を体現する唯一無二の企業です。当社の業績は、プレミアムセグメント向けの革新的なカメラの展開や新規ターゲット層の開拓といった、ライカカメラグループの戦略的な方向性が正しかったことを裏付けています。
アイコニックなMシリーズで初めて電子ビューファインダーを内蔵したモデル「ライカM EV1」をはじめ、ライカ初の国際市場向けスマートフォン「Leica Leitzphone powered by Xiaomi」、スマートミニプロジェクター「ライカCine Compact 1」の発表を通じ、当社のプレミアム製品ラインナップの革新性をさらに高めました。
グローバルな販売・小売ネットワークの拡充を通じて、お客様との信頼関係を深めるとともに、市場における存在感を一段と揺るぎないものにしていきます。
地域展開とグローバルな販売ネットワークの強化
2025/2026年度、ライカカメラグループは本拠地であるドイツ国内市場において堅調な伸びを記録した。グローバル市場においては、国際関係の緊張の高まりや先行き不透明な経済状況がなお影響を及ぼしているという。
2025/2026年度、ライカは新たな地域を開拓し、戦略的かつグローバルなストアネットワークを拡大した。実店舗販売、オークション、eコマースを組み合わせた選択的な販売戦略は、過去20年にわたり着実に進化を遂げてきた。オンライン事業もグループの業績に寄与した。
写真およびその他事業分野における新製品発表
2025年10月には、ライカMシステムで初となる電子ビューファインダー内蔵モデル「ライカM EV1」を発表した。2026年1月には、ライカMシステム向けのコンパクトな大口径レンズ「ライカ ノクティルックスM f1.2/35 ASPH.」を発表した。
同レンズには高温でプレス成形したガラスエレメントが採用されており、ライカは「PGM(精密ガラス成形)」と呼ばれるこの先端技術を確立している。さらに、堅牢で個性的なデザインが特徴のシステムカメラ「ライカSL3 "Reporter"」の発表に続き、モノクローム撮影に特化した「ライカQ3 モノクローム」が加わり、製品ラインナップが一層充実した。
「ライカ ウルトラビット ホワイトオーシャン7×42」は、海上や海岸エリアでの使用を想定して設計されたエレガントなデザインの双眼鏡だ。この製品により、ライカはスポーツオプティクス分野における新規顧客層を開拓するとともに、プロフェッショナルな自然・風景観察用フィールドスコープをはじめとする製品ラインナップの強化を図った。
モバイルイメージング分野におけるXiaomiとの戦略的パートナーシップは、引き続き順調に進展している。2026年2月に発表された「Leica Leitzphone powered by Xiaomi」は、ライカ独自のデザイン美学を形にし、高度な写真技術と本質を追求するブランドの姿勢を融合させた製品だ。
ライカが自社開発し、さまざまな賞を受賞しているiPhoneアプリ「Leica LUX」には、新機能「Artist Looks」が搭載された。ユーザーは、英国の著名な写真家グレッグ・ウィリアムズ氏のスタイルを取り入れた撮影を楽しめる。
スマートプロジェクション事業分野では、世界的な高級家具メーカーであるYOMEIやUSMとのコラボレーションによって、ホームシアター製品のラインナップを展開している(国内未展開)。これにより「ライカCine 1」を各メーカーの家具に組み込めるようになった。
ウォッチ、アクセサリー部門では、「ライカZM 1」「ライカZM 2」ウォッチシリーズに新色の「アーバングリーン」を追加した。高品質な眼鏡用レンズを手がけるライカ アイケアは、グローバルな販売ネットワークを拡張するとともに、生産工程への新たな機械設備の導入を進めている(国内未展開)。